浜村渚の計算ノート 7さつめ 悪魔とポタージュスープ (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936064

作品紹介・あらすじ

その名も「不可能」なる立方体に人質が閉じ込められた! 助け出すヒントは”(-1)×(-1)”。浜村渚は数学的名案を閃くか!?

感想・レビュー・書評

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  • (-1)×(-1)=1。学校教育では当然のことと教えられ、疑問にも思わずに憶えたものだ。数直線上の0点に潜む悪魔を避けるために、円弧を描いて飛び超えると説明されている。う~ん、わかったような、わからないような……。自然数の足し算を、本書では自然数の連続性から説明しており、目から鱗であった。そんな数学への思いを乗せて、キューティー・オイラーは自ら逮捕され、アドミラル・ガウスへの追及に協力すると思われたのだが、東京地裁で行われた公判でドクター・ピタゴラス復活を示唆する不規則発言の真相とは?

  • もう7巻になると、覚えている数学の知識はほとんど出てこない。
    でも、面白く読めるのがこの作品の魅力。
    そして読み終えたあとは数学面白そうだと思うし、ちょっと好きになる。

  • マイナスにマイナスをかけると何故プラスになるのかの解説は面白かった。
    4話めの「数学手本忠臣蔵」の大石ペアノ助は、このシリーズらしいキャラでよかったですね。

  • 今回も、渚が活躍しました。本当に数学が好きだからこそ、彼女はこの捜査に必要だと改めて思いました。
    しかし、最後にドクター・ピタゴラスが復活するのか。そして復活したらアドミラル・ガウスはどうなるのか?と気になる言葉を残して皆藤ちなみは去って行った。次はどうなる?

  • 彫刻の話が一番面白かった。「ズルをする」がまさかそんなところに引っかかってくるとは思わなかった。伏線もしっかりしてるしミステリーとしても面白い。
    作中に登場する「1+1が2になる理由」確かに「そういうものだから」という理由で私たちは切り捨ててしまうけれど、学問って単なる暗記ではなくて、論理があってこそだからその理屈を教えられる人にこそ学問を教える立場になってほしい、ならないといけないなと思った。

  • 「深夜マイナス1」
    マイナスにマイナスを。
    式だけを見ると確かに無いはずの物同士をかけたら増えるというのは、不思議なことだな。
    偶然にも出会えたからこそ出来た事であり、無ければ行く先々で妨害にあっていただろうな。

    「不可能彫刻の森」
    数学の知識を使っても。
    もっと記憶が鮮明に残っており、当時から頻繁に交流があったら直ぐに解けた謎だったな。
    答え合わせをしても、回答をはぐらかせば正解には辿り着くことが出来ずに終わったのでは。

    「プレゼントにリボンをつけて」
    遂に手錠をかける事が。
    命の危険に晒されている今なら、下手に逃げ回るよりも捕まって安全を得る方が得かもな。
    違う出会い方をしていたら彼女といい話相手になり、ただの数学が好きな者だったのかもな。

    「数学手本忠臣蔵」
    まんまと誘き出された。
    絶対的な自信を持っているのかもしれないが、掌の上で踊ったのはどっちだったのだろう。
    狙われているにも関わらず余裕があるように見えたのは、全て終わったと錯覚してたからか。

  • 1+1がなぜ2なのかの証明というか説明はなるほどでした。マイナスとマイナスの掛け算がプラスとなる説明も可愛くて良かったです。

  • 面白かった

  • 「6さつめ」からずいぶん時間が空いた気がする「7さつめ」。
    マイナス、幾何学の三大難問、ケプラー予想、ペアノの公理のお話。
    いつも通り、難しい数学も浜村渚が話せばとても分かりやすくなる。

    ミステリなのに雰囲気が明るいのもいいところ。
    テロリストとボーリング対決までしてしまう。

    今作ではキューティー・オイラーとの決着を見せるわけだが、なんだか少しさみしく感じてしまった。
    渚の次に好きなキャラクターだな。

    あとがきと解説では、少年の頃のエジソンの「1+1はなぜ2になるのか」という疑問について述べられている。
    普段当たり前と思っていることについて、立ち止まって考えることが必要なのではないか?
    浜村渚は当たり前を当たり前と思わないし、数学についての誤りならば、わかりやすく正してくれる。
    そこがいい。

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著者プロフィール

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞しデビュー。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。2019年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。

「2023年 『あかがみんは脱出できない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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