裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062816168

作品紹介・あらすじ

一歩踏み出す勇気がここにある!
イジメ、非行……居場所がなかった青春。強くなりたいと入部したのは「男子柔道部」。そして偏差値40から3ヵ月で一流大学合格。大学を卒業し、本当の現場を見たいと渡ったアジア最貧国バングラデシュ。腐敗にまみれた国で見つけた眠る素材、出会う人々。やがてバッグ造りで起業を決意。数々の失敗、挫折、裏切りに遭いながらも歩みを続け、途上国発ブランド マザーハウスを軌道に乗せて各マスコミで最注目の女性の、明日へ向かう力に溢れたノンフィクション!
「途上国発のブランドを創る」。こんな突拍子もないアイデアを実現させるべく奮闘中の女性社長・山口絵理子さんの自伝エッセイです。
ここまでの彼女の歩みは、まさにジェットコースターのように波瀾万丈。涙と笑いがぎっしり詰まっています。何度号泣するような絶望的な事態になっても、つねに前を向く生き方は、いまや多くの学生や若い社会人に感動を与えています。
小学校時代は陰湿なイジメにあい、校門をくぐれないような子供。その反動から中学で非行に走ります。しかしそこにも居場所がなく、偶然出会った柔道に打ち込みます。どうせなら強くなりたいと、進学した先は「男子」柔道部が強かった工業高校。何度も監督に直訴して入部し、地獄のような特訓を重ね、3年生のときに全日本女子柔道ジュニアオリンピックカップ-48kg以下級で7位に入賞します。
そこからまた一転、まだ自分にはできることがあるはずだと思った彼女は、ほとんどの生徒が就職する偏差値40の工業高校に在籍していたにもかかわらず、3ヵ月の猛勉強で慶應義塾大学総合政策学部に合格します。竹中平蔵ゼミで開発学という学問に出会い、発展途上国の経済成長理論を学び、途上国援助に目覚めます。しかし、大学のインターン時代に夢かなって働くことになったワシントンの国際機関で、途上国援助と言いつつ誰一人途上国に行きたがらない現実に大きな矛盾を感じ、いても立ってもいられなかった彼女は、「アジア」「最貧国」で検索して出てきた「バングラデシュ」に渡ります。そこで彼女を待ち受けていたものは、開発学の教科書には載っていない、すさまじい腐敗と格差。そこで待ち受ける超過酷な現実を次々と乗り越え、途上国発ブランド「マザーハウス」を創業。勇気と感動の物語が心を揺さぶります。

感想・レビュー・書評

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  • ドラマとかはありもしないことををストーリー仕立てにしていたりするので、嘘っぽさが見えると見るのがしんどくなりますが、この本はリアルに本気で生きていることが物語になっている。

    だから、引き込まれるし感動するんだと思いました。

    裏切られても何度も立ち上がる山口さんは心から尊敬します。勇気をもらえる一冊。

  • 前々から評判が高く、自分の友人も「電車の中で号泣した」とのことだったので、
    いつかは読んでみたいと思っていましたが、ようやく読む機会に恵まれました。
    知らないうちに、文庫にもなっていたんですね。

    バングラデシュ産の鞄を売る起業ストーリー&
    (単なるビジネスではなく)社会貢献くらいの理解でしかなかったのですが、
    ボリューム(分量)が少ない割には、中身の濃い熱い熱い本の内容でした。
    自分は泣くまではいかなかったけれど、それでも素晴らしい本でした。

    結構驚いたのは、著者が昔、ヤンキーだった話や柔道ばかりしていた話。
    志に根差した猪突猛進な人だろうなという想定はしていたのですが(子供のころいじめられていたというのは想定内)、
    メディアで見る写真のイメージとは全然違いました。。

    若いころから中身の濃い人生経験をすることが、
    やはり大人になってからも経験曲線として活きてくるのかな、
    というのが個人的にはとても印象に残っていて、
    そういう意味では中学生や高校生とかにも読んでもらいたい本です。

  • こんなにも恵まれた環境に生きているのだから、やりたいことをやろうと思いました。

  • ひょんなきっかけでバングラデシュ製のカバンを売るマザーハウスを立ち上げた女性の戦いを記した一冊。生い立ちからビジネスを立ち上げ、軌道に乗るまでの話を纏めている。
    かれこれ10年ほど積読していたが、ようやく読破。著者の行動力とresilienceの高さには驚く。著者の起業するまでの行動は支離滅裂な印象を持ったが、一度決めたことに対して最後まで諦めず、泥臭く一点突破する姿勢は見習うべきだと感じた。また、失敗談を通じて開発国のビジネスの難しさ、過酷さが垣間見えた。個人的には、Why Bangladesh?の部分をもう少し描いてもらえたら、より動機の部分に共感できた気がする。
    最後に先輩に対して大変老婆心だが、本書のような働き方を続けたら、心と身体がどこかで壊れてるのではと心配してしまった。働き方が続編でどのような変遷を辿るのか気になった。

  • なかなか想像以上に激しい戦記だった。。。
    仕事始める前から笑
    MotherHouseのバッグは個人的にすごく好きで
    直営店で見たことある本だったけど
    読んだのは初めて
    辛いことがあっても、裏切られても諦めずに貫く姿勢は本当に尊敬だけど、なかなかこれを読んで自分も頑張ろうと思うのは覚悟がいるなあ。。。

  • #瞬読アウトプット#瞬読道場

    不登校だった小学校時代、不良だった中学、柔道に打ち込んで前を向くようになった高校。大学で国際援助活動に触れてから、その活動に疑問を抱き、現場を知るためアジア最貧困国バングラデシュに住み、25歳で起業。数々の裏切りを経験しながら現地の素材でバッグを制作販売するビジネスを通じてバングラデシュ貧困問題に向き合いながら社会貢献。何事に対しても真剣、そして凄まじいほど全力で取り組む力と、必ず自分の目、手で経験してから実行する姿勢に心打たれ元気をもらいました。

  • どんなことでも「継続すること」が結果に繋がると感じた。
    裏切られても、バカにされても、周りが何と言おうと自分自身が決めた道を進むことが大切だと。

    「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」
    やりたいことをやらないのではなく、やれない理由を探して勝手に制約条件を自分の中で作り出しているだけ。

    自分がやりたいを探して行動していきたい。

  • ものすごいバイタリティの持ち主。創業者はこのくらいでないといけないのか。
    ご本人が書かれている文章ということもあり、非常に臨場感があって読みやすい。2も即買いです。

  • バングラデシュが世界シェア90%を占めるジュートという天然繊維を使用して現地工場で働く現地住民がバッグを作り、それを日本の店舗で販売するというビジネスを通して途上国開発を行なっているマザーハウス創業者の物語。途上国発のビジネスにこだわったのは、 NGOや国際機関を通した援助は汚職が蔓延る途上国では支援が住民に十分に行き渡らないと感じたから。また、フェアトレードという名の下、途上国は先進国に品質の悪く低価格なものを大量に作らされ、先進国の人々は可哀想だからという理由で購入することが多いが、それでは、途上国の経済力やスキルは上がらず自律できず、貧困は解消されない。バングラデシュの人々が胸を張って良い物を作り、良い物だから先進国の人々に買ってもらえるような途上国発ブランドを作ることでバングラデシュの自発的な発展を促すことが大切だと感じ筆者は現地でビジネスを始めた。

    【気になった箇所の引用】
    ・君はなんでそんなに幸せな環境にいるのにやりたいことをやらないんだ?←貧困や汚職のため、1日を生きるのが精一杯なバングラデシュの現実。一方日本は恵まれている。
    ・途上国の現場を知らない人達が国際機関でたくさん働いている。途上国に本当に為になる援助が行われていない。
    ・可哀想だから買ってもらうのではなく、その商品に魅力を感じて買ってもらう。同情で買ってもらうのは本当のフェアトレードじゃない。
    ・物を売る時、途上国開発や貧困を推しても消費者は興味がない。商品力で勝負しないと意味がない。経営者こそ商品の製作過程など知っておくべき。

  • バングラデシュを拠点にビジネスを展開する女性起業家による自伝。

    とにかく行動力が凄すぎる。2週間の滞在の間に現地の大学院に通うことを決意し、更には試験を受けて合格するなんて、想像がつかない。読みながら思わず笑ってしまった。

    考えてから動くのではなく、動いてから考える。行動が先、思考は後。著者の生き方は一貫している。なぜ異国で裏切られ激しく傷つきながらも、こんなにも頑張れるのか?その根本にあるのは、「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」というバングラデシュ人の問いに対し、「他人にどう言われようが、どう見られ評価されようが、たとえ裸になってでも自分が信じた道を行く」という答えを見出した著者自身の強い信念である。

    自分の生き方に疑問が生じたとき、自分の思いに素直になることが何より重要であることをこの作品は教えてくれた。

    そして、先進国や国際機関による援助があるにもかかわらず、なぜ途上国が豊かにならないのか。その原因についても改めて自分なりの答えを探していきたいと考えるきっかけを与えてくれた。

    非常に学びの多い一冊だった。

    「…だれだって人を裏切りたくて、裏切るわけじゃない。裏切ることが必要な社会が人間をそうさせる。貧しさが人間の理性を奪い、人を傷つける大きな武器になるんだ。」

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著者プロフィール

やまぐち・えりこ1981年埼玉県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業、バングラデシュBRAC大学院開発学部修士課程修了。大学のインターン時代、ワシントン国際機関で途上国援助の矛盾を感じ、当時アジア最貧国バングラデシュに渡り日本人初の大学院生になる。「必要なのは施しではなく先進国との対等な経済活動」という考えで23歳で起業を決意。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、株式会社マザーハウスを設立。バングラデシュ、ネパール、インドネシアの自社工場・工房でジュート(麻)やレザーのバッグ、ストール、ジュエリーなどのデザイン・生産を行っている。2016年現在、日本、台湾、香港などで28店舗を展開している。Young Global Leaders(YGL) 2008選出。ハーバード・ビジネス・スクールクラブ・オブ・ジャパン アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2012受賞。毎日放送「情熱大陸」などに出演。著書に『裸でも生きる 25歳女性起業家の号泣戦記』『裸でも生きる2 Keep walking 私は歩き続ける』『自分思考』(いずれも講談社+α文庫)。

「2016年 『輝ける場所を探して 裸でも生きる3 ダッカからジョグジャ、そしてコロンボへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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