探偵の鑑定2 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933506

感想・レビュー・書評

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  • 松岡圭佑氏のシリーズヒロインが次々に登場して万能鑑定士Qシリーズや特等添乗員αシリーズを読んでなく、水鏡推理は第二弾まで読んでいる、『探偵の探偵』は完結まで読んだという状態でこちらを読んだので、自分の中では玲奈を中心とした物語という位置付けになるのだけれど今回の中心人物でもある凛田莉子のこれまでの物語αシリーズも読みたくなった。シリーズのクロスオーバーもここまでくると…まんまと著者の術中にはまっている気もする。『高校事変』シリーズもまだ未読があるし、作品を網羅するのは大変だ。そして須磨と桐嶋がかっこいいことこの上ない。『探偵の探偵』シリーズは完結だと思って良さそうなのでなぜかホッとする自分がいる。

  • 途中読み進めるのが辛い場面もあったけれど、
    綺麗な形で完結していた。
    探偵の探偵4のときより終わった感がすごくあるなぁと思ったら、探偵の探偵と万能鑑定士Qの2大シリーズの完結巻だったとは。
    これは万能鑑定士Qシリーズ読まなきゃ!
    他のシリーズのキャラクターも登場して、
    魅力的だなと思ったので、こちらも読まなきゃ!

  • おーるすたー!

  • 面白かった

  • 他シリーズは未読のまま万能鑑定士Qシリーズのみを順番に読み進めていた。やっと莉子と小笠原さんがくっついた!と思ったら次の巻の冒頭でいきなり別れてるからめちゃくちゃ驚いて、すぐこの「探偵の鑑定」を読んでみた。
    せっかく出世したのに小笠原さんが記者を辞めて探偵になるってどういうこと?!と思っていたが、こんな事件に巻き込まれていたのか〜と納得。

    小笠原があまりに終始カッコ悪かったのでどこかに見せ場を作ってあげて欲しかったのと、いくら莉子とすれ違いはじめたからといって他の女にいかないで欲しかったというところが不満。莉子に一途な小笠原でいて欲しかった…。

    探偵シリーズも、αシリーズも、水鏡シリーズも読んでいなかったけど、それでも各々どんなキャラクターなのかちゃんと分かったし、各キャラでしゃばりすぎずいい塩梅の出演で面白かった!

  • 「探偵の鑑定の推理」
    松岡さんのヒロイン大集合で、それぞれの得意分野で話を盛り上げてくれます。
    個人的には鑑定シリーズが好きだったので、こうなってしまって少し残念な気がします。

  • 〇 評価
     サプライズ ★☆☆☆☆
     熱中度   ★★★★☆
     インパクト ★★★☆☆
     キャラクター★★★★★
     読後感   ★★★☆☆
     希少価値  ★☆☆☆☆
     総合評価  ★★★★☆

     実質的には,「探偵の鑑定」の上巻・下巻の下巻。探偵の探偵シリーズの最終巻でもあり,万能鑑定士Q最後の事件への橋渡し的な存在
     サプライズ的な要素はなし。この作品の実質的な主人公である須磨と桐嶋が中心的な立ち回りをし,二人の古巣である獅靭会と対立する。
     凜田莉子は,獅靭会に捕らわれ,緩い拷問をされるなど,そこそこひどい目にあう。最後の最後で,蔦暮亜芽里を信じ,改心させるという見せ場があるが,その程度
     紗崎玲奈も,獅靭会の№2である釜瀧を倒すが,完全な脇役。あまり活躍しない。
     浅倉絢奈や水鏡瑞樹も登場し,それなりの存在感を示す。須磨と桐嶋の二人が中心で,ヒロイン的な存在が4人いるわけで,キャラクター性は十分。あまりにタレントが多すぎて,全員,そこそこしか活躍しないのが難点か。
     話の展開は平凡というか,王道というか…。まっすぐな話となっている。ぐいぐい引き込まれるほどのストーリー展開ではないが,まさにお約束という感じで安定感がある。
     莉子と小笠原が分かれるラストはややインパクトがある。とはいえ,なんとなく分かれが予想される展開なのでサプライズはない。この部分以外にはインパクトはない。トリックらしいトリックはないし,プロットは平凡
     サスペンスも希薄。これは,凜田莉子,浅倉絢奈,水鏡瑞樹といった「人の死なないミステリ世界」の住人が多すぎるからだろう。どうせ人は死なないという安心感が根底にあるので,サスペンス感は低い。
     かといって面白くないかというとそういうわけではない。キャラクターはそろっている。そのキャラクターが自分らしく動いている。玲奈があまり活躍せず,琴葉に至っては全くの空気。しかし,王道のストーリー展開の中,莉子と小笠原の別れや「探偵の探偵」シリーズの終焉というちょっと寂しい雰囲気が,いいスパイスになっている。この作品単品だとそこまで高い評価は付けられないが,万能鑑定士Qシリーズと探偵の探偵シリーズを読んできた者にとっては,お約束として見てもよい作品だと思う。水鏡探偵や特等添乗員シリーズを読んでいれば,もっと面白かっただろう。
     この本の位置付けが,単品の評価ではなく,シリーズ作品としての評価につながる。そういう位置付けとして★4としたい。

    〇 メモ
     凜田莉子は,獅靭会に誘拐される。探偵の鑑定1におけるトランプのカードを探しは,莉子に対する獅靭会の入社試験だった。獅靭会は姥妙のトリニティ構想に資金援助をしており,広い情報網を持っていた。須磨は,カードに示された情報が偽情報であると警察に伝える。しかし,警察を動かすことは難しい。須磨は佐伯に本当はどの港に入港するか,調べさせる。新潟県に近い船があることを見付ける。須磨達は新潟の港に行くが,獅靭会はチンピラしかいなかった。小笠原がへまをし,須磨がケガを負う。新潟も陽動だった。須磨は警察の信頼を失う。
     獅靭会は,偽の海水淡水化施設を建設し,八重島に組員を送り込む。八重島の住人を人質にする。栗城という莉子の先輩に当たる鑑定係が,失態を演じ,莉子の前で暴力を受ける。
     須磨は,福島県に行き,元妻である笙子に会う。右手の治療をする。
     莉子は,栗城親子とともに,獅靭会からの脱出を図る。栗城親子は脱出に成功するが,莉子は亜芽里に捕まる。そして,亜芽里から水責めの拷問を受ける。更に,八重島の住人の殺害をほのめかされ,獅靭会の雇用契約書にサインをする。
     玲奈は,万能鑑定士Qの事務所に残されたスワジランドの記念コインから,浅倉絢奈に辿り着く。絢奈から,エンジニア用の位置情報特定アプリの情報を聞き出す。
     莉子は,獅靭会での初仕事として,岩淵紘志という元チンピラが幹部の妻からネックレスを盗み出したことを暴く。
     栗城親子は株式会社スマ・リサーチにコンタクトを取り,須磨に会う。須磨は栗城親子から獅靭会の情報を聞き出す。
     霞が関の文部科学省にある不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォースがある。そのタスクフォースに所属する水鏡瑞樹という事務官は,八重島の海水淡水化装置の設置を怪しむ。瑞樹達一行は調査のために,波照間島に向かう。
     莉子は,亜芽里の地方回りに同行する。新幹線の中で,スマホを起動することに成功する。玲奈のスマホの位置情報特定アプリが起動する。絢奈の助言で,莉子が新幹線で移動していることを知る。
     玲奈は東京駅で,亜芽里の前に立ちふさがる。栗城と佐伯から情報を得た,須磨と桐嶋も東京駅に着き,獅靭会と銃撃戦をする。
     莉子は亜芽里が祖父や組織の後ろ盾がないと何もできないと見抜き,一人でも傷ついたら協力しないと強気な反抗を見せる。
     警察は獅靭会への捜査を中断する。
     須磨は自分が逮捕されたときのために,土井を社長とする新会社「グランドウェル」を設立する。
     小笠原は,元同僚の宮牧から「警視庁のトップが,獅靭会に弱みを握られている」という情報を得る。警視庁は,新潟で,令状なしに強制捜査を無理強いした。獅靭会系列の会社が訴えると言ってきたところ,獅靭会と警視庁が裏取引をしたという。
     亜芽里は絢奈に接触する。絢奈は機転により事実を告げることで亜芽里を騙す。
     須磨と桐嶋は,栗城や佐伯の助けを受け,獅靭会に立ち向かう準備を進める。玲奈と琴葉も,最後に一度だけ莉子を助けるために探偵活動を行うことを決意する。
     瑞樹は,波照間島での調査を行う。やくざの勤務の日などから,何かがあるとすれば月曜日だと見抜く。
     渋谷の貸会議室に須磨,桐嶋達があつまる。須磨の元妻の笙子や,スマ・リサーチの土井達,玲奈と琴葉もやってくる。瑞樹から,鴨井という探偵を通じ,日程が月曜であるという情報がもたらされる。絢奈から観光庁の壱条から得た情報から,入港は千葉県の阿賀詞港だと考える。
     玲奈は警察に連絡し,月曜日と阿賀詞港の情報を与える。
     阿賀詞港で,獅靭会を須磨達が襲撃する。莉子は鑑定しないと抵抗する。混乱の中,亜芽里は釜瀧に狙われる。玲奈は釜瀧を倒す。莉子は亜芽里を信じる。
     須磨と桐嶋は蔦暮会長と対峙する。幹部と対立しているように見せかけ,なにも知らないお山の大将を演じていた蔦暮が黒幕だった。須磨は蔦暮蹴り,失神させる。
     須磨と桐嶋は亜芽里を含む,玲奈達を拘束する。須磨と桐嶋は自ら逮捕される。
     小笠原は株式会社グランドウェルに就職。探偵になる。
     莉子は万能鑑定士Qの事務所を閉める。
     莉子は小笠原との別れを選択する。玲奈は父親と仲直りをする。
     莉子はUNEAP(故宮博物院と大英博物館の鑑定をも担う最高権威を誇るNGO)に迎えたいという誘いを受ける。
     波照間島の海水淡水化装置の事業は,政府のほか,カンツォネッタ・グループ・ホールディングス,ベランジェール,音韻寺,ソランジュほか多数の企業が寄付を申し出ており,事業が継続されるという。
     莉子はムンクの叫びについての依頼を受ける。コピアが絡む事件だという。
     最後は玲奈と琴葉の別れのシーン

  • 『探偵の探偵』シリーズの完結として見ればとても良い終り方だったと思う。 Qシリーズとして見ると小笠原が鬱陶しくちょっとモヤモヤしたり。 全体としては色んな人物が出てきてお祭り感があり良かった。 水鏡推理シリーズはまだ読んでないがとても興味を持った。

  • 孤独だからよけいに温もりを求めるのか。
    それとも温もりを求めるがゆえに孤独をよけいに実感するのか。
    人はひとりでは生きられない。
    生きていようと死んでいようと、心の奥底で自分を支えてくれる人が必要だ。
    でも、死んでしまった相手とは話すことが出来ない。
    触れることも笑いあうことも出来ない。
    玲奈にとっての琴葉はもしかしたら代用品なのかもしれない。
    けれど、それが代用品でなくなったときが怖い。
    一度手にした温もりを手離すことは、きっと今以上に辛いことになるだろうから。
    琴葉の姉、その夫、その友人たち。
    事の是非なんて関係ない。
    ただその場の優越感に浸りたいだけ。
    誰かを虐げ面白がっているだけ。
    いたぶることに快感を得ているような場面に気持ちが悪くなってしまった。
    激しいアクションシーンも読みどころになっている物語。
    ドラマになるようだけれど、原作に忠実に映像化したら悲惨すぎて直視できなくなりそうだ。

  •  オールスターズで、探偵の探偵をすっきりと終らせた感じです。心残り無しで、新たにスタートできるでしょう。

     

著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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