眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934756

作品紹介・あらすじ

懐かしく思い出した。本格ミステリの潔さを。森博嗣

放浪の数学者探偵、降臨!
"堂"シリーズ文庫刊行開始!
新たな理系&館ミステリ。シリーズ第一作

神の書、"The Book(ザ・ブック)"を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人(とわだただひと)がジャーナリスト・陸奥藍子(むつあいこ)と訪れたのは、狂気の天才建築学者・驫木煬(とどろきよう)の巨大にして奇怪な邸宅"眼球堂"だった。二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。密室、館、メフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作となった傑作本格ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 今では、堂シリーズとなっている一作目メフィスト賞受賞作。
    眼科医系のミステリーでは、ありません。
    作者さんが、建築学科ご出身で、天才建築学者が、山奥の北面の辺鄙場所に建てた私邸が、ミステリーの舞台となります。
    そして、この私邸の設定が、なかなか奇抜で大がかり。これが、眼球の形状をしているので眼球堂と呼ばれます。
    ミステリーを解いていくのは、放浪の天才数学者。
    殺害されるのも、建築・数学・医者・芸術家の四人の天才達。
    理数系の蘊蓄は出てくるけど、読める程度で問題ありません。建築は、わからないけど建築物は好きなので、巨大建築物設定は、わくわくします。
    クローズドだけど、巨大すぎるので、納得しにくいような。殺害動機は、そんなもんかなあと納得するようなしないような。
    登場人物紹介で、犯人はこの人だろうなあと思ってしまうところがあったけど、そこを隠し切ってのストーリーは楽しめました。

  • 天才が館の集まっての奇抜、奇天烈殺人なお話
    Howのトリックが共感できなくて腹落ちしない
    Whyなんて凡人には理解できません
    終始、置いてけぼりを食らたまま読了

    クローズドサークルは、感情移入してなんぼ
    ザ・ブックにも私は惹かれませんでした

    メフィスト賞は私に合わないのか!?

    琴線メモ
    ■正十七角形ほど端整な図形はない。素数辺を持つ正多角形のうちでは、定規とコンパスだけで作図できる稀有な図形

    ■ザ・ブック。 十和田が心酔する、神の書物

    ■この渾沌とした世界には、『神』などいない。あるのは只、『人』……それだけだ

  • 『堂シリーズ』第一弾。
    変人数学者・十和田只人とルポライター・陸奥藍子の二人が人気の無い所に建つ『眼球堂』へ招待され、そこで連続殺人に巻き込まれていく物語。
    久々にゴリゴリのクローズドサークルもののミステリーを読んだのでとても新鮮で面白かった。登場人物も少なく展開もテンポ良く進んで行くのでとても読みやすかったです。トリックは眼球堂の吹き抜けに水をためる所は正解できたが、まさか回廊が回転するという所は見抜けなくて悔しいなぁと思いました。
    そして真相は「まぁ、だよなぁ」と思いそのまま読み続けたらまさかのエピローグで陸奥藍子=善知鳥神であり、犯人の共犯(しかも善知鳥が主犯)という所にオチを持ってきたのがとてもびっくりしました。そしてこの小説自体が作中作であり、犯人の手記に近いことをやっていたのかと驚き、驫木が物理学・政治学などを批判したように彼女も小説という『文学』を数学に比べたら下であると言う事を自分の書いた小説に忍ばせることでそれを証明するという所がとても鳥肌が立ちました。
    この『堂シリーズ』は続いていくようなので来年からも読んでいきたいです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    十和田只人:津田健次郎
    陸奥藍子/善知鳥神:種田梨沙
    驫木煬:土師孝也
    平川正之:石川界人
    深浦征二:楠大典
    三沢雪:大原さやか
    造道静香:M・A・O
    南武耕一郎:山路和弘
    黒石克彦:岩田光央

  • 放浪の数学者・十和田只人とジャーナリストの陸奥藍子が訪れたのは、狂気の天才建築家・驫木煬の奇怪な邸宅”眼球堂”。
    その眼球堂で2人と、共に招かれた各界の天才たちを次々に事件が襲う。


    周木律さんのデビュー作。メフィスト賞受賞作にして、「堂」シリーズの1作目です。

    クローズドサークル、客人として招かれた各界の天才たち、奇怪な巨大建築物、そして次々と起こる事件……。ミステリファンにはたまらない設定で、そこそこのボリュームのある本ですが一気に読んでしまいました。現実感という点では乏しいですが、とにかくスケールの大きなトリックやギミック、動機が楽しいです。

    こういう、天才同士の論争やディベートのようなシーンも好きなので、個々の登場人物の考え方や立場などを思いながら興味深く読みました。理解できているかというと微妙ではありますが……。
    意外と、”建築至上主義”の驫木の考え方も(キャラクターとしては)好きかもしれない。あまり他で見たことないタイプで。

    綾辻行人さんの館シリーズとかもそうなんですが、こういったミステリ界にしか存在しないような巨大で奇怪で実用性の無さそうな建築物は本当にワクワクします。
    あとがきで言及されて初めて知ったのですが、作者さんも建築学科卒業だそうで、楽しんで書いたという眼球堂の図面や見取り図の数々がとても素敵です。

  • 数学者×女性助手という設定で、どこか森博嗣さんの「S&Mシリーズ」を彷彿とさせるようなストーリーにワクワクしながら一気読みしました。

    特殊な建築物に集められた各界の天才たちが事件に巻き込まれていくのですが、事件が起きてからは続きが気になりすぎてしまい、読む手が止まらなくなりました。

    ネタバレを踏まずにコメントするのはなかなか難しいのですが、こういう天才殺人鬼みたいな設定は好みのタイプだったかなと思います。

  • 壮大なトリックに最後のどんでん返し。ミステリー小説読みました!!が読了後一番の感想。綺麗ではあるけど、既視感のあるミステリー。三日目までが長かった。

  • 年に数回、コテコテの推理小説が無性に読みたくなることがあります。
    その衝動に駆られて今回手にしたのがこちら。
    いかにもミステリー調の装丁が気になっていたのと、程よい厚さで読み応えがあるかなと思い特に前知識なく購入しましたが、読んで正解でした。
    私はミステリー通というわけではなく、話題の作品をつまみ食いする程度のミーハーですが、解けそうで解けない絶妙な見せ方、そして最後まで予想を裏切る展開に引きつけられてイッキ読みでした。

    探偵役の数学者・十和田のクセのあるキャラクターにも愛着がわき、とりあえずシリーズの次の一冊は読んでみようかな、と思います。

  • 天才建築学者が建てた、巨大で奇怪な建物内で各界の天才達が集うがそこで事件が...という著者デビュー作であり、堂シリーズ記念すべき一作目。
    クローズド・サークル、本格ミステリ特有の図面、数学、建築学、物理学の多彩な蘊蓄...といったミステリ好きならワクワク要素のオンパレードで胸が高鳴りますよね、そうですよね!?(同調圧力)
    そしてその設定に恥じない大掛かりなトリック!
    このシリーズ今後も追っていこう

  • タイトル買い。面白かった。
    スケールの大きいトリックで、でも納得できる内容。
    ただ、実際実行するとなると本当に可能なのかな?
    特に水貯めて〜の部分。時間的にも物理的にも体力的にも、これ厳しいのでは?という印象。再読で吟味してみる。

  • 動機やトリックの可能性はおいといて、図面がとにかくワクワクする。ミステリー好きは図面だけで、あれこれ考えてしまう内容でした。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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