荊棘の冠 (講談社文芸文庫)

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著者 : 里見とん
  • 講談社 (2012年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062901512

荊棘の冠 (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

  • 天才ピア二ストの娘をもつ小説家の父親を描いた内容。
    粗暴で野卑で思ったことしか言えない。本音しか言えない。嘘がつけない。直情径行の性格の父親は周囲との軋轢が絶えない。
    愛人と住んでいる彼は、かつて別れた妻や娘に手をあげていた。娘の才能を認めたパトロンや取巻きともいざこざが絶えない。
    そんな生来の気質に加え複雑にしているのが天才の子をもつ父の心情。「才能より世の中には大事なことがある」。と、うそぶく父親だが、それが結局何なのかはっきりしない。
    「大事なことがある」という言い訳によって娘の才能と名声に対して嫉妬している小説家の己を隠し、あるいは子を誇る親の虚勢を表現しているようにも思える。
    だが、そこまで細かな心理描写があるわけでなく、ただひたすら我が子の才能に対する羨望と嫉妬の間を揺れ動く姿が続く。
    軽妙な会話文は読ませるが、読みながらも粗暴な父親にうんざりし、途中で飽きてしまった。どうも私はいい読者にはなれなかったようです。

  • 実在したヴァイオリニスト、諏訪根自子(・・字はあってるか自信ないです)がモデルらしい。
    根自子さんは、目鼻立ちのハッキリした美人さんです♪
    「天才よりも大切なことがある」というのを掲げた小説らしいですが、それは複雑だった里見弴が経験したことからも、当然きているんでしょうね。
    天才は一人だけで作られるものじゃないのです、まったくもってそうだ!

  • 周りから天才ピアニストと呼ばれる五九子の父、小幡宗吉は小説家。娘を深く愛しているのに娘に対して反感を持ってしまう。愛人と住んでいるため妻とは別居しているが事あるごとに娘に手を挙げ、暴力と神経衰弱と見なされ五九子の周りにいるパトロンや宗吉の旧友長谷部から精神病院へ入れられてしまう。「心にも無いことは言わない。本当に腹から出てくる以外の言葉は出さない」と人生に不器用な生き方をする宗吉は周囲の人間と摩擦しか起こらない。帯に「天才美少女と父」とあるが、五九子が美少女であるという記述は一切無かった。

  • まだ読んでいなかったから、読んだだけ。後書きが作家たちの一面の参考になりました。

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