- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062922692
作品紹介・あらすじ
「奇跡」とは、宗教的な現象である。魔術や超常現象とは異なる。奇跡は日常的に存在する、と著者は考える。
一方、科学という立場からは、奇跡を認めないように思える。これは科学そのものが一般的な常識から遠く離れた、特殊な体系になっていることが理由である。
奇跡の捉え方をヨーロッパの知識の歴史にたどり、また宗教と科学それぞれの論理とことばの違いを明らかにし、奇跡の本質にせまる。
そのうえで、科学思想すら一種の宗教であり、人間を超える存在を「神」と呼ぶか「科学」と呼ぶかの違いしかないことを、著者は証明する。
唯物史観の限界を超える思想を、改めて構築する試み。
感想・レビュー・書評
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テーマ:科学と宗教
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誠実な好著であるが、村上がカトリック信徒であることを考慮する必要あり。「ウーーーン」となる文章が目立つ。宗教は思考を束縛し、信仰は感情を支配する。宗教は六根(五感+意識)というフィードバック機能を教理でもって歪める。
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岩波書店から1996年に刊行された『奇跡を考える (叢書現代の宗教 7)』を文庫化したもの。このシリーズ 全16巻は絶版だった。
著者は著名な科学史家。
・講談社の頁から紹介文
「奇跡」とは、宗教的な現象である。魔術や超常現象とは異なる。奇跡は日常的に存在する、と著者は考える。一方、科学という立場からは、奇跡を認めないように思える。これは科学そのものが一般的な常識から遠く離れた、特殊な体系になっていることが理由である。 奇跡の捉え方をヨーロッパの知識の歴史にたどり、また宗教と科学それぞれの論理とことばの違いを明らかにし、奇跡の本質にせまる。そのうえで、科学思想すら一種の宗教であり、人間を超える存在を「神」と呼ぶか「科学」と呼ぶかの違いしかないことを、著者は証明する。
唯物史観の限界を超える思想を、改めて構築する試み。