倭国伝 全訳注 中国正史に描かれた日本 (講談社学術文庫)

  • 講談社
3.71
  • (5)
  • (10)
  • (3)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 126
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062920100

作品紹介・あらすじ

古来、日本は中国からどのように見られてきたのか。金印受賜、卑弥呼と邪馬台国、倭の五王、「日出ずる処」国書、「日本」国号、朝鮮半島と動乱の七世紀、遣唐使、僧侶や商人の活躍、蒙古襲来、勘合貿易、倭寇、秀吉の朝鮮出兵。そこに東アジアの中の日本が浮かび上がる-。中国歴代正史に描かれた千五百年余の日本の姿を完訳する、中国から見た日本通史。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本には古代の日本だけでなく、朝鮮、中国の周辺民族の記述も載っている。
    倭国の章だけ読み進めるのも充分あり。
    奈良、平安時代以前の、今とは全く異なった日本民族の姿がそこにはある。
    また、元王朝、その後の明王朝から見た日本の姿(外交姿勢)も必読。

  • 中国史書の倭国=日本に関する記述をまとめた本ということで購入。
    気になった点として、卑弥呼を『姫子(ひめこ)。「ひみこ(日御女)」と読むのは新井白石の説』(P.101)と注釈を書き、以降もずっと「ひめこ」で通しているのだが、これは何か定説なり学説なり存在するのか?何も説明が無いことに違和感がある。「百済」「新羅」も「くだら」「しらぎ」ではなく「ひゃくさい」「しんら」などと記載しているがこれについても説明は無し。最近の学説ではそうだというなら何らかの説明が必要であろうし、そのようものはないというなら自らの独自解釈であることを明記すべきだろう。

  • 中国の史書に書かれた日本(倭国)や東アジアの国々(扶余、高句麗、韓、高麗、百済、新羅、靺鞨など)のことを、漢文の書き下し文と現代語訳で記述している。後漢書、三国志、宋書、随書、旧唐書、新唐書、宋史、元史、明史に書かれている。その時代時代でどのように倭、日本のことが知られていたかが分かる。倭寇で苦しんでいた沿岸の国の様子や、船で中国から琉球にわたる時の苦労などが分かる。

  • 中国の正史の中での日本の記述を集めたもので、中国の目で卑弥呼だとかの古代から後の方には室町幕府との勘合貿易や大内家や大友家、織田家、秀吉の朝鮮出兵までの日本を見るのはなかなかに面白い。他にも沃沮、靺鞨や朝鮮半島の国々などの記述も。

  • 倭国伝

  • [ 内容 ]
    古来、日本は中国からどのように見られてきたのか。
    金印受賜、卑弥呼と邪馬台国、倭の五王、「日出ずる処」国書、「日本」国号、朝鮮半島と動乱の七世紀、遣唐使、僧侶や商人の活躍、蒙古襲来、勘合貿易、倭寇、秀吉の朝鮮出兵。
    そこに東アジアの中の日本が浮かび上がる―。
    中国歴代正史に描かれた千五百年余の日本の姿を完訳する、中国から見た日本通史。

    [ 目次 ]
    「倭国伝」について
    後漢書(巻八十五・東夷列伝)
    三国志(巻三十・魏書三十・烏丸鮮卑東夷伝)
    宋書(巻九十七・夷蛮)
    隋書(巻八十一・東夷)
    旧唐書(巻一百九十九上・東夷)
    新唐書(巻二百二十・東夷)
    宋史(巻四百九十一・外国七)
    元史(巻二百八・外夷一)
    明史(巻三百二十二・外国三)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 中国正史における日本に関する記述と、いくつか東夷に属した国家に関する記述も納めてあります
    現代語訳についてはいくらか研究によっては意味の揺れている部分を断言していたりしている部分もありますが、概ね良い訳になっているように思われます
    本筋からは外れますが沃沮や靺鞨、夫余に関する記述が読めるのは貴重です

  • 中国の正史「二十四史」の中から『後漢書』『三国志』『宋書』『隋書』『旧唐書』『新唐書』『宋史』『元史』『明史』の9つに記された日本(倭国)伝を書き下し分・現代語訳・原文で載せているこの本は読みやすく、注釈も充実しているので幅広い読者層に対応しています。古代・中世史に興味を持つ人は手にする価値があるでしょう。当然の事ですが、中国からの視点のみなので日本側の文献と比較すると面白いです。新唐書あたりまでは他の本でほんの数行の抜粋に触れる程度、宋史以降は読むのは初めてだったので非常に新鮮で有意義な読書でした。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

[1915‐1985]昭和時代の中国語学者、中国文学者。大正4年9月20日生まれ。一高教授をへて昭和39年東大教授。45年東大闘争で全共闘側を支持し、学生の処分に抗議して退職した。のち早大客員教授、日中学院院長。昭和60年2月26日死去。69歳。三重県出身。東京帝大卒。著作に「漢字語源辞典」、編著に「学研漢和大字典」など。

「2020年 『漢字文化の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤堂明保の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×