物語ること、生きること (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933384

感想・レビュー・書評

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  • 上橋さんの作家になるまでの物語。

    こうして夢見る夢子ちゃんは文化人類学者となり、作家となった。

    “大丈夫、大丈夫、きっと私は、今、上手に歩いている”
    よい言葉、凛とした生き方。

    うん、かっこいいなあ。

  • 一歩踏み出すのを躊躇っている時にそっと背中を押してくれるような本。

  • 筆者は何故作家になりたいと思ったか。どのような過程を経て研究者の道に進んだのか。そしてどのようにして作家になったのか。筆者が研究者と作家になるまでの過程が深く掘り下げられています。

    こんなに面白い物語を生み出す人が、こんなに共感できる悩みを抱えているんだなという奇妙な驚きもありました。いわば怠惰に過ごしたい自分と、こんなんじゃだめだと自分で自分を奮い立たせようとする自分。

    自分が生み出した作品がより良くなるのが楽しい、フィールドワークは嫌なこともあるけれど没頭してしまうということからも、自分がなりたいものになるという以上に、自分がしたいことに没頭するということの大切さを再認識したのも個人的には良かったです。

  • おばあちゃんがくれたもの、境界線の上に立つ人、バルサ誕生が特に良かった。

  • 誠実な人柄が感じられる。
    作家になりたいな、と夢想したことがなかったとは言わないが、書き始めることも、そこに近づこうとしたこともなかったな、と改めて思った。
    僕のような読み手がいるから、書き手も存在できるんだぞ、などと横着なことも思ったりもする。
    歳とったのかな。

    • workmaさん
      読み手がいるから、作品世界を共有できて、こういう場で、作品を語り合うことができるのでしょうね… 読書は一人の作業ですが、いい作品に出合うと、...
      読み手がいるから、作品世界を共有できて、こういう場で、作品を語り合うことができるのでしょうね… 読書は一人の作業ですが、いい作品に出合うと、誰かと話したくなる…ブクログは そういう場所。感想を読んでそんなことが思い浮かびました。ありがとうございました。
      2021/03/22
    • kanetayaさん
      すごく遅い反応恐縮です。
      稚拙な私の感想に、真摯なコメントありがとうございます。また、コメントいただけると嬉しいです。
      すごく遅い反応恐縮です。
      稚拙な私の感想に、真摯なコメントありがとうございます。また、コメントいただけると嬉しいです。
      2022/05/02
  • 上橋菜穂子のバックグラウンド。
    こうしてあの物語たちは出来ていくのだなと、納得と清々しい感動の中読了。
    誠実で、そして本当に豊かな方。
    このひとの書くものは信頼できる、と改めて思った。

  • 上橋菜穂子さんの作家への道。作家になってからの在り方。「人」と「物語」について。作家という目標を常に見据えて生きてきた、すごい人だと思う。

    むかし、恩師が「人は物語がないと生きていけない」といっていたのを思い出した。

  • 大好きな上橋菜穂子さんの歩いてきた軌跡を知ることができて嬉しかった。
    飾らずありのままの上橋さんの姿に親近感を感じ勇気をもらった。

  • 世界は思っているよりずっと広い、最後のメッセージが心に残った。
    大きくなるにつれ、ファンタジー的設定は苦手意識を持っていて上橋さんの小説もあまり読んだことがなかったが、物語に深みがあるのは、研究を通して、一つ一つの文化や伝承等を尊く思いながら見つめる経験からだろう。物語だからこそ伝えられることがある、と言う言葉に他の本も読んでみたいと思った。

  • 上橋さんの今までが描かれてあるエッセイ本。
    読んでみて、ああ まさに この人が、あの守り人や獣の奏者シリーズを生み出した人だ、と納得。
    本当に温かいまなざしで、世界を見て、感じているんだなあ。ギスギスしがちなこの世の中、なかなか難しいことで、でもそういう温かさは自分も忘れたくない。

    また、アボリジニの子どものカンニングにまつわるケア&シェアの話は目から鱗な考え方。でも本当にその通りだ。
    そして、元々人見知りで足拭きマットの上で“もそもそ”しそうになりながらも、“うりゃっ”と、ひたむきに進んできた上橋さんの姿はとても素敵で、勇気をもらえる。

    文化変容、異文化を学ぶ、受け入れる。他者を受け入れる。“違い”を否定から入るのではなく、それぞれの有り様を、受け止める。

    そういう姿勢は上橋さんの物語における、人間や獣、この世のもの全てに対する描き方によく表れている。とても大事にしたいこと。大切なこと。

著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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