ヘドロ宇宙モデル (講談社BOX)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 87
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062837095

作品紹介・あらすじ

ゼロ年代の“終焉と再生”の物語。

直径20センチほどの透明な球状のディスプレイにシミュレーションされた「宇宙モデル」。かつて世間で流行し、今はすっかり廃れてしまった[それ]の開発に携わっていた“僕”は、様々なことに絶望し、会社も辞めた。そして、初めて作った「宇宙モデル」を捨てようとした時、“僕”の前に1人の少女が現れた――。

第2回講談社BOX新人賞・流水大賞で優秀賞を受賞し、あの乙一、滝本竜彦から絶賛を浴びたデビュー作『エレGY』から約1年。泉和良が、ゼロ年代の“終焉と再生”を渾身の力で書き上げる!

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙モデル作家が主人公の泉式ヒューマンドラマ。

    泉さんの物語には、
    大抵、どこか変わったヒロインが登場する気がする。
    表面はひねくれても中身は真っ直ぐな子が魅力的だった。

    宇宙モデルが欲しくなった方は、
    是非、泉和良ことジスカルドさんのフリーゲームサイト「まおうせい」を、のぞいてみて欲しい☆

  •  小さな銀河が、僕の方を見上げている。
     ぶるぶると震えながら怖がっているのかと思ったら、その小さな銀河は、全然怖がってなんかいなくて、それどころか、ビー玉みたいな無垢な目で、何の不安もない目で、まるで僕の全部を信じ切っているみたいに、僕の顔をそっと見上げている。
     その小さな銀河は、僕が吸い込んでしまったと思っていた、ジュンだったのだ。
    (P.387)

  •  作者様のサイトをよく見ていました。はっきりいってちょっと変です。
     その系統かと思えば、期待を裏切り至極まともなお話です。
     無職になった男と女の子の、宇宙スフィアという綺麗なアイテムの出る、ほんのりした雰囲気のお話です。

  • 何処かにいる一人のプーな男の人と
    スフィアと
    純粋でおかしな女の子と
    いきなりやってきた女の人の話・・・

  • ▼初めてBOXの装丁が効いてると思った第二弾。これも期待できそうな匂いがする・・・
    ▼序盤から、すごい何かやってくれそうな空気が出ている。これはヤバイ、久々の当たりか・・・!?
    ▼二ヶ月もかかったけど、読了。んー。あんまりねえ、大きな展開がないので、吸引力はないんだけど、だからと言ってつまらないとも言い切れない感じ。これはこれでよいのだと思った。
    ▼あまたの問題に解決されず、全部放置で終るけど、そのへんが妙にリアルなんだよね。人生ってこんな感じかもと思った。
    ▼終盤はスゴい。でも、個人的な好みで言えば、そこをもっと生かしてグワーって感じが欲しかった。まさかここは宇宙モデルの中なのか!?くらいな感じで。
    ▼一番面白かったのは、他人のボトルメールを読むシーン。結構俗悪な内容のものがあるのに、それもみんな飲み込むブラックホールみたいなイメージが、なんだかすごいなーと思った。(09/7/21読了)

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著者プロフィール

小説家。1976年生まれ。
2007年に『エレGY』(星海社文庫)で講談社BOX新人賞を受賞し、デビューする。小説家として活躍するかたわら、ボカロPである“ジェバンニP”としても活動している。小説の代表作に『私のおわり』『ジスカルド・デッドエンド』『猫の彼女のESP』(星海社FICTIONS)などがあり、ボカロPとしての代表作に『すすすす、すき、だあいすき』『恋ノート////』『リンカーネーション』などがある。

「2014年 『ボカロ界のヒミツの事件譜 3 名探偵エレGYちゃん様の謎解きごっこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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