逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想 (講談社学術文庫)

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著者 : 小林一三
  • 講談社 (2016年4月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062923613

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逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想 (講談社学術文庫)の感想・レビュー・書評

  • 阪急創業者、タカラヅカの生みの親である小林一三の回想録。第三者が描く人物伝であれば、わかりやすさを念頭に(同時代人でなくてもわかるように)客観的に出来事の背景を記述するのですが、果たして自伝にはそれが必要か。
    …と書くのは、当時の出来事を理解していないと良くわからない記述もあったりするためです。。
    つまり、体系的に小林一三氏の人生を知りたいのであれば第三者の人物伝を読んだ方が良いです。本著は、一般目線で注目されることに必ずしもフォーカスが当たっている訳ではないと思います。
    本著を読んでいて感じたのは、自伝はその当人が世の中からどう見られたいか、あるいは世の中に対して何を訂正したいかを書いているのではないかということ。

    今は事業で成功した資産家だけど、昔は三井銀行のあまり報われない社員だったとか。タカラヅカのような歌劇を事業家が手がけることに対して、いや若い頃から新聞に小説を載せるくらいのことはしていたんだよとか。
    他にも、○○さんとはこういう経緯で行き違ったけど本当は…とか、○○疑獄事件の背景は…とか、資産も名声も手に入れた著者でもままならないことはあるもので。

    本著の魅力は、記載されている事実よりも文体からにじみ出てくる人柄にあるのではないかと思います。
    真面目に仕事に取り組んでいる時でも、どこか余裕や悪戯心のようなものを持って、それが良い結果につながっていたり。
    ゲーム「A列車で行こう」的なゼロからのまちづくりを成功させた経営者が、何を考えながら仕事をしていたのかがわかるという意味では面白い本です。

  • 文学を志していたたけに、履歴を述べるその文章には独特の調子があって、小説のような感覚もあった。学生時代から三井銀行のサラリーマン時代の描写や、花街のエピソードなどは、当時の雰囲気が身近に感ぜられて面白い。登場人物は自ずと経済人が多く(例の広岡浅子にもほんの少し触れられている)、この分野にそれほど知識がない読者には新しい視点を提供しそう。末尾に採録の著者の小説などは興味深いサービスだが、ここまで読み切る人はあまりいないかも知れない。

  • 明治の人は思想や文化が現代とはかなり異なるということがよくわかる。
    阪急創業の頃よりも前の逸話が中心。

  • 逸話には必ず転機となる場面があります。それが自分でわかるかが運命になるように思います。

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逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想 (講談社学術文庫)の作品紹介

阪急電鉄の創業者、宝塚少女歌劇の生みの親として知られる小林一三。甲州から東京に出、慶應義塾に学んだ若き日の小林は小説をものする文学青年でした。卒業後、三井銀行に入った彼は、仕事はするものの必ずしも評価はされず、放蕩に明け暮れる問題行員と目されていました。
日露戦争後、かつての上司で北浜銀行を設立した岩下清周から、設立予定の証券会社の支配人にならないかとに誘われた小林は、このままウダツが上がらないよりはと、銀行を辞して妻子とともに大阪に赴任します。しかし証券会社設立の話は立ち消えてしまい、妻子を抱えてたちまち生活に窮してしまいます。
このとき、小林は箕面有馬電気鉄道設立というの話を聞きつけます。電鉄事業に将来性を見た彼は、岩下を説得し北浜銀行に株式を引き受けさせることに成功。「箕面有馬電気軌道」と社名を改めて専務に就任。ここから大きく運命が拓けてきます。
顧客は創造するものと考えた小林は、線路敷設予定の沿線の土地を買収し、郊外に宅地造成開発をおこない、割賦で分譲を開始します。さらには遊園地や劇場をつくることによって行楽客をつくりだし、ターミナルデパートという誰も考えつかなかったものを産み出します。本書は傘寿を迎えた希代のアイディア経営者が、週刊誌の求めに応じて往時を回想した自叙伝の傑作です。

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