- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062920261
作品紹介・あらすじ
フロイト曰く「黄金は人間の深い潜在意識の中で本能を満足させる」と。エジプトの黄金の王墓、南米の黄金文明、中国の絢燗な王宮…。政治の覇者は必ず金を求めた。古代、大帝国時代を経て、大航海時代の金銀の大流入で、西欧へと覇権が動く近代、産業資本主義の発展と金本位制が崩壊した現代まで、「金」という視座から見たもう一つの世界史を読む。
感想・レビュー・書評
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黄金への憧れは人類共通。タイムマシンがあったなら、エジプト文明の金の装飾品をぜひ生で見てみたい。中世から近代にかけてのヨーロッパ諸国の黄金熱はすごい。まさに宝探し。
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金・銀の発掘や取引を中心に世界史を概観したもの。
特に紀元前からのインド洋の国際的商業を強調している。
いわゆる、海の道。
これを読んでると『エリュトゥラー海案内記』を入手しておけばよかったと後悔する。
シルクロードや地中海といった貿易路は中学の頃から繰り返され、強調されているが、インド洋に就いてはかなり知らないところが多い。
せいぜい、ダウ船がどうしたとか、大航海時代でヴァスコ・ダ・ガマがどうしたとか、鄭和の第遠征が、とか程度で終わってしまう。
ローマと中国からかなりの量の金を吸い上げていた、と筆者は主張するが、それが実際どの程度の規模で行われたのかは詳細には述べられてない。そこが残念だ。
近世~近代では、ポトシ銀山以外の銀山や、エル・ドラドの伝説を生むこととなった南米の金の話もされていて興味深い。
さらに、イギリスの金本位制の準備についても話がなされている。
東大の世界史が好きそうなテーマの一つでもある。
高校生から大学生まで含めておすすめ。
惜しむらくは、上に書いたとおり、詳細な数字が出ているところと出ていないところがある、ということだ・・・。