- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062930697
作品紹介・あらすじ
別居中の妻の潜伏先を察知した男が、応対に出た姉のほうを撲殺――110番通報の時点では単純な事件と思われた。だが犯人が直接目撃されていないうえ、被害者の夫には別の家庭があった。強欲と憤怒に目がくらんだ人間たちが堕ちていく凄まじい罪の地獄。因業に満ちた世界を描ききった傑作ミステリー!
感想・レビュー・書評
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全然関係ない3つの殺人事件が、最終的に衣更月一族の話に繋がっていくミステリー。
前作、鬼畜の家から連読。
読み進めていくうちに、ストーリーに引き込まれ、最後にすべてが繋がる展開は圧巻。
前作で唸りをあげて問題解決をした私立探偵・榊原の登場でテンションも上がった。
だがしかしだ。
前作でも感じたが、張り巡らされた伏線の回収がとても出来過ぎている印象に加え、最後の最後で明らかになる事実も出てきて、またもや読後達成感が得られなかったのが残念。
著者が作品に込めた思いを、私の読解力では汲み取れなかったのが兎角無念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プロローグと、その後の3つの殺人事件。よくここまでこんがらがった話にしたもんだと思う。明らかに何か絡んでくるのが見えるし、どう絡み合うのか先が楽しみだった。最後まで読むと、すごい、やられた、とかよりも感心が先に来る。ネタばらしパートは大半を説明に割くことになってしまうのも仕方なく、まるで全て見てきたかのように細か過ぎるとは思う。この作者の性格上、全てきっちりパズルのピースを当て嵌めないと気が済まないのではないかと。
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すごく面白そうだと思ったのだけど…
イマイチ、はまりきらず。 -
「廣田家の殺人」を読んだ時点で、これは短編集なのか?と思ったら…まさかこんな結末が用意されていようとは。3つの事件の複雑な絡み方に全く気づけなかった。お見事。
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廣田家の殺人→楠原家の殺人→鷹尾家の殺人ときて、この事件たちがどう繋がってくるかと思えば、なるほど。
タイトル回収ですね。
キッカケになったのが衣更月辰夫の死だったのか、雄哉が当てた三億円の宝くじだったのか・・・辰夫さんの死はあんまり関係なかったような気がする。てっきり一緒に亡くなった女の子が鍵になってるかと。
ミステリー読み過ぎて、どんでん返しを思い浮かべてしまうのがダメなのか。
榊原さんみたいな冷静な探偵さん、凄くカッコ良いと思うけど、実際に対面したらドギマギしそう。 -
面白い構成と大仕掛けのミステリーではあるが、事件の全貌が明らかになる『衣更月家の一族』からエピローグまでがやたら説明的なのが残念。動画を観ていたはずなのに何時の間にか紙芝居になるという肩透かし…
プロローグの心中事件、『廣田家の殺人』、『楠原家の殺人』、『鷹尾家の殺人』と全く毛色の違う殺人事件が、『衣更月家の一族』、エピローグで帰結する。
個々人の好みの差が出るミステリーではないだろうか。少なくとも、『鬼畜の家』の方が衝撃的だった。