衣更月家の一族 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.02
  • (2)
  • (7)
  • (36)
  • (10)
  • (0)
本棚登録 : 186
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062930697

作品紹介・あらすじ

別居中の妻の潜伏先を察知した男が、応対に出た姉のほうを撲殺――110番通報の時点では単純な事件と思われた。だが犯人が直接目撃されていないうえ、被害者の夫には別の家庭があった。強欲と憤怒に目がくらんだ人間たちが堕ちていく凄まじい罪の地獄。因業に満ちた世界を描ききった傑作ミステリー!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 全然関係ない3つの殺人事件が、最終的に衣更月一族の話に繋がっていくミステリー。

    前作、鬼畜の家から連読。

    読み進めていくうちに、ストーリーに引き込まれ、最後にすべてが繋がる展開は圧巻。

    前作で唸りをあげて問題解決をした私立探偵・榊原の登場でテンションも上がった。

    だがしかしだ。
    前作でも感じたが、張り巡らされた伏線の回収がとても出来過ぎている印象に加え、最後の最後で明らかになる事実も出てきて、またもや読後達成感が得られなかったのが残念。

    著者が作品に込めた思いを、私の読解力では汲み取れなかったのが兎角無念。

  • プロローグと、その後の3つの殺人事件。よくここまでこんがらがった話にしたもんだと思う。明らかに何か絡んでくるのが見えるし、どう絡み合うのか先が楽しみだった。最後まで読むと、すごい、やられた、とかよりも感心が先に来る。ネタばらしパートは大半を説明に割くことになってしまうのも仕方なく、まるで全て見てきたかのように細か過ぎるとは思う。この作者の性格上、全てきっちりパズルのピースを当て嵌めないと気が済まないのではないかと。

  • プロローグがなにかしら関係してくるんだろうなとは思ったけど、3つの事件が別々すぎてよくわからないまま最終章へ…。
    結局みんな血縁者で、遺産狙いというお話でした。
    初めて読んだときより、2回目の方がおもしろかったかも。

  • 一見、全く関係のない3つの殺人事件が語られ、最終章「衣更月家の一族」で、プロローグの意味を知り、そこから全ての殺人が一つの糸で繋がれる。
    実にうまく組み立てられた本格ミステリーといえるが、事件そのものが人間の醜い欲にまみれているためか、読後感がはなはだ悪い。唯一の収穫は、榊原というクールな私立探偵。
    彼は、この作家の他の作品にも出て来るらしいので、それも読んでみよう。

  • すごく面白そうだと思ったのだけど…
    イマイチ、はまりきらず。

  • 「廣田家の殺人」を読んだ時点で、これは短編集なのか?と思ったら…まさかこんな結末が用意されていようとは。3つの事件の複雑な絡み方に全く気づけなかった。お見事。

  • 廣田家の殺人→楠原家の殺人→鷹尾家の殺人ときて、この事件たちがどう繋がってくるかと思えば、なるほど。

    タイトル回収ですね。

    キッカケになったのが衣更月辰夫の死だったのか、雄哉が当てた三億円の宝くじだったのか・・・辰夫さんの死はあんまり関係なかったような気がする。てっきり一緒に亡くなった女の子が鍵になってるかと。

    ミステリー読み過ぎて、どんでん返しを思い浮かべてしまうのがダメなのか。

    榊原さんみたいな冷静な探偵さん、凄くカッコ良いと思うけど、実際に対面したらドギマギしそう。

  • 面白い構成と大仕掛けのミステリーではあるが、事件の全貌が明らかになる『衣更月家の一族』からエピローグまでがやたら説明的なのが残念。動画を観ていたはずなのに何時の間にか紙芝居になるという肩透かし…

    プロローグの心中事件、『廣田家の殺人』、『楠原家の殺人』、『鷹尾家の殺人』と全く毛色の違う殺人事件が、『衣更月家の一族』、エピローグで帰結する。

    個々人の好みの差が出るミステリーではないだろうか。少なくとも、『鬼畜の家』の方が衝撃的だった。

  • 家系図見てもすぐピンとこないほど人間関係が複雑。
    不妊治療の生々しい実態や証拠になる血の発想は女性の著者ならではだなぁと思わせるリアリティ。
    大金を持つ恐ろしさがジワリ。本人以上に周囲の態度の変化が大きく、大金所持者を放っておくことを許さない怖さがある。マンタのように金に惑わされない人間も出てくるが、いつ裏切るのかと最後まで疑ってしまった。

  • 社会派サスペンスっぽい雰囲気もありながら、緻密に練られたストーリーはしっかり本格ミステリ。面白かった。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

みき・あきこ1947年東京生まれ。東京大学法学部卒。元弁護士。60歳を機に執筆活動を開始、2010年に『鬼畜の家』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。『衣更月家の一族』『螺旋の底』が第13回・第14回本格ミステリ大賞にノミネート、『ミネルヴァの報復』が日本推理作家協会賞にノミネートされるなど、注目の作家。他の著書に、『敗者の告白』『殺意の構図』『交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー』『猫には推理がよく似合う』『消人屋敷の殺人』『ミネルヴァの報復』『消えた断章』『罠』など多数。

「2023年 『欺瞞の殺意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

深木章子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
米澤 穂信
湊 かなえ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×