記号論2 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062921954

作品紹介・あらすじ

言語とコミュニケーションをめぐる思考は、いよいよ「記号生産」という核心へと至る。人の営みとしての”記号”の正体に肉薄する!

感想・レビュー・書評

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  • 【目次】
    目次 [003-012]
    印刷上の決まりについての注 014

    第3章 記号生産の理論 017
     3・1 概観 017
      3・1・1 生産的労働
      3・1・2 労働の型
      3・1・3 以下の節の読み方
     3・2 記号論的陳述と事実的陳述 029
      3・2・1 分析的と綜合的、記号論的と事実的
      3・2・2 陳述
      3・2・3 非言語的陳述
      3・2・4 その他の問題
     3・3 言及 037
      3・3・1 指標依存的判断
      3・3・2 意味と指示行為
      3・3・3 言及の過程
      3・3・4 記号としての概念
      3・3・5 メタ言語的手法としての /is(……である)/
      3・3・6 新しい特性を述語として加えること
      3・3・7 現在ノフランス国王ハ未婚男性カ
     3・4 記号の類型の問題 057
      3・4・1 言語記号と非言語記号
      3・4・2 経路と表現面パラメーター
      3・4・3 不連続性と段階的連続
      3・4・4 記号の発信点と目的
      3・4・5 象徴、類像、指標――無理な三分法
      3・4・6 模像可能性
      3・4・7 完全複製
      3・4・8 模像
      3・4・9 容易な対比関係と困難な対比関係
      3・4・10 位相依存性
      3・4・11 表現群と無定形内容
      3・4・12 三つの対立関係
     3・5 類像性批判 093
      3・5・1 六つの素朴な考え方
      3・5・2 類像性と「特性」の共有ということ
      3・5・3 類像性と類似性――相似性ということ
      3・5・4 類像性とアナログ性
      3・5・5 反射、模像、感情移入的な刺激
      3・5・6 類像性と慣習
      3・5・7 類似性における表現と内容
      3・5・8 擬似類似的現象
      3・5・9 類像的文節
      3・5・10 「類像的記号」を追求すること
     3・6 生産様式の類型 144
      3・6・1 四次元的分類
      3・6・2 認識
      3・6・3 直示
      3・6・4 模像――結合単位
      3・6・5 模像――様式化とベクトル
      3・6・6 仕組まれた刺激と擬似結合単位
      3・6・7 創案
      3・6・8 コード作成としての創案
      3・6・9 変換の連続体
      3・6・10 生産的な特徴、記号、テクスト
     3・7 創案としての美的テクスト 224
      3・7・1 美的テクストの記号論的意図
      3・7・2 曖昧で自己焦点化的なテクスト
      3・7・3 連続体についての操作
      3・7・4 美的な過剰コード化――表現面の場合
      3・7・5 美的な過剰コード化――内容面の場合
      3・7・6 美的個人語
      3・7・7 美的なコード変更
      3・7・8 コミュニケーション行為としての美的テクスト
     3・8 修辞的労働 255
      3・8・1 修辞学の遺産
      3・8・2 過剰コード化としての表現術
      3・8・3 隠喩と換喩
      3・8・4 修辞的なコード変更
      3・8・5 修辞的なコード切りかえ
     3・9 イデオロギー的なコード切りかえ 277
      3・9・1 記号論的範疇としてのイデオロギー
      3・9・2 実験室用モデル
      3・9・3 イデオロギー的操作
      3・9・4 記号論的立場からのイデオロギー批判
      3・9・5 究極的な境界
     注 293

    第4章 記号論の主体 321
     注 327

    訳者解説(2) (一九八〇年四月 池上嘉彦) [329-373]

    「同時代ライブラリー」版のためのあとがき(一九九六年四月) [374-389]
    「学術文庫」版のためのあとがき(二〇一三年八月三十一日 池上嘉彦) [390-415]
    原著参考書目 [416-461]
    事項索引 [462-470]
    人名索引 [471-477]

  • この邦訳本は「Ⅰ」「Ⅱ」となっていて全何巻なのかわからなかったが、全2巻である。
    今までもエーコを少しは読んできたが、この本はエーコの記号論入門書として実に最適な、非常に優れた本だと思った。これが文庫で出たのだから、若者たちはみんな読むように。
    若い頃ロラン・バルトに惚れて読みあさったことがあったが、この本に出会っていたら、私はもっと学問的に厳密な記号学の知を垣間見ることができたろう。
    エーコは決して、今や世界の全ては記号であるなどと傲慢に言い放ったりしない。記号論には記号論のテリトリーがあって、その外部を否定することなどないし、精緻な記号論をあくまでも学問的に探究し、慎重に、ひたすら厳密正確を期して前進してゆく。
    私にはやはり、Ⅱ巻の「記号の創案」の辺りがとりわけ興味深かった。
    「創案とは、記号機能の生産者がまだその目的のためには分節されていない新しい素材の連続体を選び出し、その内部に内容面のタイプとしての形式的な関与的要素を写像することを目的として、それを組織化すること」(P199)
    つまり新たな組み合わせによって新しいコードの系を生産する。この実例として美的テクスト=芸術作品について分析しているくだりが実にスリリングで、素晴らしい。
    もちろん、芸術分野のすべてが記号作用であるなどとはエーコは言わない。しかし記号作用のコードとしての側面が、芸術の創作と受容(理解)の過程に存在することは否めない。
    思うに、芸術的な作品の諸要素はすべて元来が多義的なのだから、作品の平面に交錯する無数のコードが成り立ちうる。
    エーコはコードとか記号作用の体系といったものが、文化の中で静止しているということを否定している。コードは常に生産され、変移してゆく。文化の多層性は、だからコードの多層性と結びついているのだ。
    記号論が市井の読書人やある種の知的ディスクール空間で脚光を浴びたのは、主に80年代だったろうか。
    しかしエーコの記号論はそのような一過性のものではない、厳しくも確固とした存在意義を呈しているのではないだろうか?
    私はこの本を再読し、さらに詳しく玩味することを楽しみにしている。

  • 第3章 記号生産の理論
    3.1 概観
    3.2 記号論的陳述と事実的陳述
    3.3 言及
    3.4 記号の類型の問題
    3.5 類像性批判
    3.6 生産様式の類型
    3.7 創案としての美的テクスト
    3.8 修辞的労働
    3.9 イデオロギー的なコード切り替え

    第4章 記号論の主体

  • 2巻。
    小説と並べて読み比べてみると、面白い発見があるかもしれない。

  • 祝復刊!

    講談社のPR
    「言語とコミュニケーションをめぐる思考は、いよいよ「記号生産」という核心へと至る。人の営みとしての”記号”の正体に肉薄する! 」

    岩波書店のPR
    「国際的に著名なイタリアの記号論者の手になる本書は、ソシュールとバース以来の錯綜した研究成果を整理、体系化した定評ある概説書である。II巻では記号生産の理論を詳述し、芸術創作の秘密の解説に説き及ぶ。 」

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著者プロフィール

1932年イタリア・アレッサンドリアに生れる。小説家・記号論者。
トリノ大学で中世美学を専攻、1956年に本書の基となる『聖トマスにおける美学問題』を刊行。1962年に発表した前衛芸術論『開かれた作品』で一躍欧米の注目を集める。1980年、中世の修道院を舞台にした小説第一作『薔薇の名前』により世界的大ベストセラー作家となる。以降も多数の小説や評論を発表。2016年2月没。

「2022年 『中世の美学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ウンベルト・エーコの作品

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