物語論 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881296

作品紹介・あらすじ

物語が紡がれていく過程。17人の創作者が語る。

感想・レビュー・書評

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  • いろんなものづくりの方の生き方がわかった
    わかりやすく、面白かった
    伊坂さんのインタビューが長くてよかった
    テーマにそれぞれ少しズレがあるように感じた

  • 「芸術は、理解されたらおしまいです」「人は不完全だから、物語を摂取して人生をやり直したいんです」・・・様々な分野で活躍する17人が、物語が紡がれていく過程を語る。

  • 小説家、漫画家、映画監督、ヴァイオリン奏者等、数々の仕事人へのインタビュー本。

    作品の裏側を話してくれるものもあり、なかなかに楽しめる。

    ただ、本当に「話したことを書いている」ということなので、それから先、この話をどうするかは読者次第ということだろうか。

  • 物語の世界は驚くような方向から自分を救ってくれる。
    桜庭一樹の物語論はとても面白かった。
    行きていくのはつらく、完全ではない私たちは物語を紡ぐことも感じることを切実に求めている。
    簡単に消化できない言葉にできない思いに言葉を尽くして向き合っていくことの必要性を感じた。

  • 小説家の伊坂幸太郎、漫画家の弘兼憲史、かわぐちかいじの章が興味深かった。

  • 小説 漫画 美術 映画 音楽 といった様々な分野の方々の「物を語ること」に関してのインタビューの並列。各分野の創作者の物語を開発する最中の細かい「隙間」についての生の声が聞ける。
    村上春樹や伊坂幸太郎、漫画家の荒木飛呂彦など豪華17名。

  • 思索
    文学

  •  タイトルだけ見ると文芸評論のようだが、そうではなく、ジャンルを超えた広義のアーティスト17人へのインタビュー集である。

     著者は1977年生まれの(私から見ると)若いライター。ただし、プロフィール欄の肩書きはライターではなく「インタビュアー」となっている。「プロ・インタビュアー」を名乗っているのは吉田豪だが、この著者もインタビュー仕事にアイデンティティーを見出しているらしい。池谷裕二・糸井重里の『海馬』や、『ピーコ伝』などを構成した人なのだな。

     インタビューイとして登場するのは、村上春樹、島田雅彦、伊坂幸太郎、重松清、弘兼憲史、橋本治、かわぐちかいじ、荒木飛呂彦、桜庭一樹、是枝裕和、諏訪内晶子、根岸孝旨、渋谷陽一などなど……。

     小説家・マンガ家・映画監督あたりまではまあいいとしても、演奏家や音楽プロデューサー、現代美術家、編集者、ウェブ・デザイナーまでを「物語論」という枠組みでくくるのは無理やりすぎ。どうせなら、小説家へのインタビューだけ集めて1冊にすればよかったのに。

     インタビューは玉石混淆。というか、私自身が興味がない人へのインタビューは、当然ながら総じて面白く感じられない。伊坂幸太郎へのインタビューが突出して長いのだが、私がこの人に興味ない(作品を読んだことがない)せいか、ひたすら冗長に思えた。
     逆に、根岸孝旨へのインタビューは、Coccoとの共同作業について語ったくだりが個人的にたいへん興味深かった。

     意外にも、いちばん面白く読めたのはかわぐちかいじへのインタビュー。かわぐち個人の方法論を語ったものであると同時に、マンガという表現の特質を鮮やかに抽出した秀逸なマンガ論にもなっている。

     その他、印象に残った言葉を3つほどピックアップ。

    《そもそも小説を書くということは、過去を参照して独自の現状分析を加味しながら、五年後や十年後の世界を提示することに近いんですよ(島田雅彦)》

    《僕は「持って行き場のない思いの、その持って行き場のなさ」を書きたいのかもしれません。持って行き場を置いてしまうと、それこそ解決させるための、許してもらう一瞬のための物語になってしまう(重松清)》

    《批評を正当な理解だなんて思ってしまったら芸術は終わりなんじゃないのかな。ですから私は、理解されかけたと思ったら、もっと煙に巻く構造を持った作品を手がけています。「理解される」とは「底が見える」でもありますので。
     芸術は「ここには何かがありそう」というその何かをできるだけ遠くまでつなげて味わうもので、完全に説明できてはミもフタもないでしょう?(杉本博司)》

  • 様々なコンテンツクリエーターへのインタビューをまとめた一冊。

    個人的に村上春樹さんのインタビューが読みたかったので購入。その他の小説家や漫画家さんのインタビューも楽しめた。

    やはり、それぞれにスタンスがあり、それによって表現方法が変わってくる。そのスタンスが良いか悪いか、ということではなく、スタンスがあるのかないのか、というのが大切なんだろうな、という気がする。

  • インタビュアーである著者が、村上春樹、島田雅彦、伊坂幸太郎、重松清、弘兼憲史、かわぐちかいじ、荒木飛呂彦、杉本博司といった17人の創作者へのインタビュー記事をまとめた作品。
    作家だけでなく、美術家やウェブデザイナーといった幅広いジャンルの人も登場します。
    さまざまな雑誌媒体に掲載したインタビューが一挙にまとめられ、それぞれの「物語論」が語られています。

    様々なジャンルで活躍する人々が、心中に抱く創作への考えが語られます。
    実力のあるプロフェッショナルな人々でも、現代を意識し、社会的な雰囲気を織り込みながら「物語」を創造していくことの大変さからは逃れられないことが見て取れます。

    タイトルから、物語の構造について書かれた本かと思いましたが、実際の内容は、著者のインタビューによって相手が語る物語の創作姿勢やその方法というところ。
    それぞれに個性的なインタビューをおもしろく読みましたが、本のタイトルから連想される中身と実際の内容は、少し違うものになっています。

    それでも、最後の伊坂幸太郎氏へのインタビューは、最も物語論的な内容となっており、文学作品とエンターテインメント小説の差がわかりました。

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著者プロフィール

明治大学公共政策大学院教授
東京大学法学部卒業。一橋大学博士(法学)
行政法及び地方行政論を専攻。総務省に入省し,内閣官房参事官(国民保護法担当),総務省大臣官房参事官(財政担当),一橋大学教授等を経て,現在に至る。

「2023年 『パンデミックと行政法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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