商店街はいま必要なのか 「日本型流通」の近現代史 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883252

作品紹介・あらすじ

「安くて便利で消費者のため」のその先は? 百貨店、地方と都会、戦前の通販の黄金時代、商店街と地域、スーパーと消費者革命、家族経営が基本の、日本型コンビニの誕生と進化。1900年代から現代まで、日本人の買い物の歴史から考える。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから商店街の現状、およびどうすべきかについて議論したものかと思ったが、実際には歴史にややウェイトを置いた小売業に関する解説書である。小売業について学ぶためのテキストブックとしても十分耐えられる。

    本書は専ら小売業についてのみ言及していて、卸売業、流通チャネル、流通システム、流通構造については全く触れていない。したがって流通論のテキストしては使用できない。

    しかし流通論を学ぶ際の副読本として本書を読むことには大いに意義がある。小売業について、流通論のテキストブックでは触れていないところまで詳しく書かれている。特に関スパ方式については、重要でありながら特に経緯について詳しく書かれている流通論の本は多くないため、参考になるだろう。また、流通論ではほとんど触れられないコンビニフランチャイズの問題についてもきちんと述べられている。

    本書を通じて筆者が主張ししたいことは、「あとがき」にも書かれている通り、豊かさとはいったい何か、ということなのだろう。

  • 背ラベル:673.7-ミ

  • 感想
    流通革命がもたらすもの。大いなるシステムは個人の努力を飲み込む。適者生存の原理はここでは働かない。強者のみが生き残る。風景は一変した。

  • 「消費の論理」を突き詰めたスーパーやコンビニが、「地域の論理」に支えられた商店街を席巻してゆく。「安くて便利で消費者のため」のその先は? 小売革新の歴史的展開に注目して、日本型流通の近現代史を描く。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40228355

  • 近現代における日本の流通機構の歴史について、百貨店・通信販売・商店街・スーパー・コンビニエンスストアの5つのトピックで書かれた名著。多数の文献・資料に基づいて議論が展開されており、かつ非常に優れた言語運用能力に裏打ちされた文章には感動すら覚えた。大変良い出会いとなった。

  • タイトルから商店街について書かれた本かと思ったが、日本の小売業の歴史や近現代の流通についての本だった。
    百貨店やデパート、スーパー、コンビニが日本でどのように発展してきたのかがよく分かった。コンビニの深刻な労働問題について書かれていた部分では読んでいて心が痛んだ。

  • 673-M
    小論文・進路コーナー

  • 小売という視点で1900年頃から現代までの大きな流れをまとめた本、こういった視点は読んだことがなかったため、非常に面白かった
    呉服屋が百貨店化していく中、百貨店法の設立でブレーキがかかる。そこをスーパーというシステムが入り込み、並行してコンビニも始まっていくというのが、大きな流れだが、そこに対して「当時の生活様式」「消費」「家族」等、様々な視点で語られており、興味が尽きない。通信販売が関東大震災で廃れるまで、当時すでに扱われていたなど、知らなかった情報も満載。
    不満をあげるとしたら、年表での比較も欲しかった点と、タイトルが意味不明という点くらい。何度も読みたい。

  • 百貨店、通信販売、商店街、スーパー、コンビニエンス・ストアという5つの小売業態について歴史的な成り立ちを整理している。特に販売方式についての詳細な記述が、現在ではなじみが薄い分当時の状況を理解する手助けになっている。それと、一次資料として提示される表や図が情報を読み取りやすく、かつ本文の論理展開の補強として的確に使用されている印象を受けた。

    「小売革新の展開が私たちの暮らしを豊かなものにしてきた歴史もしっかり見据えながら、改めて、地域社会のありようや人々の働き方の視点を含む、トータルな人間としての「生活」をどのようなものと考えていくのか」P.289

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著者プロフィール

北海道大学准教授

「2023年 『日本経済の歴史[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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