ホーリー・アップル 虹色のスチーム (講談社X文庫ホワイトハート)

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著者 : 柏枝真郷
制作 : 槇 えびし 
  • 講談社 (2010年4月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062866323

ホーリー・アップル 虹色のスチーム (講談社X文庫ホワイトハート)の感想・レビュー・書評

  • 柏枝節全開。
    柏枝真郷は「誰に悪意があったわけでも、誰が悪いわけでもないのに不幸な境遇に陥った子供」というシチュエーションを書かせると抜群の作家で、デビュー作であるデスペラードシリーズでその筆力を遺憾なく発揮していた。本作でその力は衰えてないどころか、進化していたことが実感できた。
    自分の子供時代を語るドイル。その語り口は淡々と事実のみを並べているだけなのに、十二分なほどに胸を打つ。
    そして過去よりもっと胸を打つドラマがこれからにあることが嬉しい。もちろん、寄り添って歩くパートナー、ハリーとともにだ。

    と同時に、彼女にはもうデスペラードシリーズの新作を書く必要はないのかもしれないとも納得してしまった。
    改訂した第一作〜二作は死ぬまでに読みたいけど。

    柏枝さんは“I love you”を「もう死んでもいい」と訳した二葉亭四迷のエピソードに随分思い入れがあるのかいろんな作品で引用していますが、本作のハリーの「love」に対する表現も、負けず劣らず素敵だと思います。

  • 【シリーズ3】2010年。ニューヨークの雰囲気を堪能。エチ描写のライブは無く、事後「声が嗄れてるな」「嗄れさせたのは誰だよ」などの会話がかえって色っぽい。ハリーがアイラブユーの通じる男を見つけられて良かった。闇を持つドイルにとっても運命的な出会いは「愛してる」という甘い言葉で閉じられる。いや、ホント萌えた★槇えびしさん絵眼福

  • 次はどうなるんだろう。
    ずっと読んでいたい。

    こんなシリーズに出会ったのは久しぶり。

    ハリーとドイル、ホント好き。可愛い。

    きっと続きがあると信じてます!

  • 考えの甘い恋人に反省を促す為にスマイスが家出しなかったら、彼は死なずに済んだのかなーなどと考えてみる。

  • (あらすじ)
    臆病者で失敗続きのNY市警の巡査ハリー。
    刑事への昇格を打診されるものの、
    自信がもてず、すぐに返事ができない。
    昇格すれば、恋人でもある刑事ドイルが相棒になるからだ。
    公私を混同し、ドイルの足手まといになるのでは、
    という不安ばかりが募る。
    その翌日、ダイヤモンド街で強盗事件が発生、
    ハリーは現場に急行した。

  • ホーリー・アップル三冊目。
    前に読んだのいつだったかなぁと思って検索したら、ほぼ一年前だったという。

    今回はドイルがどんな幼少時代を過ごしてきたのかが書かれていて、語っているドイルの口調が淡々としている分、読んでいる方は胸が痛かった。
    ドイルの弱い…というか、無意識に自己暗示をかけているのかもしれないと気付くハリー。
    その後のハリーが恋人の言葉を思い出す辺りと、二人のやりとりにじわりと甘い熱が。


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    ハリーの頬を両手で挟んだまま、ドイルが言葉を続けた。「愛してる」
    その刹那──ハリーの心が空っぽになった。耳に木霊する「love」の響きだけが急速に心を満たす。
    「ハリー?」
    琥珀色の眼が、驚いたように大きく開いた。頬を挟んでいた右手をそっと動かし、指先でハリーの眼の下を撫でる。指先についているのは──透明な液体だ。

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    通じる相手が腕の中にいる、そんな幸福に満たされたハリーと、それを満たしてくれたドイルの関係がこれからどう深くなってくるのか、すごく気になる所です。

    推理の中に絡まってくる人間模様に、やりきれないなぁと感じつつ、それもその時代にあった事なんだろうと。
    偏見や差別、そして親子関係に、恋人関係。
    それが過ごしていく中で、どうしても存在するものなんだな、と。

    他にも、前の事件で出てきた人物や、警察の同僚との掛け合いも面白かったり、微笑ましかったり。



    ここを読みながら甘い痛みを感じ、なんか悶える…と一人でにまにましてました(笑)。
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    「……ごめん。ちょっと……数分待って」
     ハリーはハンドルから右手を離し、うつむいて胸を押さえた。そうしなければ涙がこぼれそうなほど胸が熱かったのだ。どこかへ旅行しようといった休暇の計画を立てるのも久しぶりだ。「……感激して……。きっと久しぶりすぎて、免疫がなくなってるんだよ。ごめん。勤務中なのに」
    「いや……今のは俺が悪い。勤務中は意識して切り替えると約束したのは俺だ。うかつに話題にすべきじゃなかった」
     ドイルも珍しくうろたえたようだ。「だが、嬉しいよ」
    「……僕も嬉しい。あ、でも、これと刑事昇格の件は」
    「別なんだろう」
     打てば響くように後を続けながら、ドイルが笑った。

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    ドイルの口調や声のトーンが想像できて、ちょっと笑ったシーンでもあります^^





    ラストを読んだ時はハリーの返答に、彼らしい答えだな、と。


    あと、読んでいる途中に。
    「それだけしか経ってないのかっ」
    と呟かずにはいられなかった。



    まだ三冊目なので、これからの展開に期待&見守る気持ちが。
    じっくりと想いを育んでくれたらいいな。




    他は、文章の書き方にちょっと注目も。
    柏枝さんの作品は、色々勉強になります。

    そして、毎回槇えびしさんのイラストにも素敵でv
    お気に入りのカットは、ついつい何度も見ております^^
    今回の、「額をつけて微笑む二人」が、本当に作品自体を物語っていると感じました。

  • 初読:25 
    入手先:ささおき書店 
    読了感:愛する人が自分の預かり知れないところで困難に直面していると思ったら、心苦しい。自分が危険に瀕していることを愛する人に知っていてほしい。自然に寄り添うことができる関係になろうとしている二人がいじらしい。

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ホーリー・アップル 虹色のスチーム (講談社X文庫ホワイトハート)の作品紹介

臆病者で失敗続きのNY市警の巡査ハリー。刑事への昇格を打診されるものの、自信がもてず、すぐに返事ができない。昇格すれば、恋人でもある刑事ドイルが相棒になるからだ。公私を混同し、ドイルの足手まといになるのでは、という不安ばかりが募る。その翌日、ダイヤモンド街で強盗事件が発生、ハリーは現場に急行した。

ホーリー・アップル 虹色のスチーム (講談社X文庫ホワイトハート)のKindle版

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