日本銀行は信用できるか (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880107

作品紹介・あらすじ

日銀の責任を問い直す。なぜデフレを怖れず、利上げを急ぐのか? もっとも信頼される学者が金融政策の病根に迫る! 日本経済最悪のシナリオ、デフレが進行している。内需も外需も総崩れの現在、政府は日銀に金融政策をまかせきりにするのではなく、インフレ目標を設定せよ。信頼の高い学者の緊急提言! (講談社現代新書)

感想・レビュー・書評

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  • 著者が、日銀副総裁になったこともあり興味深く読んだ。
    主張には概ね共感できるが、他国の中央銀行のインフレターゲットの場合、「過度のインフレを押さえ込むためにとっている政策」との点が、日本と違うので、今後の成り行きが多少気になる。
    所詮、景気の上がり下がりは、循環するもので、あまりジタバタしても、仕方ない気もする。


  • 日銀の過去の過ちについて客観的な論拠とともに述べられています。本書が執筆されて以降日銀の黒田総裁の判断は前例主義を脱しているように感じますが課題は山積みです。

    本書で触れられる日銀そのものの構造へのメスも必須条件と言えるでしょう。

  • お金
    社会

  • 内容については、日銀の組織の説明、金融政策の是非、日銀改革の提案など素晴らしいものであり一読することを薦めます。

    ただ、読後の感想としては、この提案されている改革案が実行されなければ(その可能性は高いのだが・・・)日本経済はまだまだ失われた○○年の○○の年数が伸びていくんだろうな、とつらい気持ちになった。

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  • 本書の概要は次のとおりである。

    日本銀行(日銀)の金融政策は前例主義を原則とする東京大学法学部卒をトップとする「官僚」によって運営されており、独特の「総合判断」に基づく裁量的金融政策をとっているが、それでは今の日本の大不況からは脱出できない。日銀のゼロ・インフレ政策はデフレ不況をもたらすとともに、過度の円高をもたらした。日銀は金融政策の達成目標を曖昧にしたまま「総合判断」という名の裁量で金融政策を運営しているため、国民は日銀の金融政策に対して、真の意味での「説明責任」を求めることができない、という点に問題の根源がある。成果を出しているインフレ目標を採用している国を見習い、日本でも、政府が日銀の達成すべきインフレ目標を決定し、日銀を国民がガバナンスする仕組みを作れば、日銀の金融政策は国民に信頼されるようになり、その結果、日銀の金融政策の成果も格段に改善されるだろう。

    本書の内容は、一応筋は通っているし、それなりの説得力はあると思うのだが、自分がインフレ目標政策に懐疑的なこともあり、十分に納得できたとは言い難かった。例えば、高いパフォーマンスを発揮しているインフレ目標政策を採用している国の多くは、高インフレから低インフレへの移行に成功したものであって、日本のようにデフレから低インフレへの移行を目指す場合とは状況が違うのではないか、日銀の政策決定が経済の非専門家で決められていると指摘しているが、岩田氏が特に批判している白川総裁や翁氏は経済の専門家なのではないか、政府に「金融政策の目標設定」を行わせることは本当に妥当なのか(政府こそ、経済学的観点でなく政治的な観点から意思決定しがちなのではないか)、といったような疑問点が浮かんだ。
    また、これは後知恵的な批判だが、岩田氏が実際に日銀副総裁に就任して以降、本書に書かれているとおりのことを実践しているとは思われないことは確かである。

  • 日銀批判と改善提案。
    経済学のことを知らないでもそれなりに理解できる内容になっている。平易に説明してあるので分かりやすい。
    この本で著者が訴えていること(インフレターゲット)は理解できるが、批判している部分は一方からの意見だけでなく、他の本やもちろん日銀の見解もしっかりと比較したほうがいい。

  • 大学時代勉強しなかったとの弁は自慢話しである。

  • 徹底的な日銀批判。ここまで日銀を批判することには偏りがあるように思うが、批判される主な論点をとても分かりやすく解説している。

  • この本では日銀のデフレ回避へのアクション(金融政策のあり方)を否定的に評論を加えている。日銀副総裁になった氏だが、今後の動向に注目するきっかけになる。

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著者プロフィール

学習院大学経済学部教授。金融論、経済政策専攻。主な著書に『金融入門』『経済学を学ぶ』『金融危機の経済学』など。

「2010年 『初歩から学ぶ金融の仕組み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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