図書館の魔女 第二巻 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933667

感想・レビュー・書評

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  • やっとキリヒトの正体が明らかに。
    続きが気になります。

  • 第二巻。
    キリヒトが気付いて、マツリカが発見し、確信した、
    地下にある忘れ去られた設備。
    側近であるハルカゼとキリンにも秘密とされた理由。

    暗闇の中、予測に基づいた探索と新たな発見と考察。
    それにより先人達の知恵と知識と謎に触れる。
    探検の後、秘密の市中の散策と約束。
    そして知ることになるキリヒトの本当の使命。
    キリヒトの悲し気な笑顔が切ない(T□T)
    マツリカ達は政治的にどう動く!

    最後のシーンは本当に切なくて、それでも二人は
    どこか似たような境遇だから、きっと通じ合っていると信じてる!
    全く、次から次へと降りかかる事件が多すぎます!
    ワクワクだけでなく、心臓に悪いドキドキが追加されて
    ますます目が離せません。

  • 面白くなってきた!独特な難しい言葉もこれもマツリカやキリヒトの世界観のひとつと肯定できるようになった気がする。。
    とはいえ、後半キリヒトの描写は想像力が追いつかない部分も。。
    3.4巻読むのはやはり根気は入りそうな気がしいる。
    そしてこれが映像化したら声優もしくはキャストは、なんて考えるのもすごく楽しい。

  • この小説の最も優れている点は、なんと言っても内容の奥深さだと思う。リアリティーを究極まで追求した訳ではなく、作品という枠に収めつつも限りなく深く濃い内容を内包しているため、魂の琴線に触れる仕上がりとなっているのだと思う。今の言葉でいえば「まじ尊い」という気分である。小説の限界や可能性を押し広げた作品であると行っても過言ではないだろうか。この作品と作者がより評価されると嬉しい。

  • 序章は一ノ谷の地下にある水路の冒険の続き。サイフォンのしくみがどうしても分からず、動画を見て勉強してしまった(笑)
    なにやらキリヒトもやっぱり普通ではない、というヒントがちりばめられていて、彼の正体が気になる。
    と読み進めると…前半と後半のトーンが…!
    キリヒトの素性が明らかになって、一巻のあのシーン、あんなことになってたの!?
    とびっくりする。
    一ノ谷の回りにひしめく陰謀の数々と、それらの中をすいすい泳ぎ回る図書館の有能メンバー達。

    前半は地下の探索や市井の食べ物、川遊びの話に目を輝かせるマツリカ。キリヒトが当たり前の事を知らないマツリカをからかい、川遊びについて子供らしい顔で話すシーンが印象的。

    中盤以降、市井で聞こえた男達の会話から暗殺計画の陰謀を解き明かしたマツリカをヒヨコが危惧していたが、多分マツリカはキリヒトの知られざる一面を知り、またそれが立場が違えども自分と同じ境遇に近いものを感じて、そしてそれはキリヒト本人は厭っていることに気づいて、初めて人心を、というか、キリヒトを思いやったんじゃないかな。
    特別な秘密を共有し、てらいなく話せる友人、とも言えるキリヒトの境遇に涙を流して、本人に気づかれないよう配慮して、本人がなるべく厭っている能力を全面に出さなくてもいいように彼の心を守ろうと言葉を紡ぐマツリカは、ヒヨコが思っているほど歪ではないんじゃないかと思うよ。

    今回の件で、マツリカとキリヒトの絆や、図書館メンバーの絆が強くなったよう。
    活発になるニザマ帝国の企みや一ノ谷の内部がどうなるのか、地下の謎の物体は何なのか。次に続く。

    ◯調べた言葉一覧
    蘚苔(せんたい)…コケ植物
    花卉(かき)…観賞用になるような美しい花をつける植物の総称。
    耳朶(じだ)…耳たぶ
    茫漠(ぼうばく)…とりとめがないほど広いさま。また、ぼんやりしてつかみどころのないさま。
    無窮(むきゅう)…きわまり無いこと。無限。永遠。
    粗朶(そだ)…木の枝を切り取ったもの。たきぎその他に使う。
    回折(かいせつ)…進行する波動が障害物の影の部分に回り込んで伝わる現象。物かげにいても音が聞こえるなど。
    迫持(せりもち)…入り口や窓の上部が、半円になるように石や煉瓦を互いにせり合わせる建築方法。アーチ。
    悖乱(はいらん)…道理に逆らい、正道を乱すこと。道に外れた行いをすること。
    一尋(ひとひろ)…尋(ひろ)は、古代の中国や日本で使われた長さの単位であり、現在の日本では主に水深を表すのに用いる。尋=6尺(1.818メートル)
    固陋(ころう)…がんこで、見聞がせまいこと。また、考え方が古くて新しいものを受け入れないこと。
    襤褸(らんる)…使い古しの布。ぼろきれ。
    兵站(へいたん)…戦場で後方に位置して、前線の部隊のために、軍需品・食糧・馬などの供給・補充や、後方連絡線の確保などを任務とする機関。その任務。
    輜重(しちょう)…軍隊の糧食・被服・武器・弾薬など、輸送すべき軍需品の総称。
    問屋場(といやば)…問屋場は、江戸時代の街道の宿場で人馬の継立、助郷賦課などの業務を行うところで、駅亭、伝馬所、馬締ともいった。
    鵞ペン(がぺん)…ガチョウの羽ペン
    詭計(きけい)…人をだます計略。
    遽然(きょぜん)…にわかであるさま。突然。
    趨勢(すうせい)…物事がこれからどうなってゆくかという、ありさま。なりゆき。
    用間(ようかん)…スパイ
    劃定(かくてい)…区切りをはっきり定めること。
    排簫(はいしょう)…中国の竹製縦笛。
    禾本科(かほんか)…イネ科
    凱風(がいふう)…南風。初夏のそよ風。
    昂然(こうぜん)…自信に満ちて、意気盛んなさま。
    纏繞(てんじょう)…まといつくこと。からまりつくこと。また、巻きつけること。

    こうやって調べると禾本科の穀物畑とか、すごい冗長性だな…。

  • 最初は1巻と同じ様な感じで読み進めていたのですが、中盤から急に物語が進みそこからは一気に読んでいました。と言うより、気付いたら読み終わっていました。主人公2人が本当に魅力的で、だからこそとても切ない。

  •  片手にこの小説、片手に辞書、それでもわからないときはインターネットで言葉を調べながら読んだ作品です。これまで読んできた中で読み終わるまでに一番時間がかかりましたが、それに見合う読書体験ができました。人生で一番読み応えがあって、感動し、満足させてもらいました。こんなに趣味が読書で良かったと思ったことはありませんし、今小説を読んでいる!という充足感が最高です。

  • 中盤になって、一気に面白くなってきた!
    今までの伏線が回収され始め、一気に進んだ。
    マツリカとキリヒトの心情…この2人に芽生えたものは何か切ないもののような予感がする。
    2人と2人を取り巻く人たちのこれからが気になる!

  • 全4巻中、2巻での出来事
    ハルカゼとキリンの来歴
    地下水道の詳細
    政治のあれこれ
    マツリカ暗殺計画
    キリヒトの本当の役目
    マツリカ、キリヒトの境遇の相違


    キリヒト、カッコいいじゃないか
    自分の本来の能力を見せるシーンの前のところが切ない
    そして、その後の態度とかさー

    あと、そんな雰囲気のところに、イラムの指摘
    そうそう、キリヒトは自分の仕事を全うしただけで、褒められこそすれ、遠ざけられるようなものではないんだよー

    そんなキリヒトに対してマツリカが暗闇で涙を流しながら気づかれないようにしつつも、キリヒトも同じく涙を流してるとか
    キリヒトに仕込み杖を持たせない判断とか
    胸がキュンキュン来てしまう

    まぁ、キリヒトの役目に関しては、読者には最初から何となくは開示されてたんだよなー
    そもそも、名前がキリヒトって時点でねぇ?

    他の作家さんの小説だけど、誉田哲也の武士道シリーズで桐谷先生が(きりたに)ではなく(きりや)と読む理由がわかったときの衝撃たるや
    そんな読書経験があったので、もしや?とは思っていたからなぁ

    続きを早く読みすすめる

  • この第2巻目からはスピード感をもって引き込まれていった。それとともに前巻では感じられなかった図書館の魔女であるマツリカ、さらに側近であるハルカゼ、キリンら司書たち、そしてマツリカの通訳であるキリヒトの人物像や感情の動きを確信し始めた。もし第1巻のスローで起伏のない展開に戸惑いを持っていたなら、是非第2巻までは手にして欲しい。この小説が思わぬ見つけものであり良作のファンタジーと思う事間違いない。マツリカは文中で述べている「人は何を選ぶのではなく、
    幾通りの選択から何を選ばないのか?そこに人となりが顕れる。」

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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