ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880398

作品紹介・あらすじ

「空気を読む」「人とつきあう」脳のしくみとは?「自己と他者の脳が作る社会を前提として、その社会に組み込まれた状態の脳のしくみをとらえる」という考え方。

感想・レビュー・書評

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  • 第1章 ソーシャルブレインズとは何なのか?
    脳はどうやって機能を拡張してきたのか?/ひとりきりの脳はどこまで脳なのか?/お茶とケーキに手を出しますか?/社会的ゾンビ/「空気」とゾンビ/脳の自由度について考える/透明人間になったのび太/創造性との関係/ハブという考え方/脳と社会と階層性ネットワーク……
    第2章 これまでのソーシャルブレインズ研究――顔、目、しぐさ
    顔はなぜ特別なのか?/脳はどのように顔を認知するのか?/目の力/しぐさの力/ミラーニューロンの意義と問題/自他の境界/仮想空間の腹腕/コミュニケーションとタイミング/鏡の中の自分は誰?/脳の中のペプシマンと身体イメージ/他者認知のしくみを読み替える……
    第3章 社会と脳の関わり――「認知コスト」という視点
    ミステリで考えてみる/ミーティングで携帯を頻繁にチェックする部下/社会的駆け引き/頑固なサル/ルールと脳について考える/9・11のあとにアメリカで感じたこと/アイヒマンの発言「私は命令に従っただけだ」/ミルグラム実験/スタンフォード監獄実験/人は何でもやりかねない/脳と社会と倫理……
    第4章 僕はどうやってソーシャルブレインズを研究しているか
    第5章 ソーシャルブレインズはそもそもどこにあるのか?
    キーワードは「関係性」/まず二頭のサルで考える/何でもかんでも記録する「多次元生体情報記録手法」/ECoG電極の試み/消えないコーヒーメーカー/脳内ネットワークの関係性をどう記述するか/「あの二人はつきあっているの?」/脳科学研究の革命
    第6章 ソーシャルブレインズ研究は人を幸せにするか?――幸せとリスペクトの脳科学
    脳科学が個人にできること/赤ちゃんとお母さんの関係/無条件で認めてくれる存在/リスペクトからはじまる/母子間コミュニケーションからソーシャルブレインズへ/ソーシャルブレインズ研究のこれから

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99195036

    とても面白い本です。「空気を読む」「人とつきあう」脳のしくみとは?「自己と他者の脳が作る社会を前提として、その社会に組み込まれた状態の脳のしくみをとらえる」という考え方について書かれています。
    (生命融合科学分野 大塚正人先生推薦)

  • 「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」関連本。

  • 新書サイズなのであまり深くはないのだろうけど、ソーシャルブレインズの基本的な考え方はなんとなく理解できた。

    環境と自己とのかかわりの中で、特に社会(他者)とのかかわりを重要視しているソーシャルブレインなのだけど、第3章でも触れている通り「自己と他者が置かれている環境」もその社会性に影響を与えるとか、かなり複雑でワクワクしてくる。まだまだこれからの分野とのことで続編を期待。

    哲学ゾンビに代わって「社会的ゾンビ」というものを使って説明するなどわかりやくい。

    あと著者の考えでは、認知において低コスト戦略をとっているとのことなのだけど、そのコストを脳たちが日頃どのようにして算出して(脳同士で協力して)意思決定しているのか興味ある。

  • 第1章 ソーシャルブレインズとは何なのか?
    第2章 これまでのソーシャルブレインズ研究―顔、目、しぐさ
    第3章 社会と脳の関わり―「認知コスト」という視点
    第4章 僕はどうやってソーシャルブレインズを研究しているか
    第5章 ソーシャルブレインズ研究は人を幸せにするか?―幸せとリスペクトの脳科学

    著者:藤井直敬(1965-、広島、脳科学)

  • 2010.02.19 mindiaで発見
    http://mindia.jp/book/nishiko/keyword/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E8%84%B3

    社会学よりも神経学の本だった。期待していた内容と少しちがった。

    期待していたこと:人間社会全体が、ソーシャルメディアを通じ知識を交換すること。
    実際に書かれていたこと:社会から影響を受ける脳のこと。

    内容が悪いわけではないのですが、期待していたものと違ったため、マイナス評価にしてあります。読了していませんが、読了したことにします。

  • 図書館

    ソーシャル

  • ソーシャルブレインズの概念を理解する上では有用な一冊だろう。

    根本的な考え方としては、「実験室に閉じこめられた脳」の実験では、不確定な要素の対応を含む脳__つまり普通の脳__の事を理解することはできない、となる。

    実際のソーシャルブレインズの研究はこれから本格化してくるだろうことは本書から読み取れる。したがって、現段階ではは準備中のフレームの提示のみだ。

    しかし、このフレームが提示する可能性は大きいと思う。なんというか、脳研究の質的な転換が行われているような気すらしてくる。

    「経済学」が基本とする人間__経済合理性を完璧に追求する人__はすでに死んでいる。そしてその場所には行動経済学が提示するごく普通の人間が鎮座している。

    それと同じような転換が脳科学の分野でも起こるのではないかと思う。

    加えて、そのような質的転換がほぼ同じ時代で生まれつつあるというのが興味深い。

  • これも面白いのだが、抽象的な話が多く、正直にいうと前作「つながる脳」の方が具体例に富んでいておもしろかった。単に読みが浅いだけなのか・・・

  • どんなに考え抜いて行動しても、それを評価するのは外部、てのが面白かった。

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著者プロフィール

理化学研究所脳科学総合センター適応知性研究チーム・チームリーダー/適応知性および社会的脳機能解明が研究テーマ

「2014年 『談 no.99』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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