自己愛な人たち (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881609

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから察しは着くが、本書に「自己愛」について真面目な提言を期待して読むとエラい目に遭う。
    この春日武彦さんという精神科医の方も相当自己愛を持て甘ているようだし、こんなにドライに患者を見ていたり、芸術や小説をそんな見方で見るのか、人をこんな風にパーソナリティ障害でもどんなタイプに分類されるか等と見ているのか、などとなかば呆れたり、最後の方のどぎつい表現には思わず吹き出してしまった。
    これくらいでないと精神科医などやってられないのかな。

  • エッセイ風。
    紹介事例は興味深く読める箇所もありますが、小説などの創作物が紹介されていくことも多く、筆者の自己愛の方が仄見える印象です。

    あまり面白い本とは思えませんでした。

  • 本文中で紹介されている事例に、これって僕のことを言っているのか?と思うようなものが結構あって、なかなかマゾヒスティックな楽しみを味わえた。自己愛は、良い方に働けば自己肯定感に繋がるが、悪い方に働けば自己中心性や傲慢さに繋がる、というのはその通りだと思う。そして、自分も含めて、現代社会は過敏性自己愛が多いっていうことも。
    ただ、事例として、現実に起きた事件と小説を並べて挙げるのはどうなのかとは思った。

  • 基本的には、エッセイ。
    書いてるのが精神科医なんでそれなりに分析とかは入っているが、根拠はあんまりない。あるんだろうが出て来ない。
    本人も自己愛の強い方とお見受けする。
    誇大型と、過敏型があるってのはなるほどと思う。
    読み飛ばし。
    読んでてグイグイという感じはしない。

  • エッセイ風で個人的には信憑性に欠くような印象をもってしまう。

    新型うつに懐疑的?新型うつの人も読む可能性あるならちょっと不用意なんじゃないかなと思ってしまった。

    池袋図書館145カ

  • 新型うつ病と称されるものは、うつ症状を示すことは確かだけれども抗うつ薬にはほとんど反応しない。過敏型自己愛者は、要するに理屈っぽいのである。深読みをし、邪推を師、勝手に拗ねたり僻んだりする。もともと自滅傾向のベクトルを備えており、また彼らにとって最大の苦手は不条理な出来事である。「なぜ、わたしばかりがこんな目に」「何も悪いことなんかしてないのに」といった発想がすぐに生じる。自分は嫌われている、運命から見放されている、生まれてくるべきではなかった存在だ、などと話がエスカレートしやすい。その挙句が、うつモードということになる。新型うつ病には薬よりもカウンセリング的な対応のほうが重要なのは、言葉の問題が大きく関わっているからでもある。

    引きこもる
    退屈を感じるためには、時間が流れている必要がある。時間「だけ」が無情に流れていき、いっぽう自分は虚しく置き去りにされているといった不全感こそが退屈の根底にある。物理的には常に時間は流れ続けているはずだけれど、感覚的に全ての時間が停滞しているのが引きもこもりだろう。彼らには時間の流れが実感されていない。だから、退屈をはっきり意識することがない。尋ねられても曖昧な返答しかできないことになる。

  • いますよね。まわりにも、自分の中にも。これくらいドライじゃないと精神科医なんてやっていけないと思う。文学作品の中にもいっぱいいるんだね(笑)。

  • もう少し世間的なボーダーケースの症例と対処法を期待していた。マスコミや、政治などに例をとるのも良いだろう。代わるものは小説の、多くは短編から引かれている。ブックレビューのようで、興味がわかなくもないが、求めているものはノンフィクションであり、日本での現在の生活の上での事だ。この人の文章は綺麗で、読みやすいだけに内容をもう少し踏み込んで欲しいものだ。

  • 共感できる箇所も多かったけど、この人がひねくれすぎなのでは…と思うこともしばしば

    まあこういう人たちも一定数存在してないと社会まわらないですよね

  • 2012年の夏休み、京都の恵文社で買った本。


    自分自身や他人に潜んでいたり、潜みきれていなかったり
    出てきてしまったり、思わず出してしまったり、あえて出してしまったりするもの。
    そんな自己愛とは、どんなものなのかを知りたくて、買って読んだ本。

    自己愛について、淡々と書き連なる文章は読みやすかった。
    公平で偏りのあまり感じられない、純粋なレポートのような特徴が強い。

    しかし、純粋なレポートほど、純粋な事実を述べている。
    ということは、自己愛の恐ろしくも奥深い面を思い知らされる本、ということでもあった。

    すらすらと読んだけど、もう何度か読み、反芻したい内容だと思った。
    この本は、自己愛に対する解決策や対抗策を、あまり論じてはいない。
    むしろ、人は一生、その自己愛に苦心するだろう、ということさえ
    示唆されているように思った。人が人である限りは、仕方ないのかも。

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著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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