大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち (講談社現代新書)

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著者 : 池上正樹
  • 講談社 (2014年10月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882866

大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • ひきこもりは簡単なきっかけで起こり得るということ、ひきこもりが発達障害から来ている場合もあること、逆にひきこもりが新たな障害や病気を作っている場合もあること、対人関係・就職問題・貧困など様々な社会上の問題をたくさん抱えざるを得ない状況に置かれてしまうこと、などわかりきっていることから意外と知らなかったり、見落としがちだったりすることまで網羅されていると思います。

    ハローワークの話はちょっと衝撃でした。
    「ハローワークは何度も行くと大抵『こいつ前にここで会ってる』ってヤツに出くわす。何年経っても何回も出くわしてお互いに心の中で『ああ、こいつもまた仕事だめだったんだな』って思いあってるのがわかる。職員も同じヤツがいて行くと覚えられてて、言われなくても『こいつまた来た』と思われてるのがわかる。だからハローワークになんか行きたくない」と当事者から聞いたことがあり、その時はそんなこと言っている場合かと思いましたが、今になると心が折れるんだろうなと思います。ただでさえ対人関係が苦手な人が多いだろうと思われますし。

    後半、医療の話がかなりでてきますが、自閉症に関わる治療についての話がちょっとひきこもりの本質の話からそれているのではと思いました。そういう場合もあるのでしょうがそこで具体的な薬の名前を出して語るほどひきこもり全体に関わっている病態とは思えませんし、ひきこもりと自閉症は一緒には語れないと思います。
    字面から同じようなものと世間では思っている人もまだかなり多く、ここで一緒に語ってしまえば余計に誤解が増すだけなのでは、と懸念しました。
    ひきこもりとの関わりで語るとしたら、広汎性発達障害までではないかな、と思いました。

    しかし緘黙という言葉を知らなかったので、「アレはそういう状態なのか」と今まで疑問に思っていた状態に名前がついたのは収穫でした。名前がつくことで出来る対策や打開策が出る場合もあります。

    解決に向けての現在の活動の状況などが最後のほうに書かれています。正直「現実的だろうか」と思うことも多々でてきますが、それでも出来るのならば一つのきっかけですから、やらないよりはやったほうがいいのかもしれない、と思いました。
    私からすると都会の話であり、地方ではまだひきこもりは「掘り起こされていない」と最終章を読むと実感させられます。

  • 生活保護受給、障害年金受給者に対して若干攻撃性のある記載がされているように感じる。

    242ページで、実家を出ないと世帯分離はできないと書いてあるが、実家を出なくても住民票の世帯分離はできる(生保受給家庭で子どもが大学に進学する場合は、世帯分離をして親のみ生保受給、子どもはアルバイトをしながら自分で全額学費と生活費を稼ぎ大学に通うということは可能)。「対象は世帯主に限られる」のが要件であれば、同居していても世帯分離をすれば貸付制度は受けられることになる(ただ実際のところ、社会福祉協議会がどのような裁量の元で実際の事務をしているかは知らない)。

    「世帯分離は実家を出なければならない」という誤った記載が世の中に拡散され、それで「自分は条件に当てはまらないからできないんだ」と思ってしまう人たち、実際同居しながら世帯分離をしている人たちに対して「不正だ!」という目で見る人たちが潜在的に増えてしまうのであれば、それは大いに問題があることだと思う。

  • タイトルはキャッチーだが、「引きこもり」というカテゴリーにあらゆる社会問題をぶち込んでいる印象。ちょっと乱暴な気がする。

  • ひきこもる理由をしごとのせいにしている。
    ほんとはちがう。

  • 新卒就職で非正規。成果主義やブラック企業、うつやいじめではじき出される。生保や福祉からは相手にされず。介護離職。発達障害、不安症、不登校。これ以上傷つけられたくないし、傷つけたくない、他人に迷惑をかけたくない人たち。

    仕事・学校、買い物など、生活のための最低限の外出、それ以外に行く場所を持っている人って実は幸運なのかも。

  • 職も金も無ければ引きこもるしかねえだろ!
    自己責任という日本人の大好きな思想と年齢差別が引きこもりを助長している気がする。

  • 引きこもりとニートは違う

    ブラックお金のカラクリ
    通常 売り上げ-経費(給料)=利益
    ブラ 売り上げ-利益=経費

    つまり利益先に決められていて、経費は二の次
    内部留保に関係してくる

    役所のの流れ
    自助⇒共助⇒公助になる

    迷惑をかけるなという日本の家意識、根幹にあるもの
    恥の文化からも起因しておる


    内閣府が出した2010の実態調査
    引きこもり70万人潜在群155万人
    *あくまで39歳までの踏査結果

    都道府県の割合でみると40歳以上の中年の人数が多い

    FSの考え方は面白い(北欧生まれのフューチャーセッション)

  •  日経ビジネス・オンラインに連載されていた『「引きこもり」するオトナたち』がベースになっている。そのため内容としてはあまり新鮮味がなかった(タイトルで気づくべきだったけれど。)
     成人の引きこもりが抱える問題点について、主に労働面、医療面、経済面から語られている。が、やはりそれでも「取材対象となるに足るだけの話ができる人」が中心となっているからこそ、副題が『本当は「外に出る理由」を探している人たち」になるのだろう。
     実際にこういう人間を間近に見てきた立場から言うと、問題はもっともっと深い。医療の部分で指摘されているように、ある種の発達障害が潜んでいる場合もあるだろう(が、当事者の世代からするとそれを発見する手段はなかった。)あるいは過度の甘やかしによる依存傾向の強化、よく指摘されることだけれど母子共依存状態など、本人だけの問題ではない部分が遥かに大きいのではないかと思う。
     かと言って数十年を遡って解決できるわけでもない。できるのは、既にもう再起不能になってしまっている家族が自らを曝して他山の石となることしかないのでは、と思う。

  • S493.7-ゲン-2286 300386760
    (講談社現代新書 2286)

  • いま元気に働いていても、ちょっとしたことで働けなくなる。全く他人事でないことを痛感させられる。

  • 働きたくないのがニート。働きたくても働けないのが引きこもり。引きこもりの推定数は全国で325万人。うち40代以上が100万人。ただし、国の定義では40歳以上は引きこもりにカウントされないので支援もない。病気で働けない人もいるが、仕事は年齢的にシャットアウトされるので、40代以上は益々苦しくなり、今後スライドするに従って数も増えていく。最大の問題は生活費欠乏による貧困。親が面倒見ている場合が多いが、高齢で限界に近い。等々様々な問題提起はあるが、解決策としては草の根的な事例紹介のみで非常に弱い。政策・政治面での解決が必要なんだろうけど、非常に難しい問題である。結局は親が背負い込むしかないのかな?という気はするが、問題はその親が死んだ時で、そのうち問題が爆発する懸念もある。引きこもりかそうでないかは紙一重で、ちょっとした弾みで誰もが直面する問題だと思う。

  • 大人のひきこもりは貧困問題でもある。仕事が長続きしない、引きこもって仕事が出来ない。生活保護の申請にも行けない。どうして生きていけばいいのか!
    筆者はこう結論で書いている
    「ありとあらゆる社会の設計に歪みが生じている。非正規の公務員や教員からも窮状を訴えるメールが届き、弱者は”ひきこもり”だけにとどまらない。
    これから必要なのは”支援ではない。それは時代状況に合わなくなって空洞化してしまったこの国の設計を、すべての傷ついた当事者たちに声をかけながら、みんなで一緒に作り直していく作業なのではないか」

  • ひきこもりの高年齢化という事態に対して、縦割り式の硬直した日本の社会保障はなんら対応しきれていない。

    最近ではひきこもりの当事者からの自発的行動により、新たな活動が模索されつつある。

  •  四十歳以上の、公的支援を受けられないひきこもりは推定100万人以上、という衝撃的な予測で始められた本書は、高齢化していくひきこもりの現状について、その分析と、いま現在取られている対策とを広く紹介したものである。
     最新の内容を含んだ新書であり、この本は早く読んだ方がいい。情報は古くなればなっただけ価値を失う。これだけの内容が古びてしまうのは、それだけで大変惜しいものだ。
     個別事例も多く含まれているため、古びてからも読む価値がない内容ではないのだが、ひきこもり対策の現状について現場の動きが読めるのは、大変価値ある内容である。

     個人的には、大変心を揺り動かされた一冊だった。現状の苦しさ、難しさを改めて見せつけられ、解決されない問題について、考えさせられる。
     新書とはこうしたものであるべきだろう。なんの衒いもなく、星五つである。

  • 2014年10月発行。
    自分のことだと思い読みました。苦笑。

    先日読んだ「反貧困」にも通じる内容でした。
    少し違う視点としてこの本は40代や50代のひきこもりが相当数いることを強調している点です。

    後半からは、ひきこもりの人たちが、社会の輪に入りやすいコミュニティーや施設、大学の話が出てきます。

    僕自身、仕事柄ひきこもりみたいなものなので人ごとではなく読めました。

    自己責任という言葉。他人に迷惑をかけないという美徳。こういう考え方が当事者にとって社会に出る際に大きな足かせとなっているのは間違いないなと感じます。

    自分の仕事を考えてみると、
    ここ最近は、もっと社会に役立つ仕事をしたいなぁと思うようになってます。

  • ひきこもりの問題を長年にわたり取材しているジャーナリストによる本です。

    まずはタイトルに暗示されているひきこもりの「高齢化」について実態が明らかにされます。続いてひきこもりを取り巻く現在の状況が検討されたのち、社会復帰に向けた最新の取り組みが紹介されるという流れ。

    わたし自身にとっても、決して他人事とは思えないテーマです。ひきこもりというと、部屋に閉じこもったままで全く就労経験のない若者という人物像を思い浮かべてしまいますが、実際には本書で描かれているように、ひきこもりの多くが、「普通に働いていたにもかかわらずちょっとしたきっかけでレールを外れてしまった人たち」であることが分かります。

    本書の特徴は、ひきこもり支援の現状を取材した第3章にあると思われます。高齢化するひきこもりの悲惨な状況をただ訴えているわけではなく、どうにかしないといけないという周囲や当事者の地道な努力を伝えています。

  • そこまで核心に迫った本! という感じはしなかったですかねぇ…まあ、大人にも色々な理由があり、引きこもるんだナー、みたいな感慨は持ちましたが…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、でも、なんつーかこうして本になるくらいだから、世の中にはこうしたヒキコモリと呼ばれる方たちがたくさんいるんだな、と…まあ、僕もどちらかと言えばヒキコモリ側の人間と言いますか、彼らの言い分も決して分からないわけではないのですけれども…

    ま、なんとかして社会に出てこられるよう努力してほしいですねっ! ←え?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • ニートとひきこもりは違う。
    働きたくても働けない人がとても増えているようです。

  • 前作から間をおかず、数多くの取材レポートを掲載。スピードすごいですね。もはやひきこもりとは「不登校の延長」だけではないし「個人の問題」でもない、どころかその要因は多様化を極めている……。後半には未来志向で行われる取り組みも紹介されており、フューチャーセッションは私も見たことがあって医療系の取り組みともどもユニークかつ有効だと思うのですが、何分負の部分が大きすぎて、まだまだそこに抗えないという暗い気持ちに至るのも事実です。それでも、できることを少しでも進めるしかない。歯がゆいですが。

  • 他人事では済まされない危機感と他者への優しさを再認識させる本である。
    ヒキコモリは他人事ではない。調査はあてにならない。40代以上が把握の対象になっていないからである。社会との関係を絶ってしまっているし、光も当たっていないようだ。それ故根深い。
    原因の言及もあるが、銀の弾は無い。風邪をひいたからといって薬を飲むが特効薬ははいのと一緒である。唯一のカギは、身の廻りの人と関係を続けていくこと。配偶者や子供だけでなく、同じ志の同年代、世代を超えた関係を常に持ち続けることが大事である。
    当事者がイチバン辛いのだろうが、自らの殻を破る事が大事である。ある医者は「歩くとこ」が大事だと言っていた。もともと動物は動き続けること=生きることであり、カラダとココロに負荷がかかり続けることで、成り立っている。ヒキコモリはそういう意味でのバランスを崩している。
    具合悪いから動けない、動かないから具合が悪くなる。悪魔のサイクルから抜け出すキッカケは大事である。

  • ひきこもりも自己責任では解決できない。
    40代のひきこもりがいちばん立ち直りにくくて、ハロワからも阻害されるのはつらいなあ、、
    元気がない人が侮辱的な探りを入れられたら、もうそれだけで死を招くのに
    承認欲求を満たしてくれる、自分を肯定できる仕掛けをもっと作れると、ひきこもり予備軍も幸せになれるよねぇ。
    助けて、を言える世の中に。
    助けて、を受け止められる世の中にしよう。
    情けは人のためならず。
    この場合の情けは同情とかかわいそうとかじゃないことはお忘れなきよう

  • 大人の引きこもり、理解できる。
    私もしごとがなかったら、引きこもっている。
    外との接点なんて仕事だけだから。しかも私の仕事は社会、国家に大きな影響を与えるけど、自分の小ささとそのギャップに時々悩み、ひきこもりたくなる。引きこもりの大人のみなさんとは本当に紙一重。決して他人事ではない。

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大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち (講談社現代新書)の作品紹介

40歳以上のひきこもり+潜在群は推定100万人もいる。

このままでは、老後の蓄えがなく頼りの年金さえ受け取ることができず、

いずれ「老後破産」せざるをえない人が激増する可能性が高い。

どうすれば、日本に潜むこの大問題を解決できるのか。

答えのない問題が山積する時代。その答えをみんなが求めている。

しかし、専門家任せ、他人任せでは、なかなか解決できない。

支援の仕組みも、ミスマッチが起きている。

その答えを持っているのは、当事者たちである。

周囲の人たちは「上から目線」をやめて、

当事者たちの「声なき声」に、そっと耳を傾けるしかない。

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親も子も、どうすればいいのか、誰に相談すればいいのかわからず、

気持ちばかりが焦ってしまう。

ハローワークを訪ねてみても、同じ求人がグルグル回る「カラ求人」や、

非現実的な「神様スペック」を求める企業が少なくない。

そうこうしているうちに、時間だけが過ぎていき、

やがて家族ごと地域の中に埋没してしまう――。

ひきこもりが「長期化」「潜在化」する背景と、

外に出るための新たな取り組みを探った。

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【おもな内容】
第1章 ひきこもりにまつわる誤解と偏見を解く
 1 データが物語る「高齢化」
 2 ひきこもりの「潜在化」
 3 ひきこもる女性たち「それぞれの理由」
第2章 ひきこもりの背景を探る
 1 「立ち直り」を阻害するもの
 2 「迷惑をかけたくない」という美徳
 3 「家の恥」という意識
 4 医学的見地からの原因分析
第3章 ひきこもる人々は「外に出る理由」を探している
 1 訪問治療と「藤里方式」という新たな模索
 2 親子の相互不信を解消させたフューチャーセッション
 3 ひきこもり大学の開校
 4 外に出るための第一歩――経済問題

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