幻想探偵社 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931496

作品紹介・あらすじ

「自分」を見つけたいときは、この探偵社へ。ただし、幽霊限定ですーー。野球部を休部中の中学二年生、海彦は落とし物をした同級生のユカリを追いかけて「たそがれ探偵社」にたどりつく。そこは幽霊専門の探偵社で、海彦とユカリは、ヤンキー姿の幽霊、大島の頼みを解決することに。ふたりの通う中学校のある伝説も気になりはじめーー。やんわり恐怖&癒しファンタジー、待望の4作目。

感想・レビュー・書評

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  • 野球部をドロップアウトした中学生の海彦が拾った生徒手帳が好きな子のものだった、という導入から、なんか甘酸っぱい展開なんだが、最後は結構えぐいな。相思相愛の海彦とユカリの二人が幽霊になったヤンキーの大島の身体を探すのだが、ずるずると意外なことが分かってくるのが面白い。

  • 女子の前ではあがり症の海彦は、気になる女子の生徒手帳を拾う。
    本人を追いかけるうちにたどり着いたのは、幽霊専門の探偵社で……。

    この世に未練を残し、成仏できてない幽霊が相手なのに、全体的にコミカルで楽しかった。
    人間も幽霊も、濃いめのキャラが多い。

    幽霊は生きた人間を触れないのに、食事をしたり、物のやりとりをしたりはできる。
    設定があいまいな部分はあるが、そのぶんコミュニケーションがとれるというか、テンポのいいやりとり。

    幻想シリーズ4作目だとか。
    作中に、シリーズ既出の登場人物がいるよう。

  • シリーズ物とは知らなかった。
    幽霊限定の探偵社の不思議な話。
    怪談、推理小説、青春もの。様々な要素が入ってるけど、まとまっている。
    ラストは謎。
    そして幽霊は実はその辺にウヨウヨいる。妙に納得。

  • 本屋さんで発見。
    続きがでていたと知り、読み始める。

    幽霊専門の依頼のみを受ける、たそがれ探偵社。
    そこを訪れるのは、野球に打ち込むことを親に否定されて野球ができなくなってしまった少年、海彦。
    そして、扉を開けた探偵社には同じ中学に通う女子がなぜかホラー映画をビデオで観ている。
    奇妙な出会いをした二人は、たまたまやって来た依頼人、大島ちゃん(幽霊)の心残りを晴らすべく奮闘するが、いろんな事件に巻き込まれる。

    テーマは、微ホラーと、自分の進路は自分で決めろ?
    模範的な家庭に見える海彦の家も、グレた大島ちゃんの家庭も何かしら問題はある。見えないだけ。特に親は子供の事を認めるのが難しいらしい(自分が育てているから自分より上でいてほしくない心理ではないか、とか)。
    親の心子知らず。子の心親は気付かず。
    家族でも気が合う合わないはあると思うけど、自分の気持ちを父に話せるようになった海彦は、きっと成長したと思う。


    海彦とユカリの二人の視点がたまに入れ替わり、主人公がどっちか判別つけられない。
    ただ、深刻なスランプに陥っていて、かつ女性の前であがりやすい海彦を上手にリードしつつ隣の座をゲットするぜ!と中学生のあざとかわいい面をちょいちょい出すユカリのコンビは物語が進みやすくてサラッと読める。
    ユカリがホラー好きだからか、ホラー映画の話や殺人シーンも多いけど全く怖くないので、京極さんや綾辻さんの本は苦手…という人でも大丈夫だと思う。

  • 今までのシリーズの中で一番好きだった。
    次点が映画館だろうか。
    登場人物も(青木さん2回目だけど)腹が立たない、憎めないやつキャラでイライラせず、最後の事件大詰めもスピード感あってよかった。

    相変わらずこのほのぼのとしたファンタジーの話に、ネグレクト(っぽい)や猟奇殺人事件、家族問題などを突然織り交ぜてくるところが色んな意味で凄いと思う。
    郵便局のレイプ未遂シーンも唖然としたけれど、なぜこんなにあっさりと出てくるんだろうなとも。
    せっかく生死を描いてる小説なのだから、もっと大事にして欲しいような気もする。
    とはいえこれで真面目にやったら重たいのだろうか。

    スミレと有働さんも出てきたけれど、スミレってこんな頓珍漢だったろうか……。
    既に知っていた子だから許容出来たけど身近にはいてほしくないタイプだと思う笑
    有働さんは相変わらず有働さんで安心した。
    毎度出てくるタマエお祖母様(伯母様)も、騒々しくてイラッとする時もあれど慣れてきた感じがある。

  • 中学生の二人が、ヤンキー幽霊の頼みで見つかっていない彼の身体を探すとともに、死んだ理由を突き止めるという話。 
     
     キャラ、台詞、展開など全てにおいて90年代ライトノベルの香りがする・・・。主人公たちがとても今時の中学生とは思えないし、犯人もひと昔前の昼ドラに出てきそうな感じ。あとの登場人物もオネエの所長や天然系女子高生などかなり濃ゆい。しかも全体的にテンション高めなので、ちょっと置いていかれ気味でした;
     
     ただ、キャラは立ってるし、良くも悪くもセオリーに乗っとった展開なので、うまく漫画かドラマ化したらおもしろいかもしれません。脇役の幽霊たちの方がおもしろくて好きです。古本屋のおじいちゃんの幽霊がすっとぼけててかわいかった。

  • 『幻想〜』シリーズ、好きだな。
    こんなわけのわからんものが見えたら、毎日大変だな。

  • いつもの青木さん!

    想像と違った最後に、結構、衝撃を受けました!
    すべてが繋がっていたとはね。。

    毎回、ほどよく現実逃避できるので、このシリーズが好きです。
    次も楽しみ!

  • 幻想シリーズ第4弾

    幽霊専門の探偵社の手伝いをするハメになった
    中学生男女。
    ちょっとおまぬけな幽霊たちも憎めない

    「郵便局」の青井さん
    「映画館」のスミレと有働
    「日記店」の「大奥様」

    過去のシリーズの人たちもからんで、ニヤッとなります

  • 今度は中学生が探偵社でアルバイト
    幽霊が依頼人の探偵です。

    幽霊が通り過ぎるとぞくっと冷たい感じがするらしいですが、ここの幽霊は、食事もするし、あつい感情もある。そして今度は、探偵に依頼するほどの悩みもある。よほど、現世に生きている人たちの方が冷たいような。。。

    過去の事件の真相を知った中学生の二人は、これからも、幽霊に関わって生きていくのでしょうか?

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著者プロフィール

1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。『幻想郵便局』がベストセラーとなり、以降、「幻想」シリーズで人気を博す。他の著書に『ある晴れた日に、墓じまい』『うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした!』『オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き』「おもてなし時空」シリーズ、「仕掛け絵本の少女」シリーズなどがある。

「2023年 『キッチン・テルちゃん なまけもの繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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