しんがり 山一證券最後の12人 (講談社+α文庫)

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著者 : 清武英利
  • 講談社 (2015年8月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062816090

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しんがり 山一證券最後の12人 (講談社+α文庫)の感想・レビュー・書評

  • 清武さん、ジャイアンツオーナーでナベツネに反抗したくらいのイメージしかなかったけど、なかなか読ませる文章を書く人だ。

  • 読了後に本作が講談社ノンフィクション大賞を受賞した作品だと知る。読み応えがあ理、無駄がそぎ落とされた作品。

  • 山一証券破綻について詳しく、かつリアルに描かれている。登場人物は多いが、一覧表などを見返しつつ読み進めることが出来る。経営陣を監視するコンプライアンスの重要性が強く印象に残った。☆☆☆☆

  • これも後輩から借りた本。借りた本しか読んでない今日このごろ。(どうでもいい)

    山一證券が破綻し、会社が無くなることが決まった中で最後の闘いに臨む社員達の物語… といえばそうなんですが、そもそも山一證券の破綻とか子供の頃の話で全くピンと来ない出来事でした。しかし、当時の混迷ぶりやその悲惨さ・影響の大きさなどが各登場人物の体験・感情・行動と共に伝わってきて、普通ならば「この時期に大きな会社が潰れたんだってー」で済まされてしまう出来事を、臨場感を交えながら知ることができたのは凄く良かったです。
    この本の一連の出来事の中には、多くの教訓と言うか、学ぶべきポイントが散りばめられており、読む視点によっても捉え方が色々変わる部分も多いのではないかと思います。
    ・不正ダメ、絶対
    ・人生なんとかなる、会社なくなっても
    ・真摯に取り組めば報われる
    ・真摯に取り組んでも報われないこともある
    ・投資甘くない
    ・会社に頼りすぎるな
    ・仲間は大事
    などなど、挙げるとキリがなさそうですが、ノンフィクションだからこそ感じ取れるものが多くあったように思います。
    小説ばかり読んでる自分にとって、序盤はなかなか取っ付きづらい部分もありましたが、最後まで読んでよかったなあと思える書籍でした。

    しかし、巨人のイザコザくらいでしか名前を知らんかったから、清武さんって凄い人だったんだなあと思いました。(そこかよ)

  • 働く意味を考えられる本だと思う。

  • 1997年に自主廃業した山一証券において、廃業に至るまでの真相を解明した社員たちのお話。

    バブル崩壊後の証券業界では、四大証券会社による総会屋への利益供与問題など、逮捕者が出るほどの不祥事が続いていた。山一證券では利益供与問題の他に、顧客の負債を自社の関連会社に付け替える「飛ばし」という違法な行為と、それらを隠すための「粉飾決算」を行っていたため、大蔵省より自主廃業を迫られたのである。

    廃業後の残務整理と真相調査については、業務管理本部という部署が中心に行ったのだが、自主廃業が決定した直後から、殺到する顧客の問い合わせに対応し、また転職先へと去ってゆく同僚を横目に見ながら、取材のプロであるマスコミ達を唸らせるほどの報告書をまとめた仕事ぶりは実に見事だった。本作を読む限り、しんがりのメンバーや一般社員の方々には気の毒だが、山一は潰れるべくして潰れた会社だったのかもしれない。

    社内の不祥事を暴くための調査だったが、報告書には大蔵官僚の不適切な言動も記載されていて、当時の大蔵省は相当焦った事だろう。業界だけではなく監督官庁も加担した不祥事の連鎖の中で、まさに掃き溜めに鶴のような人々がいた事を、決して忘れてはいけないと思う。

  • そんだけ悪いことしてたんだからつぶれて当然。他の証券会社でもそれに近いことはやってたんだろうな。

  • 2017/02/10読了。

    山一証券自主廃業後、事実関係を明らかにした業務監理本部のメンバーのドキュメンタリーである。

    山一証券の自主廃業を行った際には、社員にはなにも知らされておらず、日経新聞で話を知ることになる。

    その後、会社という母体が解体されるなか、事実関係を整理した12人を中心に語られている。

    証券会社特有のフロント以外を軽んじる文化などが端々に描かれており、リアリティーがあった。
    重いテーマなのだが、サラリーマンとしての覚悟も感じられ、前向きになれる書き方なのが印象的だった。

  • まさに事実は小説よりも奇なりという印象。
    会社という拠り所をなくしたサラリーマンの感情の揺れ動きが生々しく描かれていて興味深かった。
    まだ終身雇用信仰が厚かった時代の物語ということもあって、現代の感覚とは少しギャップを感じるところもある。
    破綻に至るまでの経緯やそれを取り巻く人間の動向が、いかにも日本文化的という印象を受けた。

  • 小説としてはあまり引き込まれなかったが、史実の読み物として捉えると身震いする。

  • 山一破綻は、確かにバブルがはじけた象徴的な事件だった。そして、それから今に至るも日本の経済はおかしくなったまま。まだ、この時は古き良き日本のサラリーマンがいた時代だったのか、自主廃業に向けて最後まで踏みとどまった彼らの物語は、今に読んでも心に刺さるものがある。

  • 山一証券の最後を綴った小説だが、リアルに情景が浮かぶ読み応えのある内容。情報収集に相当な時間を要したのは想像に難くない。いつの時代も義理を果たして最後までやり遂げる人間、自分の事しか考えずにそそくさと逃げる人間はいる。自分は前者の人間でありたい。

  • 山一證券が破綻したのは大学学部3年生の時。ニュースを見た時は「まさか山一が」と衝撃を受けた。

    しかしその後の報道および本書から、山一は相当前から破綻に近い状態だったことが伺える。

    著者は巨人でいろいろあった人だが、ジャーナリストとしては非常に優秀であることが本書から見て取れる。

  • 真っ直ぐに生きることの素晴らしさがドラマティックに描かれている。

  • 山一證券が破たんに至る経緯がよくわかる。その中で原因を究明しようとした、男たちの奮闘が描かれている。証券会社の人間のメンタリティや業界の慣習もうまく説明されている。

  • 山一證券が破綻して以後の精算業務、そして不正の社内調査を続けた社員たちを追いかけるノンフィクション。おもしろいと聞いていたのですが、先送りしているうちに文庫化されておりました。

    いわくつきの顧客対応とかノルマ主義とか、何かとキツイ印象のある証券会社。山一證券に至っては破綻という末路を迎えた結果、関係者が殺害されるなど、げんなりする出来事が次々に起こります。

    そんな中、旧経営陣の不正を追及すべく奔走する「最後の12人」。本書の魅力はこの残された社員たちを生き生きと描き切っているところだと思います。ことさらに美化しているわけでもないのですが、人間としてとてもかっこいいです。

    会社員、サラリーマンという生き方は一見つまらない、ドラマのない人生のように思えます。しかしそんな平凡そうな人たちの中に、圧倒されるほどの底力が隠れている。扱っているテーマは確かに重く、同じサラリーマンとして胃が痛む場面も多々ありながら、一方で前向きな気持ちにもなれる不思議な傑作です。

  • 金融関係のビジネス書では異色の内容。失敗談と美談との組み合わせ。山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。
    社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。

  • 山一証券の簿外債務の問題から清算業務までを請け負った12人のドキュメンタリー作品です。
    陽の当たらない部署にいた嘉本さんをはじめとしたメンバーが自社の問題を明らかにしていく。自主廃業し、なくなることが明らかになっているにもかかわらず、一所懸命に業務に当たっていく。嘉本さんたちをそのように突き動かした根底にあるものはやっぱり愛社精神じゃないかと思います。だから未だに山一出身者が集まる会が続いているんでしょうね。
    他方で、嫌なら会社を辞めてもいいという生き方は参考になると思います。自分に正直に生きるというのは勇気のいることですが、そのように生きている人は誰か助けてくれる人がいて、輝いていますね。

    #読書 #読書倶楽部 #読書記録
    #しんがり山一證券最後の12人
    #しんがり
    #清武英利
    #2016年57冊目

  • 突然自主廃業となった山一證券。沈みゆく船から皆いち早く脱しようとする中、後処理を一手に引き受けた場末チームの奮闘を綴る実名ノンフィクション。

    つまらない仕事なんてない。つまらくしている自分がいる。社会のせい、人のせいにして、逃げを打つ人生にするのか、自分の信念を打ち立て、実りある人生にするのかは、自分次第なんだろうな。

    近所の同級生にお父さんが山一證券勤務の奴がいたな。廃業ニュースが流れてしばらくした後、静かに引っ越していってしまったことを思い出しました。元気にしてるかな。

  • 山一の敗残処理を引き受けた人たちは、決して自分のためにに引き受けたわけではなく、生活苦に喘ぎながらただ責任感や連帯感で引き受けるが、無給で将来に不安を抱きながらの事であり、頭が下がります。
    しかも自分を貶めるリスクがある危険な事でありながらも、その半端ない仕事は歴史に残る偉業を成し遂げたが、当事者達は後悔なく良い経験が出来たと語る。
    人は真に必要とされる、或いは必要と感じた時、尚且つそれが有事である時にこそ損得関係なく行動できてこそ価値のある人物であり、必ずその行いは誰かが見ていると考える。
    サラリーマンとて矜持を持ち、行動する心を少しだけでも汲み取りたい。
    同時に、悪事に手を染め私欲に過ぎないよう、反面教師となる旧経営陣からも学びたい。

    実名で記した作者も同様にリスクと根気がいったであろう。しかし、書いて残すことを使命を感じ、成し遂げた点では登場人物たちにも通じるところです。

  • 山一破綻後の清算処理・真相究明部隊が、自分たちの生活も顧みずに、山一證券がなぜ自主廃業へと追い込まれたのか、究明していくノンフィクション。
    会社を潰すため、清算するための業務だから社員の士気が上がらない。という当たり前なようでいて、会社が存在するうちは考えもしない事実にハッとした。

  • ビジネス・ノンフィクションに手を出すのは我ながら珍しい。
    私自身は自分の体験と重ね合わせられない、そんな時代の話。けれど、あの出来事は衝撃だったと、よく耳にする。

    会社が倒産するまでの話ではなく、会社が倒産したあとの話である。
    だから、どうあがいても、会社は復活しない。
    何を見出しても、覆水盆に返らず、とはこのこと。

    しかし、「しんがり」を務めた社員たちは、何かを見出すために奮闘する。
    自分の行く先さえ不安定で、周りには心ない言葉を浴びせる人たちばかりなのに。

    なぜ彼らはそれを全う出来たのだろう。
    そう考えると、やはり、それだけの会社であったのではないか、と私は思うのだ。
    もちろん仲間意識、責任感、そういった個人の持つ資質による所も大きい。
    けれど、そうした人を育てる懐もあった、そういう会社なのだろうなと感じた。

  • 1997年に多額の簿外債務の発覚がトリガーとなり、自主廃業を迫られた山一證券において、破綻後に簿外債務の事実関係の調査や顧客対応等の清算業務に従事した12名の社員の活動をまとめたノンフィクション。

    丁寧に時系列を追いながら、経営破綻後の会社でどのようなことが行われるのか、そしてその雰囲気をここまでリアルに体感できるのに驚くと同時に、会社が消えゆく様を最後までやり遂げた12人に去就する使命感とは何か、これを知れることに深い感動を覚える。12名のメンバーは精算業務に従事していた関係で他の一般社員に比べると再就職のタイミングは遅くなり(そのため、必然的に多くの社員が引き抜かれたメリルリンチのような有望な転職先は既に残されていない)、またその後も複数回の転職を余儀なくされるメンバーも多い。その姿は、終身雇用制度が終焉しても何とか生きていけるという現実的な楽観性を感じることもでき、感慨深い。

  • リアルな本だった。うーん。

  • 社内調査の雰囲気や様子などが克明に描かれてい 、著者が関係者に迫ってインタビューをしたことを感じ取れました。

    ただ、話の時間軸の前後が激しく、理解するのに苦労しました。また、登場人物の入れ替わりが激しく、証言が多いからか、内容が散ってしまっているように感じました。

    まあ、それでもおもしろかったと思うので、星四つにします

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しんがり 山一證券最後の12人 (講談社+α文庫)の作品紹介

負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。
四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。
その中で、会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。彼らの一部は給与も出ないまま、「しんがり」を買って出て、無一文に近い状態になっています。この中心にいたのは、会社幹部に裏切られながら業務の監査をしていた人間たちで、証券会社では「カネを稼がない、場末の連中」と陰口を叩かれていた人々でした。・・・
山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。
社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。逆襲なのでしょうか、意地でしょうか、優しさなのでしょうか。
山一が消えたあとも、彼らは不器用な人生を送っています。しかし、決して不幸ではないと言います。「会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎないよ」「潰れたって、何とかなるんだ」と。
一生懸命生きていれば、きっと誰かが見ていてくれる。――そんな彼らのメッセージは、どんな会社が潰れても不思議のない、リスク多き時代を生きる人々の励ましとなるのではないでしょうか。

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