「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)

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著者 : 酒井崇男
  • 講談社 (2015年2月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883030

「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • 企業の人材戦略論。「選りすぐりの人が集まる成果の出ない組織」を問題意識として「知識を利益につなげる」ための人材論、組織論である。

    話はそれるが、以前テレビで、限りなく真球に近い金属球の製作技術を競うという番組があった。斜面のレール上でどれだけ長い距離を転がすことができるか、ドイツの有名企業に挑む日本の中小企業の技術者たち、といった番組運びだった。
    最新の製造装置で製作するドイツ企業に対し、日本の会社は手作りともいえるその卓越した職人技で対抗していく…。
    結果。日本の小さな会社はその職人技でドイツの有名企業に勝ったのだった。
    そしてこの手の番組のご多分に漏れず、最後は日本の技術力の高さを賛美して番組は終わった。

    ただ現実にはこのドイツの企業はこうした技術を用いた製品を世界中から大量に受注し、生産し、販売している。些少な精度の差はともかく要求される一定の精度の製品を安定した生産ラインで早く大量に生産できることが世の中には必要とされているのだ。
    かたや日本の会社は勝負に勝つには勝ったが、このような手間暇をかけた技術をどれだけ商売に、儲けに繋げているのだろう。
    この会社がどうかはわからない。しかしいかに技術力が素晴らしくとも、「こんなのが作れました」だけでは儲けにはならないのだ。

    この本は「選りすぐりの人が集まる成果の出ない組織」に陥りがちな日本の企業のための人材戦略論である。

  • 第1章しか読んでいないが、根本的な思想が全然合わなかったため、途中で読むのを辞めてしまった。

  • 財務諸表に表されない情報資産に焦点をあてたユニークな経営論だなと感じました。
    「設計情報転写論」(東大 藤本教授 発)をベースに、有形の製品は図面、無形のサービスはその仕組み・プロセスを創造物である「設計情報」と捉え、それらを媒体に転写する能力で利益を上げるという論です。
    中でも重要なのは、源流に位置し創造性が求められる「設計情報」であり、その実現のためには、目的のために、自分の知識や関係者からの情報を統合し創造することのできる「タレント」型の人材が必要であるという。創造的知識労働が、企業に利益をもたらすという主張です。
    この書においても、シンセシス(統合)力が重要であるとの一定の結論が得られます。もっとも統合するためには、様々な情報を獲得もしくは自らの知識蓄積が前提であることが必要ですが。

  • ・現代では、設計情報にだけ価値がある、モノづくりには価値なし、設計情報を作る人がタレント
    ・設計情報→転写(モノづくりノウハウ)
    ・設計情報、ノウハウ、ナレッジ&経験、このうち設計情報以外は無価値化が進んでいる
    ・転写(ノウハウ)は定型労働で、どこでも通用する。昔はこれが重視
     ※D社のアセスメントが重視しているのも普遍的に使えるスキルであり、知的定型労働にすぎない
    ・今は創造型労働が重要、これは非定型であって、未知の世界、何が必要かも分からないでしょ
    ・トヨタ生産方式の本質は「売れるものを売れるときに売れるだけ作る」だから、売れないモノは作っていない←屁理屈っぽいけど本質かも

  •  以前、コールセンタシステムの構築プロジェクトでご一緒させていただいたアクセンチュアの方が紹介されていたので読んでみました。確かにとても示唆に富む内容でした。冒頭、紹介されている著者が勤務していたという研究所の様子をはじめとして、本書で触れられている多くのシーンに“既視感”を感じたせいもありますが・・・。

  • かつては栄光を極めた日本の電気機器業界の失敗と、その間に日本の成功企業を研究し世界のトップ企業へと成長したアップル、サムソンと言った外資系企業を例にとって、人材戦略とハタラキ方について提言している。アップルのスティーブ・ジョブズがソニーをまね、フォードの社員はトヨタを研究し、日本人が成果の出ない莫大な研究費を浪費している間にどのようにグローバル企業に追いつかれていったかということがわかる。売れるサービスありきで、そこからタレントをもった人材によって設計され、有形のものに落とし込まれて初めて稼げる商品が生まれるのであり、設計情報を生み出せる人材を育てる風土を育てるべきだと述べられている。
    ここにある日本企業の課題は①売れないものが平然と作られている。②ものをつくる(アイデアの創造からそれを実際の有形物へと完成させる)人材が育っていないことである。自動車業界において世界トップシェアを維持しているトヨタはこの2つの課題を持っていない。日本が世界に誇るグローバル企業がもうすでに課題解決策を見出しているのであれば、なぜ本書に出てくるソニーやパナソニックなどといった企業でも積極的にその経営方式が検討されないのだろうかという疑問がわいた。業界は違えど、前者と後者の明暗はっきりと分かれており、海外企業が必死でトヨタに学ぼうとしているのにも関わらず、あくまで自国より他国の経営から学ぼうとするその傲慢さが未だに経営を立て直すことができない理由なのではないだろうか。

  • 153優れたタレントは、知識にせよ職業にせよ、「目的」を達成するための「手段」だと考えているところに際立った特徴がある。

    155優れたタレントの仕事は必要な知識を獲得し、あらゆる階層の知識を総動員し、組み合わせ目的を達成するようなイメージ。

    156知識は明通にセグメント化できる。
    ①学校以前・学校以外で学ぶもの-感覚的に理解できるに身体知・経験知のようなもの。
    ②学校教育で学ぶもの-千尋が作り上げてきた記号や数字として理解できるもの。
    ③企業などの組織であれば、社内に付けされた知識など。

    166自分が持っている知識の中に3種類の状態がある
    ①詳細まで理解してる状態
    ②その先がぼんやりわかっている状態
    ③理解する手がかりがまるでない状態
    知識獲得能力が高く既知の範囲の拡張スピードが速い人は②の部分の領域を①と③の境界領域として広く持っている。

  • タレントとしてのスキルを身に付けたいと思った。そのために、プロフェッショナルスキルを複数分野で身に付ける必要があるという話はその通りだと感じた。

  • トヨタの「主査制度」を中心にプロダクト・マネジャーのあり方を論じる名著。現代の付加価値は良質な「設計情報」から生まれ、それを作れる「タレント」こそが競争力の源泉である。

  • 「タレント」についての定義、事例、考察がコンパクトにまとまっています。個人的には第2部以降が面白かったです。 和田

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「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)の作品紹介

世界の企業の競争力を分けるのは、知識や才能を利益に変える人材戦略だ!
「タレント・マネジメント」の人事・組織コンサルタントとして活躍する著者によるかつてない人材戦略論、誕生!!

なぜソニーは消費者が欲しがる商品を生み出せなくなったのか? なぜトヨタはいまでも売れるクルマをつくれるのか? アップルやグーグルなどがマネをして成功した日本のやり方とは?
そこには「タレント」と呼ばれる優秀な人材を生かす仕組みがあった。

市場も成熟化し、生産方法も世界中で標準化したいま、企業の浮沈の鍵は、消費者が欲しくなるような新しい商品を生み出すことにつきる。
そのためには単なるプロフェッショナルともスペシャリストとも違う、価値創造の中心となる「タレント」といわれる新商品を生み出せる優秀な人材と、組織内でタレントを生かすための仕組み作りが決定的に重要。
タレント人材とは何か、その仕組みとはどんなものなのかを詳細に解説。

(目次)

第1部 タレントの時代
近年、負け続ける日本企業、いちばんの問題点は、「人の働き方」を理解していないことにある。
1 「ものつくり敗戦」の正体
2 市場の成熟化=製造技術の成熟化
3 情報化・知識化・グローバル化
4 売れる商品は設計情報の質で決まる
5 設計情報の質を決める人達

第2部 タレントとは何か
企業の成否を決めるのは設計情報の質、そしてそれをつくれる人こそがタレント人材である。ではタレントとはどんな人達か?
1 企業の活動を情報視点で見る
2 人間の労働を情報視点で見る
3 人のキャリアを情報視点で見る
4 タレントとはどんな人達か

第3部 タレントを生かす仕組み
じつは日本企業には多くのタレント人材がいる。しかしソニーの凋落が象徴しているように、タレント人材も使い方次第で宝の持ち腐れ。一方、シリコンバレーの発展は日本企業の仕組みに学びタレントを生かす仕組みを地域でつくりあげたことにある。

1 なぜタレントを生かすのは難しいのか?
2 ソニーの失敗
3 トヨタのタレントを生かす仕組み
4 米国が学んだトヨタ
5 シリコンバレーのシステム

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