狂い凧 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 37
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062902106

作品紹介・あらすじ

虚無とアイロニーをまとい、人生の不条理を見つめ続けた異色の戦後派作家、梅崎春生。『桜島』『日の果て』で戦時の極限下における心象を、『蜆』『ボロ屋の春秋』で市井にひそむ人間の本質を描いた著者が、過去の戦争と現在の日常とを
緻密な構成でゆるぎなく繋ぎあげた、晩年の集大成。芸術選奨受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 観察の鬼。
    直接描写を避け、わざわざ主人公の視点から、旧友の現在と過去を少しずつ浮き彫りにしていく。無駄だが超有効なプロセスに。
    人生は風に煽られた凧の様な...あまり無い独特の読後感。良かった。

  • 狂い凧が風にあおられ、なすすべもなくはたはたやっているように、私達は人生にあおられがちだ。
    生きることに伴うコントロール不能感を意識させられた。

  • 栄介の中で、死んではならなかったはずの城介が死に、とっくに死んでいなくてはならないはずの伯父が生きている。
    どこかおかしい、運命はどこから狂ったんだろう。
    その狂った運命は、はたして制御することができなかったのだろうか。
    凧を見つめる栄介の姿からそんなことを感じた。

  • 気になってる本。。わくわく。

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著者プロフィール

梅崎春生

一九一五(大正四)年福岡市生まれ。小説家。東京帝国大学国文科卒業前年の三九(昭和十四)年に処女作「風宴」を発表。大学の講義にはほとんど出席せず、卒業論文は十日ほどで一気に書き上げる。四二年陸軍に召集されて対馬重砲隊に赴くが病気のため即日帰郷。四四年には海軍に召集される。復員の直後に書き上げた『桜島』のほか『日の果て』など、戦争体験をもとに人間心理を追求し戦後派作家の代表的存在となる。『ボロ家の春秋』で直木賞、『砂時計』で新潮社文学賞、『狂い凧』で芸術選奨文部大臣賞、『幻化』で毎日出版文化賞。一九六五(昭和四十)年没。

「2022年 『カロや 愛猫作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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