はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)

  • 415人登録
  • 3.47評価
    • (16)
    • (42)
    • (52)
    • (7)
    • (5)
  • 51レビュー
著者 : 橋爪大三郎
  • 講談社 (2009年7月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880046

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マーク・ピーター...
村上 春樹
デール カーネギ...
三島 由紀夫
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • ヴィトゲンシュタインの生涯とその思想を追い、後期の「哲学探究」に現れる言語ゲームを紹介する。言語はそれ自体だけでは存立し得ず、言語を使用する人間のふるまいと共に一元化された言語ゲームとなる。言語ゲームがメタシステムであるならば、言語ゲームを語ることもまた言語ゲームとなる。著者は社会学者なので、前著「はじめての構造主義」と同じく、言語ゲームを社会システム解読の方法論として捉えている。このアプローチは大変判り易いのだが、人間存在を超えた世界認識には至らないように思う。拡張する言語ゲームと云えば、山田正紀の「神狩り」をちょっと思い出した。

  • 800円でおもしろくってためになる。素晴らしいじゃないですか。
    でもヴィトゲンシュタインが何を言っているかはまだよくわかりません。これは著者のせいでなく、私が阿呆なだけです。普通の人ならよく理解できると思います。次は野矢茂樹を読もうと思いました。

  • 主にウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」、「哲学探究」についての紹介。
    言葉が意味や価値を持つのは「言葉と世界が一対一対応しているから」。言葉と世界が対応するのは「人々が言語ゲーム(人々のふるまいの一致)を行っているから」。
    「言語ゲーム」は人間の初源的な行動様式である・・・。
    構造主義や、小林秀雄・茂木健一郎の考え方にも通じていると思う。

    個人的には、集合論の応用から、「世界が、正しい言語の使い方(論理哲学論考のこと。)に押し込まれる。」という結論に至るところが面白いと思う。

  •  ヴィトゲンシュタインのウィーン。機械いじりが好きで入学した実科学校にはヒトラーがいた。プロペラの設計には高度な解析学が必要だ。数学を学ぶうち、基礎となる数学論や論理学が面白くなってきた。現代数学が記号論理学によって基礎づけられようとしていた時代であった。戦争で壊れ始めた世界の成り立ちを知りたいと思った。論理はそのための手段であった。

  • 前半は快調。やっぱり橋爪大三郎はおもしろい。と思ったが、後半の宗教の話になると俄然眠くなった。夏の暑さのせいか?同じところを何度も繰り返す始末。読みだした動機が、野矢茂樹『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』を読む前に、軽くアウトラインを頭に入れておこうというものだったけれど、この本はタイトル通り、言語ゲームについての話で、私の期待と微妙にずれていた。ウィトゲンシュタインにまつわる話は興味深かった。数学の内容は…。久しぶりに「対角線論法」の文字が懐かしく、でもなんとなく自分の記憶と違って『解析概論』をみたらやっぱり少し違っていた。「論法」としては同じ。

  • なぜ言語は「言語」としての一般受容性を備えているのか。
    その疑問点を「言語は物事のふるまいをきじゅつするものである」という点によって解決したのがヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」という考え方である。
    言語を使って◯◯が◯◯であると分かる、というごくごくありふれて感じ取ることができる事自体が言語ゲームであるということを身近な例を用いて説明している良書。
    思想というものを少々敬遠していたが、本書はよき入門書となると信じている。

  • ウィトゲンシュタイン思想の入門書。彼の人生と思想と言語ゲームの考え方を述べている。後半部の言語ゲームを様々な場面に適用させることによって、思想をただ理解するのではなく、実際に現実に応用する手助けを与えてくれている。

  • ヴィトゲンシュタインの言語ゲームに関する入門書。前半は伝記になっており、彼の人生と思想の遍歴について説明されている。後半では具体的な例を引きながら、言語ゲーム、すなわち人々のふるまいが解説されている。一番感動したのは、逆スペクトル懐疑のくだり。かっこいいなあおい。2011年18冊目、読了。

  • 橋爪大三郎さんの「はじめての構造主義」が分かりやすかったのでこちらも読んでみることにした。
    現代思想を教養として知っておきたくて(だから特にウィトゲンシュタインについて知りたかったわけではない)、この本を読んだ。講談社現代新書は思想・哲学の分野の入門書に力を入れているようなので、色々読んでみたくて、まずこの本を手に取ったというわけだ。
    といっても、ウィトゲンシュタインについて全く知らなかったわけではない。岩波文庫の「論理哲学論考」を手に取ったことがあるのだが、全く理解できなかったからだ。(始まりからしてわからなかった。)
    しかし、そんな僕でもこの本を読めば大体理解出来た。(内容に関しては相変わらず分からないが。)

    ウィトゲンシュタインの思想を大きく分けると、前期と後期に分けることができる。
    前期:「論理哲学論考」。写像理論。
    後期:「哲学探究」。言語ゲーム。

    P.68
    世界が壊れようとする今、この世界を成り立たせる価値や意味の根拠を、確認しないでどうしよう。それでも世界が、存在できることを、証明しないでどうしよう。ウィトゲンシュタインは、数学・論理を基礎づけようとする自分の仕事に、世界の価値と意味を論証するという大きなテーマを重ね合わせた。

    P.74
    「論理哲学論考」のエッセンス
    (1)世界は、分析可能である。
    (2)言語も、分析可能である。
    (3)世界と言語とは、互いに写像関係にある
    (4)以上(1)~(3)の他は、言表不能=思考不能である。

    P.124
    人間は誰でも、もう世界が始まっているところに、遅れてやってくる。はじめ、この世界がどんなルールに従っているのか、ちっとも理解できない。でも、それを見ているうちに、だんだんわかるようになる。

    P.130
    言語は、私的言語ではない。言語は、人々のあいだのふるまいの一致である。つまり、私の感覚を根拠に、私を中心に出来あがっているわけではない。この意味で、言語は公共のものである。

    P.148
    規則(ルール)に従ってふるまうかぎり、人間は人間である。

    P.164
    ウィトゲンシュタインは、それよりもっと根源的な「なにを懐疑するにせよ、懐疑するという言語ゲームを行っていることは決して疑えない」という原理を発見したのである。

    P.178
    ウィトゲンシュタインが、言語ゲームのアイデアを通じて言いたかったのは、この世界の意味や価値は、権力などに寄らなくても、人々のふるまいの一致によって、ちゃんと支えられているという事だ。

    P.241
    写像理論と、言語ゲームの違いはどこか。
    写像理論は、「言語と世界は対応している」と、最初から想定する。誰が何と言おうと、言語と世界は無条件に対応しているのだ。
    それに対して、言語ゲームの場合、言葉が世界を支持して意味を持つことが出来るのは、人々がそのようにふるまうから。人々がどうふるまうかは、事情による。したがって、言葉が意味を持つかどうかも、事情による。つまり、無条件ではなく、条件付きである。

    P.255
    そうした現代の課題を考えるのに役立つのが、言語ゲームである。
    まずやるべきなのは、異なった伝統、異なった文明に属する人々がどうやって生きているか、そのアウトラインをきじゅつすることである。…ルールと記述し、ルールとルールの関係を記述していく。…次にやるべきなのは、異なった伝統、異なった文明に属する人々の従うゲームのルールを互いに比較することである。そして、矛盾や衝突が無いか、調べることである。
    あるゲームが、ある文明から別の文明に移植されると、もととは違った性質を持つことがある。それは何故かも解明しなければならない。
    その次にやるべきなのは、それらをより良く作り変えていく... 続きを読む

  • 本書は、社会学を専門とし、

    東京工業大学教授である著者が、

    ドイツの哲学者ウィトゲンシュタインと

    彼が提唱した言語ゲーム論について紹介する著作です。


    著者は、ウィトゲンシュタインの生涯を振り返り、

    その思想や言語ゲーム論の要点をコンパクトに解説。

    その上で、後の哲学者への影響や相違点を指摘。

    さらに、キリスト教、仏教、宣長などを例にとって、

    言語ゲーム論の射程の広さを論じます。


    言語ゲーム論に基づく『ゴドーを待ちながら』の分析

    トルストイの『要約福音書』の重要性など、

    どの記述も興味深いのですが、

    個人的には、クリプキとの相違や

    H・L・A・ハートの議論との類似性など

    なんとなくモヤモヤが残っていた事柄について

    疑問がスッキリしたのが、とても嬉しかったです。


    「わかりにくさ」の代名詞のようなウィトゲンシュタインについて

    そのエッセンスを平易に解説するとともに、

    実社会における応用の仕方をも示す本書。


    言語ゲームに興味がある方はもちろん、

    哲学に興味を持ち始めている方など、多くの方におススメしたい著作です☆

  • 「論理哲学論考」ばかりがファッション的注目を集めてしまって、言葉は知ってるけどさっぱり内実がわからないなぁ、的だった後期ヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論。説明は、もう、20ページくらいしか無いんですが、後半の記述はなかなか独創的。

  •  哲学者ヴィトゲンシュタインの生い立ちから、前期『論理哲学論考』・後期「言語ゲーム」の思想、それらの思想を産み出した社会的背景などを一通り学ぶことができる。「言語ゲーム」の考え方を、資本主義・全体主義といった政治体制や、世界の宗教に応用して解説されている部分もある。
     講義を聴いている感覚で、読みやすく書かれているのが良かった。前半の数学、論理学の部分は難しい印象を持ったが、肝心の「言語ゲーム」の解説部分はとても刺激的で面白かった。特に印象的だった部分を列挙すると、まず前期『論考』の最後はまるで「自動的に消去される」スパイ映画に出てくるテープのようであること(p.93)、「机」を分からせるためには色んな机を持ってこればいい、という言語ゲームのアイデア(p.107あたり)、クリプキのクワス(p.152)、相対主義(p.249)など。人々が「言語ゲーム」をすることで社会が成り立つという考え方がよく分かった。(10/04/13)

  • 2年か3年ぶりに再読。
    なぜ今『はじめての〜』かというと、『論考』と『探究』との関係についてふと考えたとき、説明できない自分に気づいたから……というのは、建前で、本当は今やっている勉強の息抜きだったかも。

    しかし、当時はウィトゲンシュタインの考えをとりあえず知ろうという目先の欲ばかり優先したせいで、言語ゲームの実践・応用に関わる後半をしっかりと読めていなかったことに改めて気付き、読んでよかったと思う。

    言語ゲームはふるまいの一致である、というウィトゲンシュタインの発想は刺激的。独我論から思考をたどってここまで普遍的な理論を構築したのには感嘆する。読み始めたきっかけの1つである、『論考』から後期への道程まで含めて、ウィトゲンシュタインの態度には学ぶところがまだまだある。

  • ウィトゲンシュタインの思想を挫折させることなくいかに理解させるか、という課題に全力で取り組んだ作品だと思う。伝記的にたどりながら思想に対する理解を深めていくという構成で読みやすいが、第2章「数学の基礎」のような章がそこに挟み込まれているのもありがたい。ただ9章以降は著者自身の考え方や関心事項に引き付けすぎのような気がする。

  • 前期と後期でわかりやすく分けてくれている。当時の時代背景含めて教えてくれるので非常にわかりやすい

  • どうして人間は言葉で意思疎通することができるのか?これは、簡単そうでなかなか難しい問題です。この難問に「言語ゲーム」というアイデアで挑んだのが哲学者のヴィトゲンシュタインです。著者によれば、「言語ゲームとは、ルールに従った人々のふるまいのこと。すなわち、人びとのふるまいの一致」なのだそうです。ふるまいが一致しているからルールが生まれ、そのルールに従うからふるまいが一致する。なんだか、禅問答みたいですね。言葉でわかり合ったと思っていても、本当は分かったつもりになっているだけなのかも知れませんね。(先生推薦)

    ↓利用状況はこちらから↓
    http://mlib.nit.ac.jp/webopac/BB00509209

  • ウィトゲンシュタインが歩んできた道のり、タイトルである言語ゲームの内容をわかりやすく語ってくれる良書。

    僕にとってウィトゲンシュタインを読むことには大きな価値があった。

    ー世界が、壊れようとしている。
    世界が、このまま壊れて良いのか。
    いや、世界は、壊れてはならない。
    世界は生きるに値する。その世界のただなかで、人間には物を考える誇りと尊敬が備わっている。そのことを証明しようと、ウィトゲンシュタインは、「論理哲学論考」の草稿に、くりかえしくりかえし手を加えていった。ー 本書p68ページ

  • ウィトゲンシュタイン入門という感じ。
    言語ゲームのことをたいへんわかりやすく解説されていて初学者でも理解しやすい。

  • 2000年以上にわたり論理学の教科書であり続けるアリストテレスの『オルガノン』p26

    記号論理学
    フレーゲ『概念記法』

    ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』
    「写像理論 picture theory」:世界(出来事の集まり)と言語(命題の集まり)はぴったり一致している。p71

    【『論考』のエッセンス】p74
    ①世界は、分析可能である。
    ②言語も、分析可能である。
    ③世界と言語とは、互いに写像関係にある。(同型対応している)
    ④以上、①〜③のほかは、言表不能=思考不能である。
    「世界は、言語があるようにあり、言語は、世界があるようにある」p88

    マタイによる福音書21章42節
    Jesus said to them, "Have you never read in the scriptures: 'The stone that the builders rejected has become the cornerstone, this was the Lord's doing, and it is amazing in our eyes.' p111

    『哲学探求』
    「言語ゲーム language game」:規則(ルール)に従った、人々の振る舞い。p116
    ・家族的類似
    Eg. 足し算を理解すること

    「逆スペクトルの懐疑」:色についての感覚が、人と逆さまになっているのではないかという疑い。p127

    「数列」「考えるな、見よ」p133
    数と言葉は同じ起源を持つ。

    「...根拠を求める営みには終点がないかのようである。だが、根拠のない前提が終点になるのではない。根拠なき行動様式、それが終点なのだ」「確実性の問題」

    【言語ゲームと論理学】p170
    ①世界は、無数の言語ゲームの渦巻きである。
    ②言語ゲームの全体については、のべられない。なぜなら、それ自身が新しい言語ゲームになるからだ。
    ③個々の言語ゲームについてなら、のべられる。これを、論理学という。
    ④論理学は、もとの言語ゲームの効力に影響しない。

    Cf. H.L.A.ハート『法の概念』p172
    「法のルール説」vs「法の命令説」(ホッブズやマルクス・レーニン)

    【あとがき】
    ウィトゲンシュタイン=星の王子さま?


  • 論理学の初歩から、分かりやすい言葉で教えてくれます。

  • 素晴らしい本。ヴィトゲンシュタインの思想が良く理解出来た。言語ゲームという視点から人生を楽しむ事が出来そうだ。生まれてからエイリアンの哲学をしていた自分にも気付けたw 人間とはなにか?自分は人間なのかどうか?みたいなことを考えてしまう人間に送りたい。著者の橋爪氏に心から感謝したい。もちろんヴィトゲンシュタインにも感謝。

  • 息子が大学図書館で借りてきた。

  • 逗子図書館で読む。興味深い本でした。哲学関係の本であるにかかわらず、読みやすい本でした。この哲学者の論理性は、工学出身のせいだと思っていました。しかし、この本によると、工学とは無縁だったようです。また、代々のブルジョワジーではないんですね。一代の成り上がりなんですね。名門一族というのは嘘であり、成金なんですんね。本体はもう一度読んでみたいと思います。それだけです。

  • ヴィトケンシュタインの話。禅問答に近い印象

全51件中 1 - 25件を表示

はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)の作品紹介

世界のあらゆるふるまいを説明しつくそうとしたヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論は、いかに生まれ、どんな思想なのか?きわめて平易で刺激的な哲学入門。

はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)のKindle版

ツイートする