水底の棘 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933551

作品紹介・あらすじ

第一発見者は、法医昆虫学者の赤堀涼子本人。東京湾・荒川河口の中州で彼女が見つけた遺体は、虫や動物による損傷が激しく、身元特定は困難を極めた。絞殺後に川に捨てられたものと、解剖医と鑑識は推定。が、赤堀はまったく別の見解を打ち出した。捜査本部の岩楯警部補と鰐川は、被害者の所持品の割柄ドライバーや上腕に彫られた変った刺青から、捜査を開始。まず江戸川区の整備工場を徹底して当たることになる。他方赤堀は自分の見解を裏付けるべく、ウジの成長から解析を始め、また科研から手に入れた微物「虫の前脚や棘」によって推理を重ねていった。岩楯たちの捜査と赤堀の推理、二つの交わるところに被害者の残像が見え隠れする!

感想・レビュー・書評

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  • ジャポニカ学習帳って、昆虫の写真無くなってたのか!知らんかった…
    いきなり解説に衝撃を受けて解説の話からになってもうた…(また、今は、復活してそうな)

    解説の話から入ってしまったけど、本編もええ感じ。
    出だしはお決まりの腐乱死体から…
    今度、赤堀先生自ら発見!

    今回もウジちゃんも頑張ってくれたけど、シャコちゃんも活躍!
    しかし、絞殺と酷似するとか色々あんねんな。
    とりあえず、私は、そんな間違いされんように太らんとこ!(決して、絞殺を望んでいる訳やないです〜)

    しかし、人間より、昆虫の方が嘘つかんし、キッチリ動いてくれるから、解明には最適なんかもしれんな。
    感情に迷わされる事もないし、実に忠実に生きる為に真っ直ぐ!
    なので、論理的に解明できる。

    真っ直ぐで、真面目だとはいえ、友達にはなりたいとは思いません。
    そんなの隣りで、ゴソゴソしてたら、多分、病む!

    そういうのは、赤堀先生にお任せします〜これからも仲良くね!ウジちゃんと!
    ゾッ〜〜…ゲロゲロ〜〜

    • ゆーき本さん
      わー!わたしのレビューに
      『江戸前鮨 仕入れ覚書』って書いてあるんだけど、なんのこっちゃ 思い出せない笑
      川の近くで違法に野菜作ってるおばち...
      わー!わたしのレビューに
      『江戸前鮨 仕入れ覚書』って書いてあるんだけど、なんのこっちゃ 思い出せない笑
      川の近くで違法に野菜作ってるおばちゃんいたやつかなぁ?
      2023/10/31
    • ultraman719さん
      シャコの話からですかね。
      お寿司のネタになるのは、江戸前シャコみたいです。今回のシャコではないですけどね。
      参考文献にも記載ありますね。
      シャコの話からですかね。
      お寿司のネタになるのは、江戸前シャコみたいです。今回のシャコではないですけどね。
      参考文献にも記載ありますね。
      2023/10/31
  • 2023年を締め括るのはこちら。虫シリーズ3作目です。
    最近懐メロにハマっておりましてWinkをヘビロテしているせいか、本世界でお近付きになりたい女性No1の昆虫学博士の赤坂が相田翔子さんのヴィジュアルで定着しつつあるのですが、文庫版の表紙の赤坂と全然違うので軽くショックを受けております私、実際は単行本で拝読しております。

    毎度今回はどんな虫が活躍するんだろうと、幼少のみぎり蝉を追い回していた頃の懐かしいわくわくした気持ちで読み始めるのですが、まずはウジさんですね。やはり彼らの前座が無ければ始まりません。

    タイトルから何となく川底の虫なのかと予想しておりましたらびっくり。そっちですか!
    みんみんさんのご助言通り毎回知らない虫が出てきたら検索しているのですが、水底にこんな子がいるなんて!(赤坂が虫をあの子、と表現するのが大好きです)その名もウミケムシ。そのまんまの見た目がとてもセクシー。

    今回は絞殺されたと思しき溺死体が発見されるのですが死亡時間だけではなく死因を探るのにも虫が大活躍。そして1番嬉しかったのは1作目以降もう会えないと思っていた刑事の鰐川が復活した事でした。犯罪心理学を学んでいる彼のメモがついに1800枚に到達しようとしているのを見て、いつか鰐川の事件簿ばりにプロファイラー能力を駆使して大活躍する話が読みたいと思いましたがスピンオフでも出ない限り無理そうですね。主役は虫さんなので。

    1作目でもやられていましたが今回も鰐川は赤坂にとんでもない物を食べさせられており、もし赤坂とお近付きになれたらこういう拷問に耐えなければならないのか…と苦手な鯛が益々苦手になりましたが、そうだ赤坂は岩楯のものだった!今回もキュンが、キュンが足りない!!
    ついに岩楯の奥さん出ていかはりましたけど、キュンは?!
    虫シリーズの私の楽しみ方は、虫さんを調べる、赤坂のキュートさを愛でる、岩楯と相棒とのやりとりを楽しむ、そして岩楯と赤坂のキュンでキュンする事なのに!!
    日向坂46の表題曲みたいになっていますが、次回に期待します!

    今回は脇のキャラクターが全員好きでした。解析不能と思われる刺青の跡からなんとか手がかりを浮きぼらせるオタク気質の城之内、プライドの高い一見嫌な奴の解剖医九条、シングルマザーで苦労している解剖医助手の由美、川辺で市を相手に喧嘩してまで畑を耕すおばあちゃん、家出して刺青屋に出入りしてたけどしっかり夢を持っている女子高生、シャコ漁をしている漁師の皆さん。個性的な面々の誰1人欠けても犯人逮捕には至らなかったと思うと、今回の事件は岩楯も苦労していましたが細い糸を繋いで行くようで気になりすぎてあっという間に読んでしまいました。

    唯一どうでも良かったのが被害者のマサキでした。憧れのイーストウッドになるにはまず痩せような…。

    このシリーズで実は1番好きなのが最後の大団円シーンなのですが、毎回ほっこりします。
    今回は鰐川と岩楯がイチャイチャしていて良いぞもっとやれ、と思いましたが赤坂ともイチャイチャして欲しい!!(まだ言っている)
    虫がO型説は本当なのか、遠い未来は虫で足りない輸血を補えるのか、本物の昆虫学博士の方にお話を聞いてみたいですが、アリの干物を使ったアリマテラピーだけは絶対にしたくないです。くしゃみしたら干物が散らばる地獄絵図。想像しただけで鼻が痒くなってきました。

    2023年の最後の文章がアリの干物の話となりましたが、本年度は大変お世話になりました。このような勢いで書いている感想を見て頂き、またコメントも頂きまして誠にありがとうございます。
    来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。2024年も皆様の感想が楽しみです!
    良いお年を!(BGM/寂しい熱帯魚)

    • ゆーき本さん
      赤堀ちゃんと岩楯がいい感じになるのは まだまだ先なのー!
      赤堀ちゃんと岩楯がいい感じになるのは まだまだ先なのー!
      2023/12/31
    • yukimisakeさん
      1Qさんお任せ下さい、進化させて行きますよ!≡≡≡⊂( ⊃'ω')⊃ズサー
      1Qさんお任せ下さい、進化させて行きますよ!≡≡≡⊂( ⊃'ω')⊃ズサー
      2024/01/03
    • yukimisakeさん
      ゆーきさん、まだ?!まだなんですか?!くぅー!!ヤキモキするぅー!!
      ゆーきさん、まだ?!まだなんですか?!くぅー!!ヤキモキするぅー!!
      2024/01/03

  • 虫は苦手だけどこのシリーズは面白すぎる。
    相変わらず面白くて一気読み。
    途中まで何が絡んでくるのか分からない所も面白い。
    岩楯刑事とメモ魔の鰐川刑事と赤堀先生。
    すっかり愉快な仲間たち。
    刑事2人の危機を救った赤堀先生の洞察力さすが。
    犯人が凶悪犯ではなく、生きづらさを抱えていた若者と信頼されるべき人だったことに衝撃。


    • 栞さん
      ゆーき本さん、おはようございます( ˶˙ᵕ˙˶ )
      ワニさんがどんどん赤堀先生に懐いていく。。微笑ましい(笑)
      ゆーき本さん、おはようございます( ˶˙ᵕ˙˶ )
      ワニさんがどんどん赤堀先生に懐いていく。。微笑ましい(笑)
      2023/11/13
    • ultraman719さん
      こんばんは!

      もう、これも読まれたんですね!早々と追いつかれました(^^;;
      甲殻類は、大丈夫なんですか?
      よくも、生き残れたもんですよね...
      こんばんは!

      もう、これも読まれたんですね!早々と追いつかれました(^^;;
      甲殻類は、大丈夫なんですか?
      よくも、生き残れたもんですよね。真夜中に海に浮いてて…
      2023/11/14
    • 栞さん
      こんばんは.ᐟ‪
      シャコ。見た目ちょっと気持ち悪いですよね。
      海老、蟹ならまだいいけど。
      私はワニさんと同じく全くのカナヅチなので、生き残れ...
      こんばんは.ᐟ‪
      シャコ。見た目ちょっと気持ち悪いですよね。
      海老、蟹ならまだいいけど。
      私はワニさんと同じく全くのカナヅチなので、生き残れる気がしないです。
      2023/11/14
  • すっかりハマっております(^ ^

    毎回毎回、よう面倒臭い設定を思い付くもんだ...と感心してばかり。今回は、虫先生が死体の第一発見者になってしまう。

    例によって、警察の「真っ当な」検視報告に真っ正面から楯突く法医昆虫学者。それを丁寧に検証し、少しずつ核心に近づいていく。法医昆虫学の面からと、いわゆる警察の地道な調査と、両輪で真相をつかみかけた...と思った途端のちゃぶ台返し(^ ^; 「え、あと残りこんだけしかページ数無いのに、ここでこんなことがあっていいのか!?」と心配になる読者(^ ^;

    「ツッコミどころ」も無いわけではないが、ほとんど気にならないほど緻密に組み上げられたプロットがお見事。また今回は岩楯刑事が危機に瀕するが...その原因を作ったり、助けに言ったりする脇役陣の描写がリアルで素晴らしい。人間ってなぁ、弱くて愚かなもんだなぁ...などと、しみじみ思ってしまう。

    定評ある(?)グロ描写は、ますます快調(^ ^; 思わずウミケムシを画像検索してしまったりして(^ ^; 心底後悔しましたとさ(^ ^;

  • シリーズ3作目!
    順調に読み進んでる。
    今回は昆虫だけでなく水中生物まで範囲が広がっていた。
    赤堀先生がダイビングまで得意とは!
    今回もクライマックスはハラハラドキドキ。
    最後の岩楯刑事と鰐川刑事の救出シーンは、万が一の確率くらいに思える出来過ぎ感はありましたが、面白かったのでヨシ。
    川瀬先生の法医昆虫学捜査官シリーズはテッパン!ハズレないな。

  • 法医昆虫学ミステリ、シリーズ三作目。
    いいところも気になってしまうところも、前二作と同じ。
    相変わらず謎解きの過程は極めて斬新で、かつ馴染みやすい文章力もあるので、面白い。スタンダードな刑事捜査を平行させているのもよいし、三作目ともなりキャラに馴染みも出てきた。
    が、ラストが大味のアクションものになり、かつご都合主義が見えてしまう点もまた、これまで通りである。シリーズ外の作品もそうなので、もはやこの著者のスタイルなのだろうが、あまりに毎回過ぎるとちょっといただけない。
    とはいえ、間違いなく次作も読んでしまうだろう。これは昆虫のバリエーションだけで多分十作以上読める。
    4-

  • 法医昆虫学者の赤堀涼子を主人公にした異色のミステリー・シリーズの第3弾。シリーズを重ねるごとに面白さが増している。巧みなプロットとミステリーとしての深さもさることながら、その要因の一つに毎回、新たな個性的な変人キャラが登場することがあるのではないだろうか。

    赤堀涼子が荒川の河口で偶然発見した激しく損傷した男性の遺体。手掛かりは遺体に付着したウジと微物、そして、遺体の腕の刺青の痕跡だけだった。果たして、男性の正体は。男性の死因は他殺なのか、自殺なのか…

  • 今回は海の虫たち
    赤堀先生の奇行 増してってるような
    でも 真っ直ぐなところは魅力的
    今回は鰐さんが登場
    次は誰かな

  • 頁を開くと「夏からの知らせ」の文字があり、いま読むのにピッタリだと思ったら、舞台は北風吹く時期じゃあないですか。まぁ、夏にウジを見るよりは良さそうだけど、毎度想像すると耐えがたいシーンの連続なのがこのシリーズ。そこを我慢して読む価値はじゅうぶんにあります。

    本作では昆虫のみならずシャコについても詳しくなれそう。見目麗しいとは言えないシャコが性格も獰猛ならば、もう食べる気がしない(泣)。

    赤堀女史には惚れざるを得ません。岩楯刑事とのロマンスは今後も要らないけれど、鰐川刑事の懐きぶりはちょっとカワイイかも。

    いちばん悪事に絡んでいてほしくなかった人の関わりはかなりショックでした。漁師の実情が垣間見える。

  •  法医昆虫学捜査官シリーズの第三作。 遺体の第一発見者となった赤堀さん、今回は蟲を追って河から海へ・・・。
    自然に晒された屍は想像もよらない変貌を遂げる。 科学の力でどれだけ真相に近寄れるか見物です。 流石の安定したシリーズ。

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著者プロフィール

1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、’11年、『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。’21年に『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』(本書)で第4回細谷正充賞を受賞し、’22年に同作が第75回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門の候補となった。また’23年に同シリーズの『クローゼットファイル』所収の「美しさの定義」が第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。ロングセラーで大人気の「法医昆虫学捜査官」シリーズには、『147ヘルツの警鐘』(文庫化にあたり『法医昆虫学捜査官』に改題)から最新の『スワロウテイルの消失点』までの7作がある。ほかに『女學生奇譚』『賞金稼ぎスリーサム! 二重拘束のアリア』『うらんぼんの夜』『四日間家族』など。

「2023年 『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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