灰色の密命(下) 1919年三部作 2 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936224

作品紹介・あらすじ

極秘ファイルの解読を試みるマックスらに立ちはだかる意外な刺客。
レンマーのスパイ網は身内にも張り巡らされていた。
一方、日本代表団の新たな代表となった戸村伯爵とその息子が、マックスらの行く手を阻む。
密約、裏工作、祖国に対する背信――
ゴダードが紡ぐ壮大なスケールの国際諜報戦、いよいよ佳境へ!

感想・レビュー・書評

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  • マックスがスパイらしいスパイになってきたのは上巻での印象。それがそのまま下巻に繋がる。スパイはピンチにになってからの逆転が面白いところ。本作品では最後に絶体絶命の危機に陥るマックスが描かれる。相棒のサムの活躍もきらりと光る。マックスが陥る立場は、スター・ウォーズに例えるとエピソード5「帝国の逆襲」の反乱軍のようだ。第三部への助走期間として、次の日本へ向かう大きな場面転換もありそうで、次への期待を抱かざるを得ない。早く続きが読みたい。

  •  めぐりめぐって、二重スパイになったマックス。
     
     チャプターのナンバリングがなくて、段落があってページが変わるってだけなのが、ものすごい緊張感を生んでいる。こんなことぐらいで、って思うけど、こんなことぐらいじゃないんだろうな。
     やっぱり、ゴダード、構成力が半端ないです。

     前作では、とにかく人物が入り乱れていたのだけど、ここで少し整理された感じ。
     まぁ、誰も敵か味方がわからない状態のままでは、盛り上がるものも盛り上がらないものね。とはいえ、え、この人が実はそうだったの、っていう展開には毎度、おおお、ってなるのである。

     ついでに、前作でマックスパパ、そんなことで…と結構がっくりしていたことが…。
     いやあ、そうじゃなきゃ。
     マックスのパパだもの。そうじゃなきゃだめだよね。
     
     そういうパパと素敵なお母様の子供であるマックスも、ぼんぼんだけど、いやぼんぼんだからこそ魅力的なのだ。これぞイギリスの風土と年月が生み出した紳士、って感じ。
     うむ。
     これは、むしろ自らの出自、バックボーンの話なのかもしれない。
     だからこそ、次の舞台が日本になったのかもしれない。
     
     次で完結になるそうな。
     楽しみ。楽しみ。

  • 上下巻纏めて。
    3部作の第2部。第1部のラストもやたらと気になるところで終わっていたが、第2部はもっと凄い。幾らなんでもこんなところで『続く』にしなくてもいいじゃないか……。

  • ゴダードのスパイ小説にも慣れてきた。慣れてくるとこれはこれで心地いい。キレキレの展開ではなく、いい意味での「ゆるさ」のせいか、ページを繰る手ももどかしくほぼ一気読み。

    第一部で提示された謎のキーワードが明らかになる第二部では、マックスとその仲間たちがともに多難を乗り越えながら結束を強めていく様子が描かれており、キャラクターひとりひとりに一層共感できる内容となっている。敵味方の構図も明確で、“ラスボス“レンマーの前に立ちふさがるであろう戸村伯爵親子がとにかく不気味。この時代の悪徳政治家ってこんな感じなのかな、凄みの持たせ方が巧いなーと思ってしまった。

    小さな謎が集約していく先は「ファンゴールド」。サー・ヘンリーとファンゴールドの複雑な結びつきを、ひねりと驚きに富んだ展開の中でじわじわ明かしていく手並みは、ゴダードならではの鮮やかさ。それぞれの想い、使命を秘めたまま、いよいよ次作は日本で全員集合の最終章。予想の上をいく真相に期待しています。

  • 次から次へと。。。

    そしてこれはもう第三部を読まないわけにはいかない終わり方。
    第三部へGO!

  • いやぁ、結末に向かって、盛り上がっていきますねぇ。特に最後、TVだったら「続く」となるような終わり方。すぐ次を読みたくなります。

    意外に思ったのが、作者が日本の事を多く書いている事。って言うか、次の舞台は日本ですからねぇ。海外の作家で、日本を舞台に書く人ってあまりいないと思います。果たして、どういう日本像が描かれるのか?

  • パリでは、日本代表団の新たな代表となった戸村伯爵らがマックスたちに立ちふさがる。
    舞台はフランス、イギリスから日本に広がろうとしている。
    ひとつの情報に命をかけるスパイたち。
    すこしづつ明らかになる事実。
    さて、最後に何が明らかになるのか。スピーディな展開に期待は膨らむ。

  • 盛り上がりつつ、次作に続く。。

  • 早くも話題沸騰の長編スパイ小説、待望の第二部! 父ヘンリーの秘密を解明するため、二重スパイの道を選んだマックス。日本代表団の新たな代表となった戸村伯爵とその息子が、マックスらの行く手を阻む。密約、裏工作、祖国に対する背信―著者畢竟の大作!

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著者プロフィール

1954年英国ハンプシャー生まれ。ケンブリッジ大学で歴史を学ぶ。公務員生活を経て、’86年のデビュー作『千尋の闇』が絶賛され、以後、作品を次々と世に問うベストセラー作家に。『隠し絵の囚人』(講談社文庫)でMWA賞ペーパーバック部門最優秀賞を受賞。他の著作に、『還らざる日々』『血の裁き』『欺きの家』(すべて講談社文庫)など。

「2017年 『宿命の地(下) 1919年三部作 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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