人間関係のレッスン (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880626

感想・レビュー・書評

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  • <感想>
    ・人間関係の悩みの4パターンを例を含めて提示し、自分の中で凄く当てはまる部分があって興味が惹かれた。内容も理論的で納得できたが、4パターンの具体的な解決策があまりにも弱すぎて肩透かしを喰らった感じがした。
    ・中盤でハラスメントの話もあったが、その解決策も抜本的な解決には至っておらず教科書的な域を脱しておらず、理屈はわかるけど結局どうしたらいいんだろうとなった。
    <メモ書き>
    人間関係でかつてうまくいっていた行動を新しいコミュニティでは修正せざるを得ない。そのような修正は、過去のパターンを壊し、新しいパターンを構築するプロセスで、精神的に成長するとはそういうことだとも言える。これは人間関係の変化以外にも、人生における挑戦、自分自身を深く見つめる内省、加齢、身体的な不調などによっても引き起こされる。

    いい人を演じてしまう、決められない、頑張りすぎる、隠れるという性質は誰にもある要素である。これらは自分の行動を全て他人を主語にして選んでいる。この4つの行動パターンにとらわれてしまっている人は、家庭、学校、職場などで強すぎるグループ規範に晒されてきた経験がある。

    マイクロトラウマ
    数回であれば小さなストレスしか与えないけれども、それが継続することによって、人に精神的ダメージを与えること

    ダブルバインド
    何でも自主的にやりなさいと言いながら何らかの制約を設けるなど、言ってたことと違うじゃんという状況。

    ミスティフィケーション
    相手に気づかれにくいように誘導しコントロールすること。「○○ちゃんは将来お医者さんになりたいんだもんね」など。あたかも子供の意思かのように発しているが大人の願望をレッテルのように貼り付けている。

    カテゴリーエラー
    本来話し合われているテーマのカテゴリーとはまったく異なるカテゴリーへと巧妙に話題をすり替えること。「そんな意見をいうのは十年早い」など。

    三角コミュニケーション
    「○○だってみんな言ってるよ」など。

    ハラスメントをする人は自分の中の非難されそうな欲求をないもののように振る舞い、さらにはそうした自分の感覚や感情や欲求を、あたかも他人のもののように非難することもある。これを自我防衛機制の中の投影同一視という。つまり、ハラスメントをする人の非難の言葉は実は自分のことを言っている場合がある。
    ハラスメントをする人は激しい攻撃性を見せるわりには打たれ弱い。批判に対して非常に脆いので、彼らからの攻撃に対してはっきりと反旗を翻した場合、態度ががらりと変わることがある。

    隠れるパターンの人は「私の話なんか面白くないですよね」「私のくだらない話で、お時間を使わせてしまってすみません」という言葉を口にする。隠れる人は、自分の感覚、感情、思考を家族、学校あるいは職場などで否定され続けた経験がある。

    よいところは徹底的にほめる。ただし同時によくないところははっきりと指摘する。

    自分の性格の傾向
    わからないことや気乗りしないものがあると後回しにしてギリギリで焦る。
    注意すべきことを言えない。
    怒ると黙る、気持ちの切り替えが遅い。

  • 人間関係が上手くいかない代表例として4つ、
    いい人を演じてしまう、決められない、頑張りすぎる、隠れるの4パターンを紹介。
    自分自身、前の2つはめちゃくちゃあてはまるな…と実感。
    結局、歪んだ認知が原因なのだなと思った。
    後半の修正方法については、精神状態が落ち着いてないと難しいかもしれない。

  • 自己一致できる人になりたい。
    自分の場合、サブパーソナリティを認識できる事例は少ないかもしれない。
    折を見て、落ち着いて自己一致したいが、はたして対人云々の時点から認識できるのか。

    とにかく、よかれと思ってすることにろくなことはないと。あくまでも自分を主軸に。落ち着いて。感情を見極めて。

  • 人間関係で悩んでる訳じゃないから、サラッと読んでしまった。
    本書に挙げられた4タイプのうち、自分はいったいどれなんだろうか?と考えながら読んだものの、真剣にはかんがえなかったな。
    ただ、自分がかなり、いいかげんな人間だってことだけはハッキリした。

  • 自分をしっかり持つことが大切だと感じる。
    人間関係で悩む人は4つのパターンに分類できる。
    ①いい人を演じる人
    ②決められない人
    ③頑張りすぎる人
    ④隠れる人

    全て他人の視点から自分を判断している。
    ダブルバインドとは、「自分で決められない」性格を生んでしまう。例えば、○○しなさいと言っているのに、実際にその言葉に従って○○を行うと、「おかしい」と避難してくる人。それが繰り返されると精神的に参ってしまう。
    ミスティフィケーションは「頑張りすぎる人」を生む。具体的には、「○○くんは○○だよね」と、あたかも○○くんの意志を思わせながら、自分の意志を強要する。親がこういう感じだと、頑張りすぎる人になってしまう。
    もう少し楽観的に対応した方が良い。
    厳しい世の中で結束力が強まり、異質なものを排除する方向に進んでいる。
    ハラサーの言葉に思考が効力しないように、呼吸に意識する。
    言葉よりも自分に注意を向ける。足がしっかり地面に着いていることに意識する。特に横隔膜より上に神経を集中する。
    呼吸を落ち着かせ、気が上から下に流れるイメージを持て。
    ハラサーを見つめよ。
    ハラサーのいいがかりには、自分の利益を踏まえて、謝れることは謝る。それは方便。
    自分のマイナス思考癖を見極めよ。マイナス思考したときに、これは自分の癖だと言い聞かせよ。そして深呼吸する。
    マイナス感情あるときは身体に変調が表れることがある。
    なかなか自分の意見を議論の時に出せない場合、議論の冒頭に自分の意見を言う。
    ハラサーには自信を持った態度で臨む。

著者プロフィール

心理カウンセラー/臨床心理士。石油会社勤務後、渡米し、心理学を学び、現在はカウンセリングの指導・実務に携わる。
著書に『人間関係のレッスン』(講談社)等多数。

「2021年 『マンガでやさしくわかるオープンダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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