物語ること、生きること (講談社文庫)

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  • 講談社 (2016年3月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933384

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物語ること、生きること (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 何故、1から世界観をつくられた守り人シリーズにリアリティがあるのか、人間・上橋菜穂子が垣間見える1冊。
    夢を諦め、実学に逃げようとしていた自分にとって、叱責でもあり、エールでもあるように感じた。

    ふと一場面が思い浮かんでから広げていくと創り方を述べていた。

    遠きものへの憧れ。

  • 「精霊の守人」シリーズの作者でもある上橋さんのルーツを知ることができる一冊。
    文化人類学、アボリジニなどに興味を持ち、「好き」を探り続けてそれが今の執筆活動につながっている。
    どんな作品でも、設定がとても緻密だし、破壊的な説得力がある。
    すぐに認められたというわけではない。決してトントン拍子じゃなかった、ということも記されている。
    好きだなぁ。上橋さんの人柄と作風。

  • 上橋菜穂子のバックグラウンド。
    こうしてあの物語たちは出来ていくのだなと、納得と清々しい感動の中読了。
    誠実で、そして本当に豊かな方。
    このひとの書くものは信頼できる、と改めて思った。

  • すばらしい物語を紡ぐ方の魂に出会う本。

    もともとは、かっての自分のように物語が好きで作家に憧れる少年少女へ向けてのエールだったのでしょう。
    ある一定の年齢を超えて読むと、自らを振り返り少し苦い思いを感じながら、上橋さんには、これからも素敵な物語を生み出してほしいと祈りたい気持ちになります。

    そして、その物語を通じて、自分もいろんなものを受け止めれたらと思います。物語を紡ぐことはできなくても、その中で、ひととき、遊ぶことはできるのだから。

  • 上橋菜穂子さんの作家への道。作家になってからの在り方。「人」と「物語」について。作家という目標を常に見据えて生きてきた、すごい人だと思う。

    むかし、恩師が「人は物語がないと生きていけない」といっていたのを思い出した。

  • 創ろうと思って創ったんじゃない。ふっとその風景が物語が、上橋さんの中から湧き上がる。
    上橋さんが常に身の回りのことを自分の中に吸収しているのがわかるお話でした。これからもどんな物語が上橋さんから生まれてくるのか、楽しみです。

  • 守り人シリーズ等で有名な上橋菜穂子の生い立ちから、夢だった作家にどのようにしてなったのか。アボリジニなどのフィールドワークを行う文化人類学との二足の草鞋の理由。
    インタビュアーによる聞き取りと文章化が見事なのだろうが、本人が認める甘さや弱さ、境界に立つ視点やフロンティアに踏み出す想いなどにも好感を持ち、つい微笑みながら読んだ。
    16-86

  • これは、「上橋菜穂子」という物語。
    彼女がどんな子どもだったのか、どうやって作家になったのかが描かれている。子どものころ、時を忘れて物語にのめりこんだように、彼女はいまも、物語を生きるように、自分の人生を生きているという。

    この世界は、思っているよりずっと広いっすよ!
    なんていう上橋さんの語りかけに、ふふふ と思わず笑みもこぼれてしまう素敵な一冊。

  • 実質的な著者の半自叙伝である。著者への私のイメージが変わった。私は文化人類学が本来彼女のやりたかったことで、著作業は趣味が発展したものだと思ってた。そうではなかった。小さい頃から、一貫して彼女は「作家」になりたくて、そのための準備作業としてやってきたことが発展して文化人類学者にもなったのである。

    世の作家志望の若者が通る道を、彼女は真っ直ぐに通る。例えば私などとは違っていたのは、大人になってもその夢を強く持ち続けていたことだろう。どこかで「いまのままの自分でいい理由」を探して逃げ道を見つけてしまった私などとは、結局そこが違っていたのである。

    人は誰でも「ものがたり」の魅力に取り憑かれて、直ぐにそれを自分でもつくってみたいと思う。私が小学生の時ショウワ学習ノートに幾つも連載マンガを始めたのもその例に倣ったものだし、ヒトはそもそも何千年も前から物語ってきたのである。そうでなければ、土器の形に意匠が出来るはずがない。

    著者のとっておきの話は、とても有意義だった。最初に書いた物語が千枚を超える大長編だったこと。細部にこだわること。古武術など自分で体験してみること(バルサの描写に大きく活かされた)。推敲を大事にする(なぜならば、たったひとつのシーンにじつに多くのものが眠っているから)こと。その他、著者の代表作の背景がたくさん指摘されていた。

    また、様々な愛読書を紹介してくれていたのも参考になった。宮部みゆきは「ペテロの葬列」でトールキン「指輪物語」を「悪は伝染する」という風に紹介していたが、上橋菜穂子は「多様な者たちが、ある一つのルールによってすべてが縛られてしまう世界に反抗して、その指輪を捨てに行く物語」だと説明している。思うに、宮部が「人」に視点を置くのに対して、上橋菜穂子は「人々」に視点を置いているのだろう。

    2016年4月読了

  • インタビューした瀧 晴巳さんが文章にした本。上橋さんが "書いた" のではないけれど、インタビュアーの眼差しと一体になった作家の姿がここにある。たくさんの同意とほんの少しの違和感、そこにこそ作品を読む面白さがあるのだと思う。思いもよらない見方を見つけることや、一生経験しないであろう体験をしたように感じること、本当に、読むことは楽しい♪♪

  • 2016年4月18日読了。

    P43「なぜ、知りたいと思うのか。なぜ自分が時の流れや、宇宙の果てしなさや、答えがすぐに出ないことを考え続けずにはいられないのか。
     この世界には、未知のこと、わからないことがたくさんあって、どうしてそうなっているのかをもっと知りたいと思う。どこから湧いてくるのかもわからないこの気持は、たぶん、理屈ではないのでしょう。」
    「その道を究めたら、どんな答えが待っているかもわからないまま、ただ、目の前の問いと一心に向き合い学ぼうとする人がいる。」

    山中伸弥「実験を繰り返しながら、みんながページをめくっていて、最後にページをめくったときに『あった!』と言ったのが自分だった、それだけのことです」

    P82 指輪物語「旅の目的が『何かを得ること』じゃなくて『何かをあきらめること』『捨てに行くこと』というのが画期的」「『指輪を捨てる』というのは、多分化の中で、己の領分だけをかたくなに守ろうとする考えを捨てること、時には諦めたり、譲ったりしながら、自らも変容して、互いの壁を乗り越えていこうとすることでもあるのでしょう。

  • 上橋菜穂子さんがどんな子供だったのか。どうやって小説家になったのか、上橋さんの優しい語りで書かれた本です。■上橋さんが書かれている本は守り人シリーズと狐笛のかなたにを読んだのですが、どの本にも登場人物や物語を包み込む優しさを感じ、あっと言う間にお話しの世界に引き込まれて行きます。お話しが無理なく感じられるのは、上橋さんが自分で体験してきたことがもとになって語られているからなんですね。■私も足拭きマットの上でもそもそしていないで、今更なんて思わず自分で自分の背中を蹴飛ばさなきゃ。

  • 上橋さんの作家になるまでの物語。

    こうして夢見る夢子ちゃんは文化人類学者となり、作家となった。

    “大丈夫、大丈夫、きっと私は、今、上手に歩いている”
    よい言葉、凛とした生き方。

    うん、かっこいいなあ。

  • 昔、句読点がやたら多い本を読んでから、自分で文章を書くときは句読点の打ち方にすごく気を使うようになったのですが、この本を読んだときは、なんて読みやすい句読点の打ち方だろうかと思いました。そして、句読点が少ない=読みやすいではないのだなとも。
    読み進めていくうちに、編集者の方に受けた句読点についての注意の話を読んでこの読みやすい句読点の打ち方はその助言からなのだなと感動しました。
    読みやすく優しい文体に 筆者の本に対する愛情を感じ、読んでいる間、今まで自分が読んだ本を思い出していました。

  • 文化人類学と執筆とがうまく相乗効果を生み出している.そのいずれもがレゾンデートルとしての道具足り得るが,相乗効果により高みを目指す世界のどこにもないハイブリッドな道具として機能している.素晴らしい生.

  • 上橋菜穂子という作家が生まれた土壌が感じられる一冊。

  • 上橋さんと私は同い年生まれ。
    おそらくはそのためだと思うのですが
    彼女が読んだ本、目にしたもの、感じたことに
    私の経験の多くが重なります。

    人見知りで、できればずっと誰にも会わずに
    快適な家の中で、好きなものを食べて
    大好きな本に囲まれて暮らしたい…そんな
    性格も同じ。

    知的好奇心のベクトルもそっくり。
    いやこれは、上橋さんの方が変わってる。
    男の子はかなりの確率で、いっとき考古学に
    関心を持ちますから。

    …では私はなぜ、作家ではないのでしょう。

    私は「夢見る夢男くん」でいられる環境では
    成長しませんでした。
    両親は普通の人たちで
    私を公務員か教師にしたがった。
    現に…出版社を辞めて教師になった私は
    両親の敷いた見えない軌道から
    脱線することもはみ出すこともなく
    ここまで生きてしまったのですね。

    でも。

    あの当時、どこの家にも置いていたらしい
    ジャポニカなどの百科事典を
    隅から隅まで夢中で読んで、
    自分の知らないことを探しては
    頭に詰め込んでいた、あのあふれる好奇心は
    どこでどのようにして
    消えてしまったのでしょう。

    自分の中の炎を消さずにいられた人の軌跡が
    この本には書かれています。
    たくさんの偶然が上橋さんの周りで起こり
    作家への道が見えてゆきます。

    私は自分の背中を蹴らなかったんですね。
    上橋さん自身が上橋さんの生きる道を
    きちんとつないでいったのだと思います。

    今の私にはもうないものを、上橋さんは
    持ち続けてこられたのですね。

    上橋さんと私の子供時代は
    多くの点で重なります。
    有り体に言えば、そっくりです。
    私が作家になって、上橋さんが教員でも
    おかしくないくらい。

    だからこそ、この本は尊いです。
    夢に向かって 最初の一歩を
    踏み出そうとしない自分の背中を
    「靴ふきマットの上でもそもそしてるな!
    うりゃっ!」
    と蹴り飛ばしてくれる自分を
    心に持ちさえすれば 作家にも医者にもなれる。

    現実世界で読むファンタジー作家の言葉は
    ファンタジーよりも多くの子供たちの夢を
    ふくらませてくれるものでした。

  • 小さい頃から作家になりたかった著者の半生を振り返ったもの。人と違う経験をするより、人と同じことをしていながら、そこに人と違うものを感じ取る事の方がだいせつ。

  • ここまで開けっぴろげに「道程」を教えてくれる作家がいままでいただろうか。
    しかもそれが大好きな上橋さんという…。
    感動で言葉もでません!
    ありがとうございます!
    がんばります!

  • 守り人シリーズなど作品や上橋菜穂子の原点が語られる。読んでいると、子供時代、本当に突き動かされてい本当に本当に好きなことを思い出し、洗い直し、今の自分にどう根付いているかを確認したくなる。

  • ブックリストありがたい

  • 『獣の奏者』、「守り人」シリーズ、『鹿の王』。作家・上橋菜穂子が生みだす唯一無二の物語世界の源泉は、その人生にあった。祖母の語るお話と、イギリス文学が大好きだった少女時代。研究者を志しながらも、常に小説が心にあった。「夢見る夢子さん」は、いかにして作家となったのか。愛読書リスト入り。

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