ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (2011年5月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881005

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • 自然科学、法制度、政治思想など、現代社会の各地平において一定のスタンダードを生み出したのは西洋社会。その基軸にあるのがキリスト教。この観点から、近代的な規範・知見を生み出したキリスト教の実相を明らかにしようとする対談集。狙い・目的は是。が、自然科学と政治制度、法制度等とを全く共通の土俵とみるのはなかなか困難な作業。また、キリスト教に淵源があるにしても、紀元前のそれと近世(近代自然科学や、政治・法思想の黎明期)のそれとでは異質な部分も想定され、その割には、紀元前に重心が置かれ過ぎの感。本書は端緒のそれか。
    もっとも、対談集の良さ、批判役の大澤氏が尤もな批判を展開するので、判りやすさは随一。自然科学の面でも、自由権・平等権、議会制民主主義等の諸制度等でも、西欧近代の所産の恩恵を受けている現代日本において、否応なしにキリスト教は意識する要ある事実を、簡明に気づかせてくれる一書。著者大澤は京都大学教授、橋爪は東京工業大学教授。2011年刊行。

  • ★判断つかず★何せこの分野に全く知識がなく、いろいろと批判本も出ているが、判断の基準にできるものがない。ただ「えいやっ」という本なんだろうな、という感じはする。宗教の勉強をしたいが入口が難しい。

  • キリスト教について,あまり知識がなかったのでちょっと難しかったです。二人の話には正直ついてけなかった。でも,この本が,阿刀田高の「旧約聖書を知っていますか」「新約聖書を知っていますか」や中野京子の「名画の謎 旧約・新約聖書篇」などを読むきっかけになったのでよかった。もう一度再読してみようと思う。

  • 良くできた対談集。日本人はキリスト教のことどこまで分かっているのか、少なくともこの本にあるくらいのことは・・

  • イスラム教を発端とする、様々な「問題」を理解するには、結局、グローバルスタンダードになっている西洋に広まっているキリスト教も知っておかないとと思って、手にした本。
    そういえば、高校でミッションスクールに行った時も、世界に出るにはキリスト教を知らないとなんて言っていたけど、高校の宗教ではこんなこと教えてくれなかったな。聖書枕にして寝ていただけだったけど。
    なぜ神に反するような自然科学がキリスト教から生まれたか、なぜ同じ一神教でもイスラム教との違いが生まれたのか。世の中のことを考えるヒントをくれました。

  • 今更読んだ。
    仏教は唯物論というのは納得。宇宙の真理を覚ることが大事であって、神はそれがわかってないから大事じゃない。真理は自分で覚る必要がある。それが今流行りの瞑想ですね。

    あと日本がアミニズムなのは社会の安定と関係があるということ。自然の背景に多数の神がいるというのはある意味伝統的な素朴な認識。それでうまくいかなかった結果(社会が安定せず闘争と混乱がもたらされた)、儒教(政治的リーダーシップの仕組み)、仏教(唯物論的社会認識)、一神教(神々の闘争の勝者としてのヤハウェ)が生まれた。

    これはウェストファリア以降の主権国家体制にも似てると思う。一度闘争を経てルールを決めたという点で。日本はその経験がないから、基本的人権とか他害原理とか馴染みが薄いのかなと思った。

  • キリスト教を通して近代西洋を理解しようという意図の対談。確かに面白い切り口で、最後まで興味深く読めた。
    なんとなくキリスト教というのはロジックの塊で、寸分の隙なく教義が体系化された宗教だと思っていたが、三位一体説を始めとしてかなりユルイ感じの教えであることを初めて知った。
    敢えて触れられなかったのだろうが、キリスト教の教義の本質が書かれていなかったのが残念。これほど多くの人々を魅了する教えの中身が知りたい。”隣人愛”だけでは何のことかさっぱり解らない。

  • 自分がこれまでキリスト教に対して持っている疑問をたくさん取り上げてくれていた。読んでいるうちはフンフンと思ったけど、読み終わってみても不思議なキリスト教の印象は残ったままだった。情報量が多いし、そもそも大きなテーマなので、消化するにはまだまだ時間がかかると思う。
    預言者、救世主、神の子といった区別がこれまで曖昧だったけどこれを読んで理解が深まった。

  • 知らないことが多かったので大変勉強になる。それでもここまで人を惹きつける理由が、まだわからない。。

  • 難解で分かりにくい部分もあったが、ユダヤ教やキリスト教の本質的な部分が何となく理解できたような気がする。
    負け組のいじめられっ子心理が生んだ一神教。自然と人間の調和が生んだ多神教、これが原始的な宗教の形態であり、紛争が起こり、自然や社会が崩壊し、異民族に支配されるなど過酷な運命に翻弄されるなかで、素朴な神々が否定され、絶対的な造物主をいただく一神教が生まれた。日本民族は、このような不幸な目に合うことなく、原始的な宗教形態が温存されたレアな国。
    また、ユダヤ教とキリスト教の違いは、律法を廃棄して愛=「隣人愛」に置き換えたこと。この事が、キリスト教を世界宗教足らしめたのかな。

  • 一般人がキリスト教に持つ疑問、違和感が対話形式で専門家が解説している。ユダヤ教やキリスト教、イスラム教等の一神教は何故、発生したのかの考察は新鮮で興味深い。一言で言えばその民族が経験した過酷な運命が多神を捨てさせる結果になったと。

  • 唯一で全知全能の神は間違わないはずなのに、罪を犯すような不完全な人間を創造してしまう。そんな人間がはびこっているから、洪水で全滅させることにしたのに、義人ノアを見いだして彼らだけは救う。
    そういった不可解なことをいくつも取り上げては、どう考えるべきか解説される。

    第一部のまとめとして、意識レベルの信仰と、態度レベルの信仰という話があった。
    このくだりは、昔大学(ミッション系)できいたキリスト教関連の講義での話を思い出させる。
    講師は宗教学者、というより、神学者で、矛盾に満ちていることは承知の上で、そういうものだ、と受け入れるのが信徒だと言っていたことを思い出した。
    キリスト教は中世の魔女狩りのイメージもあって、科学に反するもののように思われるかもしれないけれど、近代科学が発展した動因は神の意志を明らかにしたいという意志だった、とも、その講義で聞いた。
    態度レベルに浸透したキリスト教的な発想が、世俗社会も含めた見えないシステムになっていくというのは、以前聞いた話とも符合するので受け入れやすかった。

    イエスは、ヨハネ福音書以外では「神の子」とはされていないという話が面白かった。
    その代わりに「人の子」と呼ばれているとのこと。
    「人の子」とは、一人の人間という意味に過ぎないという説がある一方で、メシアと解釈されてもいる。しかし、メシアとはユダヤ人を助け出す軍事的リーダーのことだった、とは。

    扱われる内容が多岐にわたっていて、とても全体を振り返ることができないけれど、そう言うことだったの?と思ったことも多々あった。

  • 「唯一神」教であるキリスト教の日本人では理解しがたい部分がある。

    現代の世界に対する影響など色々な疑問を確認できる本。ただう〜ん、聖書に関する知識が浅すぎるのかな。とくに新約聖書の方はまったく手を出してないからよくわからないことも多かったですね。もう少し読んでみます

  • 近代の根拠は西洋であり、西洋の中核はキリスト教であることはだれも否定できない。
    ユダヤ教では、祭司、預言者、律法学者グループが重要だったが、預言者が消え、神殿崩壊で祭司も消えたあと、律法学者ラビたちが欠かせない存在となった。
    強大なエジプトやアッシリアの神ではなく、弱小ユダヤ国家の崇拝が残ったのは実に興味深い。
    仏教も、この世界を合理的に普遍的に解釈しようとする点では一神教と似ている。
    仏教でも、毘沙門天など神が出てくる。でも彼らはブッダの応援団。ブッダの方が偉いことになっている。
    神々を放逐する点で、一神教と仏教儒教は似ている。
    科学の時代に奇跡を信じるなんて変、と言われるが無理解。一神教で科学の時代だからこそ、奇跡を信じることになる。
    山本七平が捕虜になったとき米軍将校から、進化論を信じているか、現人神を信じているか、と聞かれ、両方イエスと答えたら意味分からん、という感じになった。
    パウロは三位一体なんてややこしいことは考えていなかった。

  • 友人から借りた本。
    全然知らなかったのですが、新書大賞とかとっているそうです。話題の本だったんですね。
    社会学者の2人の対談方式でキリスト教の根っこにある考え方、みたいなテーマに挑んでます。
    聖書を簡単に噛み砕いて説明した本はよくあると思うんですが、日本と比較しながらキリスト教の考え方を説明してる本はあまりない気がします。
    なるほど、と思うところが多かったです。ただ、第一部が面白かったけど、それ以降はちょっと何がなんだかわからなくなってきたかも…
    細かいミスも多いらしく批判が多いそうですが、こういうテーマの本を読者は求めているのだなあ、と思いました。

  • キリスト教とユダヤ教,イスラム教の源流は同じー “唯一神”で形成された社会と日本の社会を比べるには,まず宗教の違いを理解しなければならない。日本人はとかく宗教を避けがちであり無宗教を自負しているが,厳密に無宗教な人はいない。近代日本もキリスト教文化の影響を色濃く受けているので,宗教的な世界観を学ぶ必要がある。 という側面でキリスト教を俯瞰できる書物です。

  • イスラム教やユダヤ教にある、あれを食べちゃいけないとか何曜日は仕事しちゃいけないとかのルール、なんでそんな理由のわからない細かいことをうるさくいうの?と不思議だった。この本を読んで、なるほど!と納得がいった。日本がもし別の国に占領されて、よその土地に移住させられて、それでも日本人であり続け、子孫に日本文化を徹底させるために戒律を作ると…敷居を踏んではいけない、犬を食べてはいけないが鯨は食べてもよい、ニューイヤーには餅を入れたスープを作る等々…非日本人にはわけのわからないルールがたくさんできるんだ。

  • 【目次】
    まえがき(大澤真幸) [003-007]

    第1部 一神教を理解する――起源としてのユダヤ教 
    01 ユダヤ教とキリスト教はどこが違うか
    02 一神教のGodと多神教の神様
    03 ユダヤ教はいかにして成立したか
    04 ユダヤ民族の受難
    05 なぜ、安全を保障してくれない神を信じ続けるのか
    06 律法の果たす役割
    07 原罪とは何か
    08 神に選ばれるということ
    09 全知全能の神がつくった世界に、なぜ悪があるのか
    10 ヨブの運命──信仰とは何か
    11 なぜ偶像を崇拝してはいけないのか
    12 神の姿かたちは人間に似ているか
    13 権力との独特の距離感
    14 預言者とは何者か
    15 奇蹟と科学は矛盾しない
    16 意識レベルの信仰と態度レベルの信仰

    第2部 イエス・キリストとは何か
    01 「ふしぎ」の核心
    02 なぜ福音書が複数あるのか
    03 奇蹟の真相
    04 イエスは神なのか、人なのか
    05 「人の子」の意味
    06 イエスは何の罪で処刑されたか
    07 「神の子」というアイデアはどこから来たか
    08 イエスの活動はユダヤ教の革新だった
    09 キリスト教の終末論
    10 歴史に介入する神
    11 愛と律法の関係
    12 贖罪の理論
    13 イエスは自分が復活することを知っていたか
    14 ユダの裏切り
    15 不可解なたとえ話1 不正な管理人
    16 不可解なたとえ話2 ブドウ園の労働者・放蕩息子・九十九匹と一匹
    17 不可解なたとえ話3 マリアとマルタ・カインとアベル
    18 キリスト教をつくった男・パウロ
    19 初期の教会

    第3部 いかに「西洋」を作ったか 
    01 聖霊とは何か 242
    02 教義は公会議で決まる 248
    03 ローマ・カトリックと東方正教
    04 世俗の権力と宗教的権威の二元化
    05 聖なる言語と布教の関係
    06 イスラム教のほうがリードしていた
    07 ギリシア哲学とキリスト教神学の融合
    08 なぜ神の存在を証明しようとしたか
    09 宗教改革──プロテスタントの登場
    10 予定説と資本主義の奇妙なつながり
    11 利子の解禁
    12 自然科学の誕生
    13 世俗的な価値の起源
    14 芸術への影響
    15 近代哲学者カントに漂うキリスト教の匂い
    16 無神論者は本当に無神論者か?
    17 キリスト教文明のゆくえ

    あとがき(二〇一一年四月二十四日 復活祭の日に 橋爪大三郎) [344-346]
    文献案内 [348-349]

  • キリスト教に限らず、「宗教」として見てしまうと、なんとなく胡散臭さを警戒してしまうが、「宗教学」として見ると、世の中の動きとつながりが見えてきて勉強になる。立法の概念、経済、民主主義、自然科学、芸術、すべてのルーツはキリスト教にあると言われて納得。伝道師パウロがいなかったら、この世の中はどうなってたことか。

  • 2012年4月19日14刷、並、帯無
    2015年9月28日、白子BF

  • 面白かったー。今まで何となく腑に落ちなかった「ふしぎ」に突っ込んだ内容で、読み物として楽しめました。インタビューなので口語だから大変読みやすいですし。
    信仰の心理を理解することは正直難しいけれど、識れたことは大きい。西洋史や近代社会の流れもなぞっていただけて、ほんと面白かったです。

  • 個人的な理解を述べるばかりで、「キリスト教雑学」のムックとかでよいレベルかと。背景そっちのけで教典・経典だけを取り出して、宗教が語れるわけがないし。古典的価値しかないマックス・ヴェーバーをやたら引っ張り出しているのも、「教養」として不誠実。

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