- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062881555
感想・レビュー・書評
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路上生活者が体現する世界の在り方を称賛しながら、一方で路上生活者がいること自体が生存権が守られておらず憲法違反だと主張している。こんな感じの細かいロジカルのズレを気にせず読み進められれば、著者の世界の捉え方・動かし方に新鮮さを感じ、自分の暮らし方を見つめ直すきっかけになるような内容。私はとりあえず中古キャンピングカーの値段を検索し、なんだどこでも生きられるじゃないかとだけ思い、安心して元の日常に戻った。
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全てが正しいとは思わないが、面白い考え方だと思いました。
勉強になりました。 -
大人が子供力を存分に発揮するとこんな事ができるのかと。ほんと天才だな。
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社会という匿名レイヤーと迎合せず、
自己レイヤーを研鑽し、バランスをとって「生きて」いく。
「生きる」芸術家の思考技術を記録し贈与した作品。
プラトン、カント、サルトル、
レヴィ=ストロース、デリタ、
コンセプチュアルアート、デュシャンなどの
様々な思想の香りも感じた書籍だった。 -
断定することは大事。そこで責任を取ることで、失敗したかどうかがはっきりする。
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独立国家のつくりかた
坂口恭平が述べることの多くは、価値観のシフトに関するものだ。
だから、率直に言うと僕が彼の著作を最初に読んだ感想は
「それは単なる言葉遊びだ。本当に悩んでいる人間をこうした言葉で煙に巻くのは不誠実だ。」というものだった。
だが、前段は今でも変わらないが、後段については後に認識を改めた。
少なくとも彼は、世界に対する疑問を持ちながらオルタナティブに生きてるクリエーターであり、躁鬱病の当事者である。そうした意味で、彼がしているのは誠実な言葉遊びである。
それは確かに多くの気づきを与えてくれる
ボラティリティと摩擦への敏感さ
例えば、坂口は「ギターを持って路上で弾き語りをしたら1日で1万円稼げた。これで僕は一生飢え死にしない。」という。
それに対して「そんなボラティリティが高い生き方はいかん。稼げなくなったらどうする。」と水を差すのが大人だ。このリスク回避的姿勢は人間の本能に根ざしたものなので馬鹿にするべきではない。だが、会社勤めでもボラティリティからは解放されない。また、ボラティリティ回避のための解雇規制ゆえの矛盾で疲弊する人もいる。
ボラティリティと摩擦による疲弊に対する感度が人によって異なる。他者の感度とそれゆえに構築された制度や仕組みの体系がある。これもまた著者の言う「レイヤー」の一つだろう。
キーワード
ホームレスのダンボールハウスは「寝室」にすぎない
別のレイヤーに気づかないと、その実態がわからない。
法律も多層的だ。
生活費がゼロになれば労働に縛られることはない。自分で人生を選ぶことができる。
私人が土地を所有することは適当なのか、家賃を取るとしてももっとパブリックな主体であるべきではないか。
常識とは文句を言われないようにするおまじない。考える事をやめさせる。
基礎を打つと面積がはっきりする。登記と課税の基準になる。法隆寺には基礎がない。
社会を変える=他人の領域を侵すことではなく、レイヤーを広げる -
相変わらずやばい!笑 僕も「モバイル茶室」ほしくなってきた。作ってもらおうかな。
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第一章はホームレスの話。
第二章は土地の話。
第三章は態度経済の話。(筆者の半生)
第四章は躁鬱病の話。(筆者の半生)
態度経済なる考え方や筆者の行動は面白いのだが、
あれ?独立国家ってそういうことなのね。
タイトル詐欺というか、誇大広告な感じが残念。 -
ちょっと違ったものの見方ができるようになる
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ゼロ円で生活できる社会を目指して新政府を作ったお話。
荒唐無稽というわけではなくて、「新政府」というのも概念上の呼び名なので危ない人というわけではなかった。
既存の匿名のレイヤー(価値観)にとらわれすぎず、それぞれが名前を出して多様なレイヤー(価値観)で活動していけば良いというスタンス。
実際の活動はとても面白い。