水底の棘 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)

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著者 : 川瀬七緒
  • 講談社 (2016年8月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933551

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水底の棘 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 2014年7月講談社刊。書下ろし。2016年8月講談社文庫化。シリーズ3作目。また、読んでしまいました。冗長ですが、ストーリーには、魅力があります。

  • 今回は水生の昆虫……と言えるかどうか微妙な生物が主軸になっている印象や、序盤は法医昆虫学とあまり関係のない刺青が中核になっていたので、そろそろネタ切れなのかなーと不安を抱きながら本作読み進めていました。

    けれど、読み終わった段階での満足度は結構高いものとなりました。

    前作まで感じていた、ミステリにおける法医昆虫学のメリット・デメリット(犯罪捜査に有効に作用しますが、エンタメ的に考えると意外な展開などを期待しづらい)点は変わりませんでした。しかし、それ以上にストーリー進行に合わせて順次登場する人物が魅力的で、私はそこに興味を覚えて読み進めることができたように思います。

    序盤〜中盤の大鷹、後半の西牧がその人物に該当するのですが、そうした人物は本作で描写されている内容だけでなく、勝手に「昔はこんなやつだったんじゃないか」「普段、孫とこんな風に接してるんじゃないか」などと妄想が捗る魅力がありました。

    そうした興味を引かれたところと、岩楯・鰐川が終盤ピンチに陥る場面の絶望感〜からの逆転は出来過ぎではありましたが、このシリーズ通して最もスリリングな緊張感が漂い、ドキドキして読み進めていました。

    そのように考えると、法医昆虫学という要素は物珍しさで手に取ってもらうきっかけにすぎないのかも。本来このシリーズが持つ魅力が登場人物にあるのだとしたら、法医昆虫学という要素の珍しさに惑わされないよう、登場するキャラクターの善し悪しに着目して読むことが、本シリーズを楽しむのに必要なことなのかな、と思いました。

  • 法医昆虫学ミステリ、シリーズ三作目。
    いいところも気になってしまうところも、前二作と同じ。
    相変わらず謎解きの過程は極めて斬新で、かつ馴染みやすい文章力もあるので、面白い。スタンダードな刑事捜査を平行させているのもよいし、三作目ともなりキャラに馴染みも出てきた。
    が、ラストが大味のアクションものになり、かつご都合主義が見えてしまう点もまた、これまで通りである。シリーズ外の作品もそうなので、もはやこの著者のスタイルなのだろうが、あまりに毎回過ぎるとちょっといただけない。
    とはいえ、間違いなく次作も読んでしまうだろう。これは昆虫のバリエーションだけで多分十作以上読める。
    4-

  • 東京荒川の中州で発見された変死体。
    損傷が激しく身元特定は困難を極め、他殺か自殺か事故かどうかもわからない。
    解剖医と鑑識の判定に法医昆虫学者の赤堀涼子は異論を唱え、独自に調査を開始する。
    捜査本部の岩楯警部補たちと連携し、彼女が見極めた事件の真相は――?

    法医昆虫学捜査官シリーズ三作目。
    毎度毎度、遺体に残されたウジやわずかに付着した虫や微生物から緻密な赤堀の捜査が始まるわけですが、今回は水中の生き物たちの生態も描かれていて、赤堀先生の守備範囲の広さには驚きました。
    海の虫の描写も気持ち悪いったら・・・思わずウェブで虫たちを画像検索しましたが、ほんともう、見るんじゃなかった・・・大後悔です。

    刑事たちは被害者の刺青から真相に迫っていくのですが、赤堀と刑事たちの捜査が交わる時、終盤の半端ないデッドヒートに突入。
    最後は一気読みでした。

    ミステリって、「誰が」殺したのかという点を推理する話は多いと思うのですが、この作品では容疑者どころか、被害者の身元は半分以上読み進めても不明のまま。
    被害者が「どこで」死んだのか、それだけを愚直に突き詰めていく。
    被害者が明らかになりさえすれば、「誰が」「いつ」殺したのか自ずと明らかになるだろうという考えのもと、自分のできることをひたすら掘り下げていく赤堀。
    そして彼女を信頼して彼女の情報をもとに捜査していく刑事たち。
    3作目にして登場人物たちの関係が以前よりも強固になり、信頼のコールアンドレスポンスがきちんと作用していることに何だか安心感をおぼえ、いつの間にか彼らから目が離せなくなっていることに気づくんですねー。
    私にとって、いつまでも読んでいたいシリーズになってしまいました。

    乾燥アリのフェロモンを赤堀と岩楯が並んで吸引するシーンは・・・とてつもなくおかしい。
    こういうユーモアや皮肉っぽいエピソードがちょいちょい入ってるのもたまらない!

  • どうやって犯人割り出しにつなげるのかと思ったら、今回もまた意外で面白かった。
    ラスト赤堀は大丈夫だったが、なるほどそうきたか。

  • シリーズ第3作。
    第一発見者は、法医昆虫学者の赤堀涼子本人。東京湾・荒川河口の中州で彼女が見つけた遺体は、虫や動物による損傷が激しく、身元特定は困難を極めた。絞殺後に川に捨てられたものと、解剖医と鑑識は推定。が、赤堀はまったく別の見解を打ち出した。捜査本部の岩楯警部補と鰐川は、被害者の所持品の割柄ドライバーや上腕に彫られた変った刺青から、捜査を開始。まず江戸川区の整備工場を徹底して当たることになる。他方赤堀は自分の見解を裏付けるべく、ウジの成長から解析を始め、また科研から手に入れた微物「虫の前脚や棘」によって推理を重ねていった。岩楯たちの捜査と赤堀の推理、二つの交わるところに被害者の残像が見え隠れする!

    今や、一番のお気に入りシリーズとなりました。単行本はさらに2冊あるのだが、読もうか、どうしようか。

  • 法医昆虫学者の赤堀涼子を主人公にした異色のミステリー・シリーズの第3弾。シリーズを重ねるごとに面白さが増している。巧みなプロットとミステリーとしての深さもさることながら、その要因の一つに毎回、新たな個性的な変人キャラが登場することがあるのではないだろうか。

    赤堀涼子が荒川の河口で偶然発見した激しく損傷した男性の遺体。手掛かりは遺体に付着したウジと微物、そして、遺体の腕の刺青の痕跡だけだった。果たして、男性の正体は。男性の死因は他殺なのか、自殺なのか…

  • こんな切り口のミステリーがあったのか!

     法医昆虫学者の赤堀涼子が、荒川河口で見つけた遺体は、虫や動物による損傷が激しく身元特定は困難を極めた。解剖医と鑑識は絞殺されたものと推定するが、赤堀は、ウジと微物から思いもよらぬ真相を割り出す!

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水底の棘 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)の作品紹介

第一発見者は、法医昆虫学者の赤堀涼子本人。東京湾・荒川河口の中州で彼女が見つけた遺体は、虫や動物による損傷が激しく、身元特定は困難を極めた。絞殺後に川に捨てられたものと、解剖医と鑑識は推定。が、赤堀はまったく別の見解を打ち出した。捜査本部の岩楯警部補と鰐川は、被害者の所持品の割柄ドライバーや上腕に彫られた変った刺青から、捜査を開始。まず江戸川区の整備工場を徹底して当たることになる。他方赤堀は自分の見解を裏付けるべく、ウジの成長から解析を始め、また科研から手に入れた微物「虫の前脚や棘」によって推理を重ねていった。岩楯たちの捜査と赤堀の推理、二つの交わるところに被害者の残像が見え隠れする!

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