天皇陛下の全仕事 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879774

作品紹介・あらすじ

天皇陛下はどんな日常生活を送っているのか?国事行為、晩餐会から宮中祭祀、稲作まで。知っているようで知らない、天皇陛下の毎日の仕事を、元宮内記者がやさしく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 天皇陛下の職務は憲法に定められた国事行為と、公的行為、そしてそれ以外の私的行為って教わった気がしたんだけれど、実際にはようわかってないからとても興味深く読めた。

    外国訪問って国事行為だと思っていたけど、よく考えたら憲法のどこにも書いてないから違うんだな。とか、陛下、職務多過ぎ!!とか。休みなさ過ぎ!とか。

    そして、皇室が皇室であるために一番大事な宗教儀式は、宗教儀式であるが故に、公式には「その他の私的行為」となり、儀式のための人員は皇室が私的に雇用しているというのも、まあ、そうするしか無いのだろうけれど、本末転倒な感じも。

    伝統(明治以前からの伝統と、明治以降の伝統)と政教分離を定めた憲法の間で、この先、皇室はどのように(これまでも形を変えながら存続してきた様に)形を変えて存続していくのだろう。

  • 著者は、産経新聞の元宮内庁担当記者。
    天皇陛下は、去る8月8日に生前退位についてのお言葉を国民に向けて述べられ、その中で、「・・・何年か前のことになりますが、二度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。・・・天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。」と仰っている。
    我々は、日々のニュース報道等の中で、天皇陛下が被災地を訪問されたり、外国の要人の晩餐会を催されたり、様々な公式行事に参加されたりすることを見聞きすることは少なくないものの、天皇陛下の毎日の仕事に想像が及ぶことはあまりない。
    本書では、天皇陛下の住まい、皇室の構成に始まり、「天皇陛下の仕事」としての、執務(書類の決裁)、皇室祭祀(宮中祭祀)、儀式(新年祝賀の儀、親授式、親任式、認証官任命式等)、会見と引見、大使らへの鴨場接待、親書・親電、宮中晩餐会、外国訪問、三大行幸啓、各地へのご訪問、園遊会、皇居内での稲作などについて、詳細に取り上げられている。
    今般表明された「生前退位」について国民レベルで議論を共有するためには、我々はまず天皇陛下が日々どのような行為をされているのかを知らなくてはならない。
    2009年に出版されたものであるが、今まさに読まれるべき一冊と思う。

  • 面白かった。改めて、皇室の皆さまに頭が下がる。
    今回の、エリザベス女王の国葬参加に、日程調整とか言ってて、行きゃあいいじゃん、と思っていたのだが、陛下のスケジュールの調整の激ムズを知って反省。

    どこかの、なんか偉そうな奴が、某国の独裁者がもうちょっと若い時に日本に来た時に、無理やり接見をセットしたことの畏多さと無茶苦茶さを改めて実感した。

    宮内庁のHPを覗いてみようと思う。

  • 激務だ…高齢でやるのは辛すぎる。

  • 天皇陛下の日常業務
    ご存知ですか?
    知っているようで知らない、天皇陛下の仕事を解説する一冊。皇太子は今後どんな日常を送るのでしょう?

  • 皇室取材を担当していたジャーナリストの著者が、国事行為、公的行為、その他の行為にわたって、「天皇」がいつ、どこで、どのような仕事をどのくらい行っているのかを具体的に明らかにしている。
    天皇陛下が日々どのような仕事をされているのかについて、わかりやすく、かつ、結構詳細に解説されており、あまり知られることのない天皇陛下の日常についての理解が深まった。象徴天皇を戴く日本国民の教養として知っておきたい内容だと感じた。

  • 天皇陛下の全仕事

  • 園遊会での直訴事件を機に実際の天皇の公務とは何か? と気になり読んだ。
    もっと宮内庁がギシギシに管理しているかと思っていたが、陛下の意思など意外と反映されているのだという(被災地への慰問、訪問など)。

  • Kindle

  • ◆戦後、象徴としての天皇制とその職務を何もないところから切り開いてきた様が見て取れる。具体的職務内容に多く言及するのは、象徴天皇の国事行為・公的行為・私的行為のレファレンス機能を果たす書と目されよう◆


    2009年刊行。
    著者は産経新聞特集部記者(元社会部皇室担当)。

     タイトルどおりの書である。
     具体的な職務内容ほか、印象に残る部分としては、
    ① 途轍もなく多いご先祖様の祭祀。
    ② 火曜・木曜の午後は執務。午前実施の閣議決定への署名押印。遠方でも書類が追いかける。
    ③ 外国大使の接待に、鴨猟(ただし猟銃は使わず、大きな網で捕獲)や御料での鵜飼の場合あり。
    ④ 新幹線。お召し列車は殆ど使われず、一般車両を特別列車に仕立てる。
    ⑤ なお、天皇・皇太子以外の皇族の移動は、一車両貸切にすらならず、一般人と同乗。前後にお付きの人はいるけれど…。
    ⑥ 石原慎太郎元都知事による暴露的失言。あの内奏では、政治的重要課題が進講されていたことが白日に。言われてきたことではあるが…。
     目を引いたのはこれくらいであろうか。

     ところで、生前譲位は若干の言及あるも、現実には想定されていなかった時期の著作だ。
     とはいえ本書にある皇太子と秋篠宮の余りの違い(仕事内容)を考えると、ここでの早期の譲位は、自身の加齢・健康面の不安に加え、皇太弟となる秋篠宮の、将来の天皇即位のための教育期間ではないかとの感も生まれる。
     それほど皇太子は様々な行事に、天皇に近しい存在として、共に参加することが予定されている。これが理解できただけでも、現代象徴天皇制の内実を知る上で有益だったと言えそう。

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著者プロフィール

1968年神奈川県生まれ。地域医療機能推進機構(JCHO)東京高輪病院内科管理部長。医学博士。1994年東京慈恵会医科大学卒業。日本赤十字社医療センター研修医、東邦大学医療センター大橋病院循環器内科などを経て現職。専門は心臓血管のインターベンション治療。生活習慣病の患者さんには予防・改善のためにウォーキングをすすめている。趣味はマラソン(自己ベスト3時間49分)

「2016年 『医者に「歩きなさい」と言われたら読む本 メタボ・糖尿病・高血圧を改善!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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