- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062930956
作品紹介・あらすじ
お侠なお蝶と、物腰柔らかな色白美人・砂十の前に、次々現れる曲者の男達。人呼んで「弁天観音」に、お江戸の危機はお任せあれ!
感想・レビュー・書評
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沙十がめちゃ強くて、お蝶もバチを武器に戦うと思いきやだよ。口達者な江戸っ子キップがいいね、長屋も出てくるし、色んな人が関わって来て、反乱が始まるのと止めるのとで、同じじゃないんだね、終わってみれば分かり易い相関図、でもなあ親父さん死ぬ事なかったし、最後の安之の恫喝で終わるんかいって言いたくなるけど、隠居しただけで罪はないので言い訳ないよね。安之が強かったとかも味があっていい、沙十の薙刀を組み立てる作蔵は良い仕事するねえ、どれだけ見てきたのだろうか、作蔵に始まり作蔵に終わる。左とん平が浮かぶんだよね作蔵〜
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穏やかな顔のもう一方で薙刀の達人、完璧そうな姉に方向音痴の欠点を持たせたり、ちゃきちゃきの長唄師匠の義妹が意外に酒に強くなかったり、といったところが魅力的。取り巻く男子たちの、時にライバル、時に同志のような関係も良い。
一話一話の小さな事件と並行して動く大きな何か、誰が敵か味方か、最後まで退屈することなくテンポ良く読めた。 -
女性たちがかっこいい。
様々な事件が繋がっていく事、お蝶を取り巻く男性陣それぞれに謎がある事等もりだくさんで楽しめました。 -
意外な陰謀モノでした。
えいかのようでおもろかった。 -
最近、時代小説にハマってます。今回はまさに一気読み。心温まる短編かと思いきや、後半で加速し、全ての伏線が回収される最高のエンターテイメントでした。ストーリー構成とスピード感、美味いですねー。文章も好みです。NHKのBS時代劇か映画にでもなりそう。その時に2人の姉妹の配役は誰になるのか楽しみ。
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与力の娘ながら長唄の師匠であるお蝶と、しっかり者のようで抜けているところもある兄嫁 沙十のコンビが気の良い男たちを従えて江戸の町で起こったトラブルを解決する物語。と思いきや、予想を遥かに超える大ネタが仕込まれていました。
とことん真っ直ぐなお蝶以外の全員が単純に見た目通りではなく意外な過去や内面や能力などを持っており、最後までダレることなく楽しめました。
荒唐無稽な話でも違和感なく成立してしまう時代小説の良さがすごく出ている作品だと思います。
唯一の欠点はタイトル。作者買いじゃなければ普通は手に取らないかな。。。 -
2015-08-17
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面白いことは面白いが、ちょっと偶然が過ぎる。もう少し、うまく伏線を張れなかったのかと。
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読んだ絶対数が少ないミステリーについては
あまり語る資格を持たないのですが
血なまぐさいお話はどうしても好きになれず。
政治や権力闘争的なバックヤードも苦手。
作者ご自身も日常ミステリーの方が
お得意なのでは?と思うくらい
作品の質に違いがあるような気がします。 -
最初は、義理の美人姉妹が、身近で起きた事件を解決するお話でした。しかし、そのうちなにやらキナ臭い話が出てきて・・・。
お蝶ちゃんは、「粋」なのではなく、ただの「じゃじゃ馬」なのでは、と思った。陣内さんが小言を言いたくなるのも理解できる。 -
男性作家の描くものと女性作家の描く時代物はこんなにも違うのか。そして西條奈加さんの世界はなんと心地よいことよ。なぜこんなに引き込まれるのか分からない。不思議だ。私は小説はエンターテインメントだと思っている。だからミステリーや大活劇が大好き。そんな自分が西條奈加さんのふんわりした柔らかい文章に引き込まれるのが不思議なのだ。
月村了衛さんの怜悧でハードボイルドな作品をワクワクしながら読了し、魂が疲れ切った後に読む西條奈加さんの作品は、荒野からやっと帰ってきた我が家という感じがする。
今回は「世直し小町りんりん」ということで、結構なミステリーでもあったが、全編を覆うそこはかとない暖かさは充満していた。いいなぁ、このオアシス感。 -
201505/面白かった
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この作家さんの時代小説が大好きです。
陣内さんも好きです。 -
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長唄の師匠であるお蝶は三味線の腕前と美声で気性も粋な弁天との評判。お蝶の兄嫁の沙十はたおやかな色白美人で観音のたたずまい。人呼んで“弁天観音”美人姉妹は、頼まれ事を抜群の機知で解決していく。にぎやかな日々の裏で、お蝶を狙う影が大きく動き始める。凛とした痛快時代小説。
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出自も気性も正反対のような義姉妹・沙十とお蝶を主人公にした痛快世直し物語。身近なことから大きな企みまで、目のつけどころと度胸と腕で、気持ち好いほど鮮やかに決着をつけてくれる。周りを固める男性陣もなかなかな個性派ぞろい。それこそ身分も立場も全く違えど、お蝶を守るためなら何事も厭わない。だが……。そんな彼らを疑わなければならない事態になり、疑心暗鬼は募るばかり。しかも身に危険も降りかかる始末。誰が味方か誰が敵か。最後までハラハラドキドキさせられる一冊である。 -
残り3分の1で??
なんか読んだことあるな?
!単行本ん改題して文庫本にしただとぉ!?
続編かと・・・文庫書き下ろしで続編かと・・・ -
昨年読んだ『涅槃の雪』で本格的な時代小説の書き手の一人と見直した西條さん。
なんか、読み進むにつれて印象が変化する作品でした。
最初はキャラを立てた軽めの捕り物。八丁堀同心を父に深川芸者を母に持つおきゃんな長唄師匠のお蝶と、母親違いで父の後を継いだ兄の嫁、いつもしとやかな笑顔だがとんでもない方向音痴の紗十の義姉妹が主人公。
しかし何やら裏に流れる物が見え始めて、世話物として進めながら最終章あたりでその解決に持って行く本格的な時代ものに化けるのかな?と思ったら、真ん中より前あたりで裏が表に変わって結局はアクション性の強いチャンバラ物っぽくなりました。
ま、エンターテインメントとしては十分に楽しめましたが。
単行本時代のタイトルが「朱龍哭く 弁天観音よろず始末記」だったそうですが確かに「よろず始末」では無い。とはいえ、この文庫タイトルも如何なものか。「りんりん」って「凛々」のことなのかなぁ?