日本人というリスク (講談社+α文庫)

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著者 : 橘玲
  • 講談社 (2013年3月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062815109

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日本人というリスク (講談社+α文庫)の感想・レビュー・書評

  • 先日この本の著者である橘氏が書かれた「日本人」という本を読んで感激した私は、最近発行された人気本であるこの本も読んでみることにしました。

    内容は彼の得意分野である「資産運用」に関するもので、資産運用を成功させるための考え方や、日本人であることのリスクを他の国と比較しながら説明しています。

    戦後の日本人の人生設計を支配してきた4つの神話、不動産神話・会社神話・円神話・国家神話、が崩壊してきたことが説明され、日本の会社で、日本円で稼いで、日本円で貯蓄することのリスクをこの本を通して理解できたので、そのうちの一部でも変えることが出来るような素地を作っていきたいと思いました。

    特に興味深かったのは、サラリーマンの生涯年収から、入社時の人的資本を計算したもので、生涯年収3億円(初任年収250、退職時1300、退職金3000)の場合、入社時の人的資本は1.35億円(p73)でした。

    また、日本における経済書やビジネス書の読者は最大400万人とした計算根拠(p168)は面白かったです。このような考え方ができるようになりたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・地震の頻度と大きさを数えると、小さな地震はものすごく多くて、大きくなるほど頻度が減っていく、このような分布を「べき乗」といい、ロングテールという名で知られている(p28)

    ・自殺率が際立って高いのは、青森・岩手・秋田の東北三県、それ以外では、新潟・島根・高知である一方で、首都圏・近畿圏・中京圏はどれも平均以下(p37)

    ・レバレッジとは、資本金と負債の比率のこと。貯金箱のお金がすべて自分のポケットならばレバレッジ1倍、資本金と負債が同じならば(頭金が半分)ならばレバレッジ2倍。運用利回りが10%ならレバレッジ2倍の場合、資本金に対する利回りは20%となる(p40)

    ・海外赴任が決まってマイホームを一時的に賃貸にだすと家賃収入が発生し、かつてのマイホームは金融資産になる。経済学ではこのことを「帰属家賃」=マイホームとは、自分で自分に家賃を払うこととする。マイホーム所有者は、帰属家賃という見えない収入を受けているとし、それに課税するところ(スイス、オランダ、ベルギーなど)もある(p44)

    ・マイホームの購入とは、不動産の信用取引のこと、株式の信用取引はレバレッジが3倍程度でハイリスクハイリターンと言われるが、マイホームの頭金は購入価格の2割程度なので、レバレッジは5倍(p49)

    ・賃貸よりも持ち家が得、とされているのは、持ち家のほうがリスクが高いから、リスクが高いほどリターンの平均は大きくなる(p50)

    ・日本の土地は80年代半ばまで年率15%で右肩上がりであった、これに5倍のレバレッジをかければ資本金に対する運用利回りは年率75%という驚異的なものになる(p52)

    ・首都圏における不動産投資は実質利回り5%を期待している、5000万円の中古マンションならば50万円の利益、つまり月額家賃20万円、これを収益還元法という。価格の安いマンションの利回りが高いのはリスク(物件価格が下落する可能性)が高いから(p55)

    ・高齢化社会では、高齢者に入居してもらわなければ空室を埋めることができないので、過去の話になるだろう(p59)

    ・私達が家の所有に特別に高い価値を置くのは、縄張りを作れ、と本能が命じるから。これを正当化するために、「男は家を持って一人前」とか後付け理屈が生まれる(p61)

    ・リスク耐性の低い個人が、特定の不動産に高いレバレッジをかけて金融資本のすべてを投じるのはきわめて危険な選択である。1000万円の預金で株式を購入して、その価格が半分になると500万円の損失、1000万円の頭金に4000万... 続きを読む

  • 橘玲さんの本は毎回拝読させて頂いているのですが、日本及びそこに住む我々の将来について真剣に考えさせてくれます。「持ち家」vs「賃貸」みたいな話から年金、投資、貧困問題等についても読み易く書かれています♪

  • マイホームに関する長年の疑問がようやく解消した。

    やはり、マイホームの購入は不動産投資と同じであり、投資はおしなべてリスクとリターンを検証すべきだということが、漠然とは感じていたが、論理的に整理されていて、スッキリした。

    そういった資産運用の話以外は、どこかで読んだことのある内容だったが、全体的にまとまってきたという印象。

  • 一番リスクを避けようとする民族性を持つ日本人が、実は大きなリスクをとっているという話。橘氏の他著(「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」他)で言っていることと重なっている部分もあります。

  • ○評論家で作家の橘氏の著作。
    ○日本経済を分析しながら、日本経済のリスクと、そのリスクへの対応の仕方を明らかにしたもの。
    ○資産運用というと、株式などへの投資を想像してしまいがちだが、冷静に分析し、その状況に応じた対応をすることが必要だと言うことが、あらためて分かった。
    ○とても分かりやすい入門書。

  • 311の後に、どんどん今までの常識が崩れてきているという。不動産神話、会社神話、円神話、国家神話。たしかに終身雇用前提でサラリーマンになって、年功序列で給与が上がっていく前提でローンを組むって恐ろしいことだなと。
    投資としては、世界株ポートフォリオを作ることを目指せと、ACWIか東証の1554とのこと。
    スペシャリストを目指したい。

  • 「黄金の羽の拾い方」などこれまでの著書の考え方を震災後の最新の世界に合わせて書き直した、更新版。

    内容はこれまでと同様で、目新しいものはない。橘氏の類書を未読であれば、これだけ読んでもよいと思う。

  • 橘玲の本はホンマに面白い。実に良書。
    「日本」について、経済的・金融的な観点や政治的な側面、クリティカルな「考え方」をしっかり読み込める1冊。

  • 今までの著書と比べるとあんまり面白くなかった。

  • 著者は持ち家、大企業に勤める、日本円による貯蓄という今まで安心と思われたことが大きなリスクであると説く。
    年代にもよるが、退職後年金だけではこころもとない。
    とはいえ、60をすぎても働くのはしんどい。アーリーリタイアを目指すアメリカ人も今はずっと働かざるを得ない状況だし。暗い未来になってしまう。しかし、日本は食べ物もお酒もおいしいし、住むにはとてもよい国だから、このまま日本で暮らすのだろうな。

  • 人生を資本/資産、リスク/リターンという視点から見てみると、「マイホーム・サラリーマン」という生き方がいかに盤石の反対なのかわかる、という本。
    前半は人的資産、後半は金融資産を扱う。後半は著者ならではの成分が少なめなので前半について。
    リスクはなくせない。回避する/軽減する/転嫁する/受容するなどの方法はあるけど、リスクをなくすとリターンもなくなってしまう。リターンを得るなら何らかの形でリスクを受け入れるしかなく、その時に大切なのはリスクを受け入れ可能なサイズに小さく分散しておくこと。その観点から最悪なのが、リスクを集中させてしまう生き方。つまり、
    不動産神話→持ち家を買う
    会社神話→大きな会社に就職して定年まで勤める
    円神話→日本人なら円資産が安心
    国家神道→定年後は年金で暮らす
    という生き方。
    それぞれの内容は読んでもらうのが一番いいけど、本書の面白さは「え、それは資産じゃないの?! それが資本になるの?!」「そんなことして危なくないの?! かえってリスキーなの?!」という意外性。蒙をひらかれる楽しさがある。
    そして、ゼロサムとプラスサムについての語り口から判断するに、本書の内容はゼロサム(知っている者だけが抜け駆け的に得をする)のではなくプラスサム(皆が知って皆が変われば皆が得をする)だと思われる。
    ぜひ、御一読あれ。

  • 根拠データに基づいた提言には説得力がある。

    マイホーム神話、大企業神話、円資産神話、国家神話は1997年の金融危機で崩壊し、2011年の大震災には確実になっていたことを金融理論を根拠に解説する。ブラックスワンに気付かず、変動金利で住宅ローンを組み、大企業に就職し、円資産しか持たない日本人。これまでの日本人と同じ「人生設計」には大きなリスクがある。。。

  • 明らかに将来的に明るい展望がひらくことがない、日本という国。
    であれば、せめて自分とその家族だけでも明るい未来を切り開こうと
    切実に思うのであった!

  • 今までの本を改めてサマったもの

  • 会社や国家をあてにする事は大いなるリスクであると説いており、それを人生のバランスシートを使って上手く説明している。また、自殺数の分析から、1997年の金融危機が、東日本大震災に匹敵するほど、日本に大きく影響を与えたとしているのは説得力がある。また、国債の信頼性が揺らぐ条件を解かり易く解説しており、いろいろ考えるヒントになる。

  • (日本人)と同様、日本の直面している課題の本質に迫るような内容を期待したのだが、大部分はファイナンスの教科書に書いてある内容そのものだったので少し期待はずれ。
    本質的な議論はないではないのだが、提示されている解決策は、知識層の人々は正しい判断に基づいて行動するという前提を置いているため、やや疑問を感じる。但し、日本の労働観の本質は非常に的を得ており参考になる。

  • ポスト3・11から日本は変わってきたのだろうか。自分にはその変化がどのようなものかはわからない。この書籍に紹介されている変化は自分に大きな影響があるものであった。

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日本人というリスク (講談社+α文庫)の作品紹介

3・11を境に、日本人を取り巻くルールが変わった。もはや会社は社員を守らない。国家は国民を守らない。リスクをすべて押しつけられた個人は、この斜陽の国でいかに生きるべきなのか-。カリスマの人生設計論・決定版にして、新世紀を生き抜くためのバイブルが待望の文庫化。あらゆるリスクから自分を切り離し、「経済的独立」を果たして幸福を手にする。奪われた未来を取り戻し、理想の楽園へと続く道を切り開く究極の一冊。

日本人というリスク (講談社+α文庫)はこんな本です

日本人というリスク (講談社+α文庫)のKindle版

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