大英帝国という経験 (興亡の世界史)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062807166

感想・レビュー・書評

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  • 入門的だが、「イギリス人」という意識と帝国経験との関わりが書かれていて面白かった。奴隷貿易・スコットランド・アイルランド・アメリカ独立というトピックに重点が置かれていて、エピソードの紹介が多い。

  • 大英帝国がアメリカ独立までと後で植民地政策をどの様に変換していったかを解説。
    度重なる戦争で国費が疲弊したイギリスはアメリカに砂糖税等の重税を課す。
    その事がきっかけになり、アメリカは独立へ向けて動き出す。
    アメリカ独立後は政策の比重を東のアジアに向けていく。
    そしてそれは、移民、奴隷に関わらず様々な人種を世界規模の移動へと促すことになる。

    歴史の変遷はもちろん、当時の風俗をより重点的に解説している点がおもしろい。
    コーヒー、紅茶がもたらしたもの。
    早くも民衆のイメージを意識しだした王室。
    ツアー旅行の発明そして個人旅行へ。
    若者の劣化、フーリガンの登場。
    移民政策での女性の台頭。等
    今日本で議論されているようなことが、18,19世紀イギリスですでに起こっている。

    広大な植民地を抱えたが故に多くの移民を生んだイギリス。
    そして現在もスリランカやアラブ諸国等でその爪あとは残っており、深刻な民族問題や内戦を引き起こしている。
    そんな中、今だ多種多様な民族を抱えたイギリス人はどの様なアイデンティティーを持てばよいのか。

    もうちょっと20世紀の記述が欲しかった。

著者プロフィール

甲南大学文学部教授
『大英帝国という経験(興亡の世界史16)』(講談社、2007年;講談社学術文庫、2017年)
『「近代」とは何か―「昨日の世界・ヨーロッパ」からの問い』(かもがわ出版、2023年)

「2024年 『「世界」をどう問うか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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