昭和梟雄録 (講談社+α文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062813280

作品紹介・あらすじ

悪党の時代の首領たち
池田大作の通信簿を公開、三越「なぜだ!」岡田茂解任劇場、中川一郎は中折れする血筋か<オリジナル>

「梟雄(きょうゆう)」とは残忍で猛々しく、悪知恵にすぐれた勇者、悪者の首領をいう。時はバブル前夜、悪党の時代。昭和の掉尾を飾る8年間に、意気みなぎる著者が現代・文藝春秋・諸君!等に寄稿した人物ルポを採録。ホテル・ニュージャパン横井英樹、トヨタ創業家豊田章一郎、全日空若狭得治、豊田商事永野一男、創価学会の池田大作と矢野絢也……。事件の渦中にいる梟雄たちへの直撃インタビューも交えた、闇の紳士録である。現在も爪痕を残す「9人のその後」を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 梟雄=残忍で強く荒々しいこと。また、その人。悪者などの首領。
    目次
    第1章 横井英樹―時代に乗り遅れた“乗っ取り王”
    第2章 岡田茂―三越、窮極の私物化は「なぜだっ!」
    第3章 豊田章一郎―版籍奉還するトヨタ武士団の血
    第4章 若狭得治―人心収攬の凄みで全日空に君臨
    第5章 永野一男―老人の命金まで詐取した果てに
    第6章 中川一郎―ポキッと中折れする血筋なのか
    第7章 矢野絢也―「公明」政治でカネを貯め込む
    第8章 山崎正友―トリックスターは正義をもたらす
    第9章 池田大作―地味で悲しい少年の「今に見ていろ」

     その内容のせいであろう、極めて抑制された筆運びで、ぼくとしてはもう少し煽っても良いのではないかと若干物足りなさを感じるが、どれもこれも実に興味深い対象が選ばれており、その切り込みの深さに感心する。
     豊田家の質素倹約振りは家康由来のものであろうか。章一郎が頂いたものは倍にして返しなさいと家族に教えていたことを以て、著者は単なるケチではなかったと書いているが、むしろ借りを作らないという姿勢の表れであろう。サッカー場を始め数々の立派なスポーツ施設を豊田市内に有しながら、名古屋オリンピックが取りざたされた頃「施設を使わせて欲しいと頼まれたらどうするか」との問いに、「あれは名古屋のことだろう」とにべもなく断ったという視野の狭さに驚かされた。
     (車のトヨタとは無関係の)豊田商事。永野一男は破綻という終末を全く見ない振りで突き進んでいったのか。
     中川一郎は殺されたのだとぼくは信じていたが、鈴木宗男に資金集めの根っこを掴まれており、遂に自殺せざるを得なかったのではないかとの説には驚いた。
     創価学会関連に三本も割いているのがこれまた興味津々。創価学会の選挙集票能力を疑う日本人はいない。自前の候補を立てない地域では他の政党を単に応援しているだけなのだろうと実は信じていたのだが、この組織はそんな甘いものではなかった。票を売っているんだそうな。なるほどそういう集金ビジネスがあったのか。宗教法人というのは非課税組織なのだが、聖教新聞を初めとする出版やその他の事業の利益も非課税なのだろうか。
     等々、なかなか考えさせられる力作である。

  • 「梟雄」とは残忍で猛々しく、悪知恵にすぐれた勇者、悪者の首領をいう。時はバブル前夜、悪党の時代。昭和の掉尾を飾る8年間に、意気みなぎる著者が現代・文藝春秋・諸君!等に寄稿した人物ルポを採録。ホテル・ニュージャパン横井英樹、トヨタ創業家豊田章一郎、全日空若狭得治、豊田商事永野一男、創価学会の池田大作と矢野絢也…。事件の渦中にいる梟雄たちへの直撃インタビューも交えた、闇の紳士録である。現在も爪痕を残す「9人のその後」を付す。

  • 某巨大宗教の関係者がラストに書かれてます。
    昔の彼女も信者で集会に参加させられ、且つあのどこにでもある巨大集会所で衛星中継でありがたきお言葉を頂きましたなー

  • 2回目。いずれもクセのある男たちの人生を描く。人物ものは書き手が試されると後書きで述べているが、鋭い目線で見ている印象。刺激される部分はある。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。ジャーナリスト。1942年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、フリーに。著書には『暴力団』(新潮新書)、『血と抗争 山口組三代目』『山口組四代目 荒らぶる獅子』『武闘派 三代目山口組若頭』『ドキュメント 五代目山口組』『山口組動乱!! 日本最大の暴力団ドキュメント2008~2015』などの山口組ドキュメントシリーズ、『食肉の帝王』(以上、講談社+α文庫)、『詐欺の帝王』(文春新書)、『パチンコ「30兆円の闇」』(小学館文庫)などがある。『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞を受賞した。

「2023年 『喰うか喰われるか 私の山口組体験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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