学び続ける力 (講談社現代新書)

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著者 : 池上彰
  • 講談社 (2013年1月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881883

学び続ける力 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • システムに乗っかっていると、「なぜ自分はこれをしているのか」という疑問さえ生まれない、ある意味では平和な精神状態が揺蕩う。

    考えなくとも、責めなくとも、ただあるがままの事態に身体を委ね、思考を浸していることは、ラクだ。

    けれど、そのことに虚しさを感じる時があるのなら、こういう本を読んで勇気を持てば良いと思う。

    東日本大震災の際、原発に関する専門的知見が、一般大衆には分かりにくい、不安を拭えないものであったという指摘は、以前にも誰かの本に書いてあり、多くの人はそう感じていたことを知った。
    専門外の人に対しても、分かりやすく説明する使命を池上さんは感じたようだけど、受け取る側にも一定の姿勢が必要だと思う。

    それが、この本にもある、謙虚さや批判だ。
    この二つは真反対のことのようで、受け取り方と、受け取ってからの調理の仕方という一連の流れでもある。

    謙虚に受けとめたからといって、いつもそのまま吞み下す必要はない。
    また、的確な批判は、ていねいな聞き取りから始まるように思う。

    話をする立場の人間から感心させられたことは、学生にどう話すかのくだりだ。

    時代の空気感を伝えられるように。
    見えない感覚を言葉で表現できるように。
    その場の雰囲気から、話題を変えられるように。
    より具体的な内容の話を交わすことで、相手からも具体的な内容の返答を得られる。
    など。あ、これは考えに入れておきたいな、と感じるコツが幾つもあった。

    何のために学ぶか、という問いに真正面から向き合っている人はどのくらいいるのだろう。
    全ての国民が、義務としての教育を受けながら、学びのシステムの中で、満たされているのだろうか。
    空虚さを感じてはいないだろうか。

    システムとしての教育に満足出来るのであれば、その人にとって教養は意味を持たないものだと、私は思う。
    ならばなぜ学ぶのか、を自分の内側に当てた時に、世の中にある目もくれなかったものに、光が当たるのかもしれない。

  • 池上彰さんの経験を踏まえて、学び続けることの意味を伝えてくださる1冊です。
    東京工業大学のリベラルアーツセンターで教壇に立つ中で感じたことや、これまでの読書経験の中で培ってきたことが、わかりやすい言葉で書かれています。

    印象的だったのは、池上さんの好奇心の強さです。
    知りたい!学びたい!という気持ちの塊のような人なのだということが伝わってきます。
    池上さんに敵わないのは百も承知ですが、何歳になっても知りたい気持ちを持ち続けたいなぁと思います。

    今の池上さんがあるのは、お父様の影響が大きいのだということがわかりました。
    米寿を過ぎ、寝たきりになってからの愛読書が『広辞苑』だったというお父様…すごい!

    ショーペンハウエルの『読書について』で、私自身も頭をガツンとやられた経験があったので、池上さんに共感できたことがちょっと嬉しかったです。

  • 読書とは、作者の思考をなぞる。それだけだ。だからこそ、読書の後には自分なりの思索、思考をしなければならない。ショーペンハウエルの言葉は目から鱗が、落ちた。知識は読書からしか得られないが、読書は賢くすることはできない。非常に耳が痛い言葉だ。

  • 著者の本は様々な観点から物事を捉えて、それをわかりやすく丁寧な解説をしているので、これまでいろいろ読んできました。
    しかし、この本は具体的な方法論ではなく、学ぶことの意味を考えさせてくれるものでした。
    『すぐ役立つことは、すぐ役に立たなくなる。すぐ役に立たないことは、ずっと役に立つ。』
    社会に直結した専門的知識を養うのも勉強ですが、今後は様々な状況でも対応できる教養も身に付けたいと思います。

  • 本来は息子の課題図書として購入。折角なので読みました。思えば池上さんの単独著書は初めて。非常に平易な文章でありながらハッとさせられたり、ドキッとさせられる内容。あくまで教育論、勉強論でありビジネス書ではないが、とても大切な話。テレビの世界で仕事をされておられた氏らしい思考のビジュアル化の話は腑に落ちる。そして疑ってかかれと仰る(笑)腑に落ちるだけだとアカンねやな。これだけ平易でありながら含蓄のある文が書ける文章力は流石。息子にはもう少しマシな書評を書いてもらいたいと切に願う。どの書評かは……バレバレかも。

  • 池上彰は、週間こどもニュース時代から拝見していた。しかし、一時期からテレビのバラエティに多数出演するようになり敬遠していた。

    この本には「学び続ける」ことの意義や方法、教養とは何なのかといったことが、著者のこれまでの人生をベースに丁寧に書かれている。
    この本はハウツー本であると同時に、著者の自伝でもあるのだろう。

    本全体から一貫して感じられるのは、著者の学ぶこと・伝えることに対する真摯な姿勢。
    書かれた内容だけでなく、頭にスッと入ってくる文の読みやすさからも、そのことがうかがえる。
    (スルスル読めるので、一晩で読了した)

    沢山の人に、わかりやすく、様々な知識を伝えたい。そのための努力の延長線上にバラエティを手段として用いる選択をしたのだろう。
    私にとっては、知識教養を身につけることが出来た上で、著者の背景を知ることが出来たという面で、とても価値のある一冊だった。

  • 大学入学して2ヶ月近く経ったが、ちょうど今この本を読むことができて非常に良かったと感じる。これからの4年間の学びに生かしていきたい。
    また、池上彰氏の文章の読みやすさに驚いた。

  • 「教養とはリベラルアーツのこと。そしてリベラルアーツとは、さまざまな枠組みから自由になること」だと池上彰は言う。

    さらに、少し意地悪なのだが、「その枠組みとは何か、といえば・・・それを考えるのが教養の第一歩」なのだと続ける。

    もっとも恐れるべきは、なんの客観性や実証性に基づかない反知性主義である。人間社会の歴史の中で反知性主義ほど人間に大きな災厄をもたらしたものはないだろう。「時代の空気に流されずに本当のことを見極める力」こそが知性主義である。そしてこの知性主義を作り上げるものが教養であり、リベラルアーツなのである。

    学生運動で世の中が騒がしい中でも、ひとり黙々と大学の図書館で勉強したというストイックな姿勢。そして50代半ばにして文筆業という新しい世界に飛び込んだ勇気。池上彰という男の生きざまに敬意を表したい。

  • 著者の長年の疑問「教養とは何だろう」を、東工大教授としての経験を踏まえ、「学び続ける力」と絡めて著した本。「教養」や「大学で身に付けるべき力」について、著者の卓見がちりばめられている。
    ただ著者がいう、教養(culture)=リベラル・アーツ(Liberal Arts)には、若干疑問符が付く。しかし、リベラル・アーツが、自ら自由(Liberal)に問題を設定して新しい解を探していく技法(Arts)を意味し、その力を身につけて、市民自らの責任で積極的に社会に関わること(engagement)が、教養であると定義するならば、リベラルアーツと教養は不可分の関係にあると言える。ただ、本書は、いわゆる「教養論」をテーマにしたものではない(著者も認めている)。あくまでも読書を通して学び続けることの意味や楽しさを説いたものである。
    大切な点は、読書だけではだめだということで、「読んだことを後でさらに自分で考えてみなければ、(略)多くは失われてしまう」ということだろう。つまり、読書→自分で考える→行動すること。このプロセスが、社会の中で発揮できる力となり、「より良く生きること」に繋がれば、それこそが現代版「教養」であり、「学び続ける力」に繋がると著者は言う。示唆に富んだ著書である。

  • 池上さんがどうやって学び続けてきたのか、東工大で教えるにあたって、何を感じたか等が書いてあった。
    大人になっても学び続けることは大切だなっと感じた。

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学び続ける力 (講談社現代新書)の作品紹介

初めて語った、父の背中に学んだこと。記者時代、コツコツ独学したこと。そして、いま大学で一般教養を教える立場になって考えること。いまの時代に自分らしく生きるための「学び」について考えるエッセイ。

学び続ける力 (講談社現代新書)のKindle版

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