猫物語 (黒) (講談社BOX)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062837484

作品紹介・あらすじ

猫パーセント趣味で書かれた小説です。――西尾維新

完全無欠の委員長、羽川翼。阿良々木暦の命の恩人である彼女はゴールデンウィーク初日、一匹の猫に、魅せられた――。
それは、誰かに禁じられた遊び……人が獣に至る物語。
封印された“悪夢の9日間”は、今その姿をあらわにする!
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
知らぬまに、落ちているのが初恋だ。

感想・レビュー・書評

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  • 結局は問題の先送りでしかない。まあ、問題なんてそう簡単に解決できるものではなし。それでも、そんな委員長ちゃんが好き。

  • 好きかなーって思って。
    好きかなーって感じて。
    好きだってわかる。

  • 西尾維新が放つ青春怪異譚、待望の最新刊! アニメ『化物語』絶賛御礼!ついに語られる、ゴールデンウィークの真実。 完全無欠の委員長・羽川翼が魅せられた怪異とは? ……知らぬまに、落ちているのが初恋だ。

  • 化物語からほのめかされてた羽川さんの話。

    羽川さんは色々と不遇すぎて可哀そうなんでせめて阿良々木くんとハッピーエンドになってほしいのですが。無理なのかな…。
    西尾さんの作品は色々欠陥主人公が多いと思うのですが、今シリーズの主人公は情がありすぎるのが欠陥というか、ありがた迷惑なレベルですね。笑
    限りなくヒーロー気質なのに、優しすぎて失敗する。誰にでも優しいっていいようで良くない。
    あと妹のくだり長すぎ。

  •  年末のテレビ放送までに読み終わりたかったのだが、毎晩ベッドに入って本を読もうとする頃には眠くて眠くて、大抵の夜は3ページも読めば意識が朦朧とし目が開かなくなってしまうため読書は遅々としてはかどらず、結局まにあわなかった。
     例に漏れずほとんどが暦の実にくだらない、しかしながらテンポ良く楽しい独白で進んでいく。『化物語』に比べると難しげな単語がかなり減っていると思った。本題の猫にたどりつくまで160ページ、紙面の半分を費やして暦は月火や翼や忍と戯れる。黄金週間の話なので、まよいちゃんが出てこないのが寂しかった。
     18歳にもなろう男子が中学生の妹相手に恋愛相談をし、欲求不満であるという結論に達し、その妹からお金を借りてエロ本を買いに行くとはアブノーマルにもほどがあるだろう。何と心が広い月火ちゃん? こんな兄、私だったら愛想尽かすね。そうされないのが暦の暦たる所以なのかもしれないとも思えるが。
     まだ30歳程度の若者である(30歳は若者だ!強調)忍野メメが中年おっさん扱いされていることに多少ながら傷つくのであるが、まぁ高校生のとき30歳といえば雲の上ほど年上だったことは確かだから仕方がない。それはともかく忍野には華があると思う。彼が出てくると場がなごみはしないがわくわくする。
     真面目で真摯であろうとしすぎたばかりに鬱病になってしまった友人がいた。鬱病になるほど真面目にはなれなかったが、私ももっと若い時分はもう少し真面目であろうとし今よりずっと大きなストレスを抱え込んでいたと思う。問題は解決せずとも生きていくのに支障は無いと最近では思っていて、猫にはならずに済むかもしれぬが良い傾向とも言えない気がする。

    「あばよ。お前は幸せに暮らせ」
    「次はひとりで―うまくやれや。」
     この対になった台詞がやたらと切ない。自己陶酔と自己満足野郎の暦のくせに。

  • 「白いネコなのに、ブラック」 うまい対です。
    アララギ君はいろいろな意味で男です。

  • “とにかく。
    親ではない親を。
    娘を殴るような親を——庇おうとしている。
    そんな羽川が。
    僕は友人として——素直に気持ち悪かった。
    なんだこいつ。
    なんなんだ、一体。
    「暴力が仕方ないなんて——何言ってんだよ。お前がそんな言葉を吐いちまっていいのか?それは、お前が、もっとも許せないことじゃ——」
    「いいじゃない——一回くらい」
    羽川はそんなことを言った。
    いや。
    僕は、そんなことを言わせた。”[P.120]

    「つばさファミリー」
    知らぬまに、落ちているのが初恋だ。

    “「だけど阿良々木くんの気持ちってのも、あるんじゃないのかい?」
    「僕の——気持ち」
    「僕はてっきり、阿良々木くんは委員長ちゃんに恋しちゃってるんじゃないかと思ってたけれど」
    「馬鹿言うなよ」
    僕は笑う。
    にやりと笑う。
    そして——
    ここはにやりと笑って、格好のいい場面である。
    「僕は羽川に、恋しちゃってねーよ」
    「そうかい」
    「そうだよ」
    そういうことに——しておこう。
    それが一番、幸せだ。
    はっはーと、忍野も笑った。軽く笑った。”[P.301]

  • 全作で月火ちゃんが足りないとぼやいたら、冒頭から月火ちゃん全開でたまらんかったっす。
    そうかと思えば、後半重た過ぎる、深過ぎる、ギャップあり過ぎるで、まあそこがまたいいんだけれども。

  • 軽いようで、軽くない。むしろ重めの羽川さんのお話。彼女のことを知れば知るほど好きになる。ルンバに頭をこつかれて毎朝目覚めるなんて。少し萌えたけれど。彼女の痛々しいほどの正しさは胸が痛くなる。 でもところどころ抜けているところがあって(と言っても正常な精神を保つための防衛本能だろうけれど)可愛らしいなとも思う。 阿良々木くんに言わせると、「不幸な女子なんて萌えるだけだろ」
    そして何よりも、前半部分の月火ちゃんはもうなんだこの可愛い生き物。いちいち可愛い。一挙一動に萌えてしまう。バールがよく似合う。浴衣にハイソックスというのは斬新なコーディネートだなぁ。さすがです。

  • 暦と月火ちゃんの見開きだけ予定「パンツ」談義が数十ページに及ぶ前半。
    (どこまで続くんだ? アニメ化するときどうなるんだ?)と思いながらもサラサラ読んで。

    後半は委員長とのバトル篇。
    忍野の言葉に脳が引っ張られる。
    「正しさ」を圧倒的に浴びせられる側がどうなるのかという描写に考えさせられた。

    あとがきに、
    「問題は解決しないよりも解決したほうが良いに決まっているけど、解決したことによって混乱や戸惑いがむしろ増すことも少なからずあったりなかったり」
    とあります。
    どこかの元首も言っていた。
    「現世代では解決できない。無理に解決しようとせず未来の人たちが良い解決策を生み出すことに期待すると」

    真面目なことを書いていますけど、物語はエンターテイメントです。
    「化物語」、「傷物語」、「偽物語」でチラチラしていた物語がつながっていきます。
    明らかになっていきます。
    物語シリーズが軽快に愉快に悦に入っていく。

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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