お面屋たまよし (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 95
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932264

作品紹介・あらすじ

面作師見習いとして、「お面屋たまよし」の屋号で面を売りながら旅を続ける少年・太良と甘楽。彼らが夜にだけ商う“妖面”を被れば、誰でも好きな姿に化けられる。しかし心が負の感情に傾けば、人ならぬものと化し、二度と元に戻れない。それでも人々は不思議な妖面を求めて、夜ごとお面屋を訪れては、欲と願いを満たそうとする。人の業にふれながら旅を続ける二人は何を見つめているのか。時代ファンタジー新登場!

感想・レビュー・書評

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  • 面を売りながら旅をする2人の少年、太良と甘楽と彼らが夜にだけ売る妖面とよばれる面を被った人達の話。人間の欲望って...ってなる話ばかりではなく、前を向いて生きようと思える話も。お勝さんや吉蔵たちには幸せになってほしい...。穏様の過保護さやそれに振り回される天狗たちが微笑ましい

  • うん。まあまあかな。

  • 切なくて悲しいお話でした。どことなく笑ゥせぇるすまんを思い出すような…とはいえキャラははっきりしててそこは良かったと思いました。悲しいお話というより、不思議なお話だと期待して読んだのでそこはちょっとマイナスかな。気分によっては落ち込みそうな感じです。続編もあるみたいですが読むかは微妙f^_^;

  • 出てくる人物、ほとんど子どもとよんでもおかしくない年やんけー!何故か成人してるか、10代後半ぐらいのイメージでした。妖面をつける際にはその人の心に負の感情があって、それに支配されると顔から取れなくなり、荒魂化して浄化されると。そこまでして、妖面付けたいのかー!と思う私は多少なりとも負の感情があるからなんですかね?←自衛してるのかー(笑)お勝ちゃんの話がよかったな。この娘さんはその後反物屋の息子君と所帯を持つといいよ!←このあたりロマ本読者視点(笑)

  • 「ユリエルとグレン」シリーズの石川さん。
    今回は純和風なお話が新鮮ですね。

    面作師見習いの太良と甘楽が、夜ごと商うのは、束の間別人の姿になれるという妖面。でもその妖面には、人間に戻れず荒魂化してしまう危険性を秘めている。それでも人はそれを求めずにはいられない…。

    許嫁を取り戻すため、美人を体験したいため、母の本音を知りたいため、と様々な人が2人の元を訪れますが、どのお話にも共通するのは何とも言えぬ哀しさと全てを吹っ切った後のような清々しさ。

    血の繋がらない太良と甘楽の関係も可愛く、続けて読んでいきたくなります!

  • 不思議な話だった。
    面作師か。
    いずれ太良と甘楽の親が誰なのか分かるのかな?
    太良と甘楽を見守る穏様可愛い(笑)
    親バカ全開。
    2人の保護者というか育ての親の仁王次もいいよなぁ。
    分かりやすく甘やかすのではなく態度で甘やかしてるのがいい。
    穏様の周りの天狗達も二人を温かく見守ってるのがいい。
    小天狗達の懐きっぷりも可愛い。
    2人の偵察をした迅雷可愛かったな。
    2人よりも長く生きててお兄ちゃんの立場にあたるのに、2人よりも子供みたいで。

    枯れない花が個人的に一番好きだった今回。
    美しさよりも自分らしくあることを選んだお勝はしっかりしてるなぁ。
    お面で出来た顔と分かっていてもお年頃な反応をする甘楽が可愛かった。
    太良はそんなこと無かったけど、好みの問題なのか中身が大人なのかどっちだろうか。
    恐らく後者だとは思うけど。

    妖面ほしいなぁ。
    お勝みたいに体験してみたいと思うわ。

  •  話も文体も妙にライトだな?と思ったら、なるほど、カテゴリーは児童文学だったのね。話も登場人物もみんな幼い雰囲気なので、全体的に可愛らしい一冊でした。「裏」のお面は、いくらでもブラックな話を捻出できそうな設定なので、そうなったらなったで読み応えがありそうです(笑)

  • ずっと気になってたシリーズ!やっと読めた!妖面だったり天狗が出てきたりするのがすごく好みだったので続きも読みたい!個人的に太良と甘楽の関係性もすきだった〜!太良がすきです

  • 時代ファンタジー~お招山に捨てられていた赤ん坊が太良・甘楽と名付けられ,山に住む面作師の弟子となり,出来たお面をあちらこちらの祭りで売るが,裏の屋号では妖面を売る。妖面は被った人の本性が出て,悪い面が強いと外せなくなり,荒魂となり,二人の手で浄化させねばならない。売った相手は,許嫁を領主の息子に横取りされ,面を被って屋敷に乗り込んだが,女は百姓の嫁になるより,領主の寵愛を受けた方がよいと思っている。男は言えなかった言葉を吐き出し,荒魂に。不細工なお勝は二つ上の姉から可愛がられ,男の子達の冷やかしと馬鹿にした態度が気に入らず,面を被って美しい少女となったが,ちやほやされるのも楽でなく,ガキ大将の変わらぬ態度に安心する。太良が山中で熱を出し,宿を探しあぐねて戻ると,太良は消えていて,導かれて隠の屋敷に辿り着き,神域を通って師匠の許へ戻る。父が戦でしくじって打ち首になった長男の吉蔵は神社に物乞いに出るが,母は何をする訳でもない。時々小屋を空けるが,母が何を考えているか知って,小屋を出て子供たちだけで生きる道を選ぶ~時代モノの小説でファンタジーの要素,となると…妖怪が出てくる。どんな妖怪を出して,どんな味を持たせるかだが,これは天狗と人で,人も神通力を発揮する

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著者プロフィール

『ユリエルとグレン』で第48回講談社児童文学新人賞佳作、日本児童文学者協会新人賞受賞。おもな作品に「お面屋たまよし」シリーズ、「死神うどんカフェ1号店」シリーズ、『メイド イン 十四歳』(以上、講談社)『墓守りのレオ』(小学館)など。「少年Nの長い長い旅」(YA! ENTERTAINMENT)と「少年Nのいない世界」(講談社タイガ)両シリーズを同時刊行して話題となった。『拝啓 パンクスノットデッドさま』(くもん出版)で日本児童文学者協会賞を受賞。

「2023年 『化け之島初恋さがし三つ巴 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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