- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062879835
感想・レビュー・書評
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メンタルヘルスに問題がある人たちのことをメンヘラーというらしい。。
それにしても、日本はいったいどうなっているんだ、と暗い気持ちになる。
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現実は非常である。
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こういうエキセントリックなキャラクターで,社会運動を興していることがとてもいいと思っていた雨宮処凛の新書。
左派的なメディアにはもはや出ずっぱりといった感がある。ただ,こんなにテレビ向けのキャラなのに,肝心なテレビには,あんまり映らない。それは,彼女のいうように,彼女が指弾しているのが,わが国の巨大自動車メーカーだったりするからなのだろうね。テレビにとってはスポンサーだから。なので,これまでの派遣切りの報道がいまいとつキレが悪いのは,そういう構造だからなのだろう。
本書では,派遣切りはもちろん,秋葉原無差別殺人,三万人の自殺,メンヘラー,シングルマザー,イラクの傭兵などを取り上げ,わが国の格差や社会的排除について論じている。シングルマザーのネグレクトを弁護する彼女の論述については,私にしてみれば噴飯ものであり,肯定するつもりは全くないが,そういう見方で立論できちゃうんだなあと思いつつ読んだ。
わが国の格差や社会的排除は,学校現場が抱える諸問題に直結するわけで,そういう意味では現場の困難性の背景を知っておくにはわかりやすい内容といえた。
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「だけど、愛とか、「生きる」ことなんかは、条件つきで「褒美」として与えられるものでもなんでもない。ただの「生存」になんの条件があるというのだろう。」
なんとなく手を出して読んでしまった・・・
落ち込む!なんだかとっても、私ってなんて恵まれた生活を送っているんだろうって悉く思わさせる。
忘れてはいけない貧困問題。
この本で述べられていることは全てではないけど、一部であることは間違いないのだ。そして事実だ。
少なくとも私は他人事と思っていない部分もあって、だから読んだら落ち込んでしまうのかもしれないな。
現実はよくわかった、じゃあ私はどうしたらいいの?と本当に分からなくなってしまう。
著者も最後に述べているように「思考」に影響を与えさせる1冊。
【4/14読了・初読・大学図書館】 -
日本の社会は「教育課程からの排除」「企業福祉からの排除」「家族福祉からの排除」「公的福祉からの排除」そして「自分自身からの排除」があるとの主張。
秋葉原での無差別殺人や、寝る場所を確保したいだけで渋谷で傷害事件を起こした老女の話、製造業派遣で即刻解雇・退寮を迫られ「派遣村」に押し寄せた人々などの赤裸々なルポ。
自己責任という言葉で片付けられてはならない。あたら消費を誘う市場原理主義の中で、貧困からの脱却は困難を伴う。
学歴がない、住居がない、助けてくれる家族もない、正社員ではない、肉体が病んでも生活保護が受けられない、そんな自分がいけないんだと、自信をなくし自暴自棄になる・・。
行政福祉の手がおよばず餓死や自殺も増加している。
この国はなんと「絶望」を増長させるだけのシステムの国になってしまったのだろう。
党派的な運動ではなく、ホントに「生きさせろ!」との立ち上がりが不可避な状況なのだ。
派遣労働者たちの現実、シングルマザーの日常について、淡々とした語り口ではあるが力強い文章。深い悲しみと怒りが胸に迫る。
決して他人事ではない。
イラクの部隊に料理人として駐留したジャーナリストとのインタビューではイラク戦争は「民営化された戦争」であり、今後は日本の派遣会社も戦地を派遣先の対象としないとはいえないとの言葉に、肌寒さを感じた。
多くの人に読んで欲しい。知ってほしい。
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府立もあり
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(2009/3/24読了)「講談社 現代新書カフェ」という講談社現代新書のメールマガジンに連載されていた記事が本になった。国内ワーキングプアの話は雨宮さんの十八番だが、最後の、料理人(派遣)としてイラク入った方の話は新鮮すぎた。現代の民営化された戦争は、徴兵されなくても民間会社の派遣社員として(!)、戦地に行かされることがあるから怖いよなあ。