落語論 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.16
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本棚登録 : 266
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880077

作品紹介・あらすじ

寄席で見つけた落語の真髄!なぜ繰り返し聴いても飽きないのか?うまい噺家はどこがすごいのか?日夜、浴びるように落語を聴き続けてたどり着いた渾身の落語論。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的な事情を言えば,ぼくはもうすぐ早起きして朝早い電車に乗らなければならないんですが,午前5時の時点で堀井憲一郎『落語論』(2009,講談社現代新書)を読んだ興奮を抑えられずにいます。本書の「あとがき」によれば,著者は締切りに追われて綱渡りで本書を書いたようです。ありえない時間で書かれた本の感想はありえない時間に言ったほうがいいと思って,いまのうちに感想を書いておきます。

    本書は三部構成で,「本質論」,「技術論」,「観客論」から成っています。

    落語とはなんであるかを解説しようとする文章をぼくはこれまでいくつか読んできましたが,本書の「本質論」を読んで,ぼくは生まれて初めて溜飲が下がりました。落語の演目には正典がなく,落語の本質は演題にもなくサゲにもなく,ストーリーにもあらすじにも意味がない。じゃあ,落語を落語たらしめているものはなにか。それはセリフである,というのが著者の意見です。こんな落語論を,ぼくは初めて読みました。同じ著者の『落語の国からのぞいてみれば』を読んだとき,ぼくはぼくなりに「落語グルーヴ」が落語を落語たらしめているという意見を述べましたが,著者はぼくの言いたかったことをはるかに上手に説明してくれていると思いました。
    http://tabula.hp.infoseek.co.jp/jul08.html#18

    それと,本書の「究極の落語とは何か」の項で,著者は,故桂枝雀のある発言を引用しています。ああ,堀井さんもアレに引っかかってたのか,と思いました。同じ発言をぼくもどこかで引用したはず,と思ってパソコンを検索してみたら,ぼくは,くらもちふさこの感想文で桂枝雀の発言を引用していました。
    http://tabula.hp.infoseek.co.jp/jan05.html#6

    引用する場をまちがえた気がします。すいません。

  • 779-H
    閲覧新書

  • 落語を論じる必要はあるのか

  • 本質論、技術論、観客論の3部からなる。
    落語には意味がない深く考えずに聞け、とご自分のことを棚に置いているのが面白い。
    中でも技術論は一般読者ではなく落語家向けの内容である。落語を自身でも演じ、落語を聞き込んだ筆者だからこそわかる客観的かつ的確な技術論だ。人気の落語家がなぜ人気なのか少し見えてくる。小朝を聞いて見たくなった。
    落語の魅力とは、
    みんなで集まって、「おはなし」でトリップしようぜ。
    だそうだ。

  • -108

  • 何で買ったか忘れたが積ん読に積んであった本。
    落語というものはこんな性質のものだよというのが書かれている(当然この人自身の個人的見解も含むが)。

  • <閲覧スタッフより>
    「落語」とは?
    江戸中期に始まった庶民的な話芸。 人情ものや怪談ものなど、様々なカテゴリがあり、噺の最後に「落ち」と呼ばれる結末がつくため、「落語」と言われます。 また、同じ噺でも噺家によって違ったりと、色々な楽しみ方があります。

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    所在記号:新書||779.1||ホケ
    資料番号:10194306
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  • 文章のゆるさが良い。お題にふさわしいゆるさ。論じゃねーじゃんこれ、ってこの本を斬っちゃうのは無粋かと。落語はライブである等「空間」(空気感と言ってもいいのかな?)を重視する作者の考えにほお、と。

    江戸時代から急に近代化したせいで生まれた息苦しさを前近代的な落語でうまく人々は息抜きしてきたんだ、と言う考えもほぉ。

    しかしこのお方、文章の端々から見て、歴史がお好きなんじゃないかしらんと思ったのは私だけでしょうかね。兎にも角にもゆるさが素敵な本です。これが寄席のなのかね。行ってみたいものです。

  • どうしてテレビでみる落語って眠くなるんだろう。
    どうして寄席でみる落語って面白いんだろう。


    常々思っていたそういう疑問に、答えのヒントがあったような気がします。


    寄席のよさ、江戸や大阪などの都市で栄えた理由、
    噺家と客の関係について。


    「言われてみれば!」と納得してしまいました。

  • 何かにつけて読んでいる。

    落語論ではあるが、それを超えたメッセージを感じる。

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著者プロフィール

1958年生まれ。京都市出身。コラムニスト。
著書に『かつて誰も調べなかった100の謎 ホリイのずんずん調査』(文藝春秋)、『青い空、白い雲、しゅーっという落語』(双葉社)、『東京ディズニーリゾート便利帖 空前絶後の大調査!』(新潮社)、『ねじれの国、日本』(新潮新書)、『ディズニーから勝手に学んだ51の教訓』(新潮文庫)、『深夜食堂の勝手口』(小学館)、『いますぐ書け、の文章法』(ちくま新書)、『若者殺しの時代』『落語論』『落語の国からのぞいてみれば』『江戸の気分』『いつだって大変な時代』(以上、講談社現代新書)などがある。

「2013年 『桂米朝と上方落語の奇蹟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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