図書館の魔女 第四巻 (講談社文庫)

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著者 : 高田大介
  • 講談社 (2016年5月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933889

図書館の魔女 第四巻 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 第45回メフィスト賞受賞作。

    すんごく面白かった。これは…数年に一度出るか出ないかの凄まじいファンタジーだと思う。世界設定もさることながら、細かな部分も確かな知識もしくは調査に裏付けされて緻密に描写されている。ここまで微に入り細を穿ちといった感じで書かれているリアリティ溢れるファンタジーは、おそらくファンタジー作家なら皆目指すところなのだろうが、それを実現できているファンタジー小説は数えるほどしかない。
    いやほんとにすごい。

    とはいえ小説としてのアラは見えなくもない。特に1巻目、2巻目は視点移動がぽんぽん起こるせいでちょっと読みにくかった。
    それから、描写が細かすぎてちょっと辟易する場面も。カットしていいところも結構あったんじゃないかなあと思う。
    というか序盤がきつかった。まだ世界観にもキャラクターにも入り込んでいないのに、延々と情景描写が70ページ以上続くのは、ちょっと。

    歴史、地理、政治、あらゆる側面からの世界の詳細な説明、まるで階段を一段一段上っていくかのような隙のない理屈で組み合わされた登場人物たちの会話、そしてあらゆる分野の知識の開陳にかなりのページを割かれていること…この小説を読んでいると、大学の教授の話を聞いている気分になる。学生時代師事した話好きの教授を思い出す。それとも作者が言語学者だという前情報による偏見だろうか。
    この言葉、知識の奔流は読む人を選ぶだろう。人によっては「講釈はいいから早くストーリー進めてよ!」という気分になるかもしれない。ただこの小説、その講義の中にこそストーリーの鍵が含まれていたりするものだから、読みとばすのはおすすめしない。
    ついでにいうと難しい言葉もたくさん出てくる。結構小説を読んでる方だと自負していたが、読めない、意味のわからない言葉がわんさかあって自尊心をへし折られた(笑)

    ペンは剣より強し。それを体現している物語だと思う。
    ただし、剣の方もなおざりにされずやっぱり細かな描写でしっかり描かれていて、剣の方にクローズアップされたシーンもすごく面白い。
    剣が活躍するシーンでは一見ファンタジー的な生物や能力が出てくるのだが、いちいち民族学etcの説明がされてて、おそらく空想生物ではなく実際にこの世界にいる存在を想定しているんだろうなということを窺わせる。勿論多少過剰な味付けはしているだろうけれども。
    おかしな話だが、このファンタジーは徹底してファンタジー色を追い出すことによって素晴らしいファンタジーになっている、と思う。
    まるで高い塔の魔女が魔術を嫌っているかの如く。

  • やっと読めたー満足感がある。
    すごく壮大で、今まであまり読んだことのない感じの話だった。
    時が経つにつれてどんどん仲良くなるマツリカとキリヒトが微笑ましくて可愛いなーと思っていたけど、登場人物たちはみんな個性豊かでいいな。
    衛兵たちもそれぞれ愛すべきキャラクターだった。
    作者が言語学者ということもあって、言葉とか文字とかの話が多いし、とても大切なものとして書かれている。
    それがとても心に残った。
    私自身も学生時代に言語学を学んでいて、こういう話が大好きなのです。
    言葉はただの道具じゃなくて、言葉こそ意思そのもの。マツリカを見ていて強く感じた。

  • 今年一の当たり本でした。読書に集中して、読み終わった後に現実に戻りきれない感覚は久し振りです。
    怒涛の最終巻。マツリカの語る、言葉の話に胸を打たれました。別れの手紙にも。
    一つの世界を作り上げてしまうなんて、本当にあった話みたいで、読み終わった後も、話がまだ続いているような気がしてます。

  • また、ひとつの創世を見た。すっかり浴していたこの物語の世界から、この歴史から離れるのは望外の哀しさだ。

    なるほど本作はファンタジーだ。だが作中、何ひとつ超常的な力は出ない。全ては我々の現実に起こり得る事象のみで綴られ、因果は理詰めだ。それが、もしかしたらあったかもしれない我々の歴史を夢想させる。そして古来図書館とは、知の集積地であり象徴なんだな、というのも感じる。

    珍しく辞書首っぴきとなった言葉の嵐も、権謀術数の中の甘酸っぱいボーイミーツガールも含め、とにかく楽しい読書だった。

    余談だけど。ワシはひとつの世界を生み出した作品が大好きだ。それは、ひとつの歴史を生み出していると言ってもいい。

    個人的にその初体験と言えば「銀河英雄伝説」だし、古典なら「指輪物語」や「クトゥルフ神話」、最近なら「新世界より」であり「ハリーポッター」も入るかもしれない(あれは「歴史」ではないか)。

    本作、「図書館の魔女」は、そこに列せられて遜色ないものになっているのではないかと、割と本気で思う。

  • 読み終わりたくない、と思いながら、泣きながらページを捲った。

    ファンタジーは埋没感の大きいジャンルだけど、この物語はそれが加速度的に引き込まれてく。

    マツリカやキリヒトたちと共に過ごして、言葉のもつ力というものを思い知った。運命なんてくそくらえだなあ。

    何を選択していくか。自分の意志で選んでいくか。

    世界は、変わるのだと。

  • 解説が読みたいためだけで、購入。
    だって、第1巻・第2巻を読んで待ちきれずにハードカバー買っちゃったのだもの(笑)
    ファンタジー好きの私が巡ってきた世界の中でも、引き込まれる度は本当に★5つです。

    東えりか氏の解説も、ハマってしまわれたのだな、とニヤリとする絶賛。
    けれど、その東氏に薦めた編集者もまた、ハマってしまわれている。

    これが初めて?とついAmazon検索してしまうくらい、緻密な世界観。(ONE PIECEが世に出たときの衝撃、というと誇張?)
    けれど、本好き達がこれは!と思って人から人へ繋いできた作品なのだろうと思う。

    『図書館の魔女』の良さは、決して魔法に頼らない所にあるように感じる。
    キリヒトの存在は、ややチートなのだけど、ミツクビ側の打つ手がかなりえげつないので、これくらいの手札は許しても良いと思う(笑)
    マツリカや、キリン、ハルカゼの知恵が随所に張り巡らされ、まんまとそこに嵌っている構図。
    でも、そんなマツリカ達をも凌駕するのは世界であり、歴史であり、言葉なのだ。

    そして、何か大きな欠損を持つ者たちが、自分の力で拓いてゆこうとする意志。
    世界と意志に彩られた物語に、うっとりしないわけがない。

    ちなみに。続編も面白い!
    ハードカバーでも買いたくなります。オススメ。

  • 夢中になって、何度か途中でやめることができずに朝まで読んで、やっと読み終わった!
    とても長かったけれど、だからこそどっぷりとこの世界に浸れたと思う。

    人と人、言葉と声、そして図書館。
    たくさんのものがぎゅーっと詰まってて、なおかつどのキャラもとても魅力的で、この世界、そしてその中で生きる彼らをもっと見たくなった。
    終わりが気になってやめられないのに、終わってしまうのがとても悲しい。

    すごかったなぁ…何度も読みたいなぁ。次はじっくりゆっくり、味わうように読めそうで、それも楽しみ。
    続編も読みたい!

  • 言葉に興味を持って生きてきたことを全肯定されるような本だった。
    これまで読んだ本全てのうち、控えめに言っても5本の指に間違いなく入る名作!と、読書家でもない自分の尺度を持ち出すことすら、おこがましいけれど。

    これをプレゼントしてくれる親友がいて幸せだと思った。

  • 政治的な調略あり、呪術をからめた戦闘あり、海上での感動的な会話あり、まだまだ広がる未来を予感させるいくつかの別れありと、盛りだくさんな最終巻。長い物語を読む喜びがつまった作品だと思う。またぜひ、成長した彼らに再会したい。

  • 請求記号:913.6||Ta 28||4
    資料ID:C0038288

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図書館の魔女 第四巻 (講談社文庫)の作品紹介

手を汚さずして海峡に覇権を及ぼす、ニザマの宦官宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座したのは、宦官宰相の専横に甘んじてきたニザマ帝、アルデシュ、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師の行方は?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。

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