原調 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062935203

作品紹介・あらすじ

重傷を負いつつも病院から失踪した被害者、高速道路を横断し轢かれた主婦の黒い噂、事故の記憶がない轢き逃げ犯……警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野隆幸が“原調(原因調査)”で暴く! 元損保勤務だった著者だから書けたリアルな"交通事故ミステリー”。

感想・レビュー・書評

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  • 交通事故の加害者側が契約する損保会社の保険査定員・滋野による原調=原因調査。滋野の心情はほとんど窺えず、淡々と調査を進めるデキる査定員という印象。かといって冷ややかなわけでもなく、事故を公平な目でつぶさに見ようという姿勢に好感を持ちました。ただ、事故の真相はやるせないものばかり。なぜこんな事故が起きたのか明かされ、加害者と被害者双方のことを考えてしんみりするというよりは、やるせない気持ちでいっぱいになります。

    いい話で終わらせないところが江戸川乱歩賞受賞者なのかしらん。面白かったけれども、私の好みとしては、結末が「めっちゃいい話」か「どん底に突き落とされるほど嫌な話」のほうがいい(笑)。

  • 初めてのジャンル。なかなか興味深かった。主人公は好きになれなかったけど。

  • 損害保険査定員の滋野隆幸を主人公にした連作交通事故ミステリー。七話を収録。

    交通事故の裏にある事実を暴きつつ、まるで感動の結末を演出するかのように加害者と被害者の双方が不幸にならない方向にストーリーは展開し、些か無理のある決着を迎える。損害保険査定が一般的な犯罪のように白黒のはっきりした決着と違うことは理解出来るのだが、どうにもスッキリしない。

    同じような交通事故をテーマにしたミステリーに北上秋彦の『現場痕』があるが、こちらの方が遥かに面白かった。

  • 警察も見逃す不審事故の真相を損保査定官・滋野が暴く! 

    年間交通事故数53万件の日本。警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野隆幸が?原調(原因調査)?で暴く! 元損害保険会社勤務だった著者だから書けたリアルな?交通事故ミステリー?。

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著者プロフィール

1966年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
2009年『プリズン・トリック』で第55回江戸川乱歩賞を受賞。著書に『トリック・シアター』、『天命の扉』、『原罪』、『龍の行方』など。

「2014年 『現調』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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