天皇家のお葬式 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 82
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884501

作品紹介・あらすじ

【古代から近現代までの「2700年」をこの一冊で!】

日本で初めて火葬された天皇といえば?

江戸時代までは仏式なのに、明治以降はなぜ神式なのか?

明治天皇陵をめぐる東京vs.京都の暗闘とは?

昔の喪服の色は白。現在の黒に変わったのは、
明治天皇の葬儀がきっかけだった。

天皇の葬儀は時代の変化を映す。

その変遷をたどることは、
日本の歴史を知ることでもある――。


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そもそも、天皇の葬儀のかたちは、時代によってさまざまであった。

日本で初めて火葬されたのは持統天皇である。

その後、聖武天皇以降は土葬に戻ったが、
淳和天皇の時は遺言によりふたたび火葬になり、
しかも初めて散骨されている。

また、明治天皇以降、葬儀は神式で行われ、
いまでこそ神式が当然のように思われているが、
孝明天皇(江戸時代)までは
菩提寺(泉涌寺)で仏式によって行われていた。

なぜ、仏式から神式に変わったのか?

本書では、古代からの天皇の葬儀の変遷をたどりながら、
その時代背景や時代の変化について論考する。


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【本書のおもな内容】

はじめに 時代の変化を映す天皇の葬儀
第1章 明治天皇陵と明治神宮の創建――京都と東京の「都」争い
第2章 古代の天皇の葬儀――古墳時代から平安時代まで
第3章 中世の天皇の葬儀――鎌倉・室町時代
第4章 近世の天皇と葬儀――江戸時代
第5章 尊王の潮流――王政復古への道
第6章 山陵の復活と孝明天皇陵――古代神話の再生
第7章 近代国家の天皇――象徴への道
第8章 明治天皇の大葬――モダン化する伝統
第9章 大正天皇の生涯と大葬――東宮御所のニューファミリー
第10章 昭和天皇の時代――大戦を超えて
第11章 昭和天皇の大葬――新憲法のもとで
おわりに 皇室の今後

感想・レビュー・書評

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  • 天皇・宮家の葬式をざっとまとめた一冊。
    儀式の説明や引用文など、どうしても難しい場面がいくつかあり、なかなか読みにくい部分もあったが総じてわかりやすいと思う。

    歴史好きと言いながらも、孝明天皇の死が、当時の時勢=尊皇攘夷の風潮から
    お墓を陵として復活させたことなども全く知らなかった。
    神仏分離によって明治天皇の死から葬式が神道式になったのも。でも面白かったのはいくら神道式になったと言えども、南無阿弥陀仏などの文言を書いてこっそり棺に入れてたとか、
    そうは言っても仏の救いに人は頼ってたんだな…っていうのが、人間らしくて面白いなと思いました。

    あと個人的に泉湧寺と伏見桃山陵行かなあかんなと決意。(笑)

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689712

  • 日本の象徴天皇についての歴史がわかる。

  • 初代の天皇である神武天皇陵は、江戸時代まで神武田という小さな塚のようなものであった。江戸後期に皇室の重要性が急浮上して整備され、維新後に橿原神宮となる。
    戦国以降は皇室の財政が逼迫し、大嘗祭も行われない状況。
    天皇の葬儀も仏教伝来後は仏式で行うのも普通であったが、明治期以降急速に復古調となっていく。
    明治天皇の崩御時、乃木大将夫妻が殉死するが、新聞社ないでも街中でも文学者達も多くが、何故そんなことをするのか馬鹿馬鹿しく感じていた。とある新聞社は社長までそんなことを記者連中に言っていたものだが、その新聞さえ翌日には乃木夫妻の行為を絶賛する記事で埋め尽くされおり、当の記者も紙面を開いて大層驚いたとある。
    現代のマスコミでもこれと同じような事例が普通にあるのであろう。論調を丸ごと信じてはならない。

  • 古式の復興と西洋化は矛盾しているかのように思われるが、
    伝統は常に新しくつくりかえられ、モダン化されるものである。

  • 東2法経図・開架 B1/2/2449/K

  • 210.094||Ok

  • 皇室の葬儀についての詳細だと思ったが、明治天皇以降が大半を占め、昭和天皇と今上陛下の象徴天皇としての在り方や生前退位についても触れられている。所謂古墳時代から一貫して土葬(持統天皇は火葬であることは知っていた)だと思っていたが、葬儀のスタイルにも変遷があった。また、国学の高まりから古墳の治定や仏式から神式への変更が行われた。皇室は日本の伝統というが、伝統は変えていくものである。

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著者プロフィール

1949年、兵庫県姫路市夢前町生まれ。東北大学文学部宗教学科卒。宮沢賢治研究会『賢治研究』編集委員(2023年から編集長)著書は『宮沢賢治の誕生』(中央公論新社)、『イーハトーブ悪人列伝』(勉誠出版社)、『全品現代語訳 法華経』(角川ソフィア文庫)、『日本史年表』(朝日新聞出版)など多数

「2023年 『猫と笑いに銀河 宮沢賢治ユーモア童話選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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