ゾロアスター教 三五〇〇年の歴史 (講談社学術文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062919807

作品紹介・あらすじ

三五〇〇年前、啓示による人類最古の宗教が中央アジアに誕生した。ゾロアスター教である。至高の創造主アフラ・マズダーを崇拝、火と水の祭儀、善悪二元論、救世主信仰を特徴とする。その思想は、キリスト教、イスラム教、仏教へと流れ込んだ。謎に満ちたゾロアスター教を、その誕生から現代インドに残るパールシーまで包括的に論じた格好の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 2016/10/19
    イランの国教にもなり、世界宗教の基礎にもなったゾロアスター教を起源から現在までを網羅したナイスな本。これさえ読めばゾロアスター教のことは分かる。現在ではインドに移り住んだパールシーが中心になっている。不思議な感じである。

  • なんか。
    学生時代に強烈なネーミングのインパクトを受けた、ゾロアスター教。拝火教。
    インパクト強すぎて、何の苦労もなく覚えられてうれしかったものの、でも、実はその内実は大して知らなかった、っていう。
    それで、ある日本屋を歩いていたら見つけてしまって、衝動買い。

    一番衝撃だったのは、(始まったころの大本は)儀式などとして難しいことを要求するものではないし、何か金銭的な貢献を必ずしも求めるものではなく、悪を倒すための戦いに貢献するための善行が求められ、その善行は例えば聖なる場所(祈る場所)をきれいに保つこと等だけでもよかったから、貧乏人から誰までもが、善に貢献でき、自分を不要な存在だと見なすような人はいなかった、っていう記載かな。
    なんか、いい考え方じゃん、って思った。
    八百万の神を認めているようなところも、日本の感覚と親和性は高い気がする。

    ただ、その後、結局、西洋等の影響を受けて、神学「論争」みたいなものが起こったこときっかけに、ゾロアスター教は大きく趣旨が変わってしまったらしいのだが。

    それだけ変わることの不思議と歴史も感じつつ。

    アカデミックに紐解きたかったわけではない私は、この本の丁度真ん中あたりで「飽き」がピークで困った(読むの止めようかと思った 笑)が、最後まで読み進めると、また私が知りたかったような流れに近づいてきたし、それを語るためには結局真ん中もあってしかるべきだったんだな、っていうのが分かるから、まぁいいや、読んでよかったよ、っていう感じ。

  • ブラヴァツキーとオールコットは渡印以前からゾロアスター教にしばしば言及していたし、高く評価していたと思われる。ボンベイ上陸後はパールシーのコミュニティと接触を図っているし、最初期のインド人神智学徒の中にはパールシーもいる。

    その辺りの経緯が374頁以下に簡潔に記してある。パールシーの間では宗祖ゾロアスターが最も強力なマハトマと見なされていたことはJesse S. PalsetiaのThe Parsis of India: Preservation of Identity in Bombay City (2001)にも書いてある。

    またコミュニティの「神智学化」に反発して勢力を伸ばしたオカルト団体イルミ・フシュタム(Ilm-e-Khshnoom)に関しても376頁以下に記してある。

  • 「どの宗教よりも人類に大きな影響を与えてきた」「最古の世界宗教」について、クロニクルに追跡する包括的入門書。

    元々は英国の放送大学のテキストで、1983年に一度、ちくま書房から出版されましたが、ながらく絶版。2001年改訂版の原著をもとに文庫化された一冊。

    「ん?」となる訳が散見されますが、類書が少なく1300円なら、入門者にはお買い得かと思います。ただ文庫とはいえ大部ですが。

    因みに、メアリー・ボイスの『ゾロアスター教』は、講談社選書メチエから出ている青木健『ゾロアスター教』と内容はかぶっておりませんので、両方読んだ方がいいのでしょう。青木さんの『マニ教』(これもメチエ)も合わせるとなおよいのか、と

  • BM4a

  • 訳:山本由美子、原書名:ZOROASTRIANS:THEIR RELIGIOUS BELIEFS AND PRACTICES(Boyce,Mary)
    ゾロアスター教の背景◆ゾロアスターとその教え◆マズダー礼拝の確立◆記録のない数世紀◆アケメネス朝時代◆セレウコス朝とアルサケス朝時代◆サーサーン朝初期◆サーサーン朝中期◆サーサーン朝後期◆カリフの時代◆イル汗国-ラージャとスルタンの時代◆サファビー朝とムガル朝時代◆カージャール朝とイギリス支配の時代◆二十世紀の状況

  • 新書文庫

  • 古書店にて購入。本書が他の類似書籍と一線を画しているのは、教義や祭礼、教祖ゾロアスターの生涯のみならず、中世から近現代パールシーに至るまでの教徒や祭儀の変遷を丹念に追っている点だろう。歴史の教科書には〈拝火教〉の異名も併載されているが、実際にそう呼ばれるようになったのは寺院の火が確立されたアケメネス朝時代以降のことであるらしい。また、ゲーム『エメラルド・ドラゴン』をプレイ済みであれば、本書の随所に元ネタを見つけることが出来るだろう。世界最古の宗教と目されるゾロアスター教を俯瞰できる格好の入門書。

  • アヴェスターの説明がわかりやすい

  • 376夜

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