ブラックボックス(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936361

作品紹介・あらすじ

当代最高のハードボイルド作品と言われる、ハリー・ボッシュ・シリーズの邦訳最新刊!すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるという、ハリー・ボッシュの信念を象徴しているかのような記念碑的作品。因縁の未解決事件に再びボッシュが迫ります。
1992年のロドニー・キング殴打事件にはじまったロサンジェルス暴動。ロス市警ハリウッド署殺人課のボッシュ刑事は、相棒のエドガーとともに、市内警邏の応援に駆りだされていた。
 そこでひとりの外国人白人女性の射殺死体が見つかったという報告を受ける。被害者はデンマーク国籍のフリーカメラマン兼ジャーナリスト、アンネケ・イエスペルセン。暴動取材にやってきて、強盗被害にあったものと思われていたが、犯人は見つからなかった。いわば、ボッシュにとって、最初の未解決事件になり、永年心に残っていた。
 2012年、未解決事件班で、ロス暴動20周年にあたり、当時の未解決事件を集中して再捜査することになり、ボッシュはイエスペルセンの事件を担当する。
市警上層部からの妨害を受けながらも、秘密裡に単独行動するボッシュの身に危険が迫る!

感想・レビュー・書評

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  • ボッシュ・シリーズ20周年を飾る作品。
    ロス暴動からも20年の2012年発行で、かってボッシュ自身が暴動の際に出会った未解決事件に今また取り組むという。

    被害者のデンマーク人記者について調べ始めたら、かなりのキャリアがあった女性で、ネットに彼女の業績を記録するサイトが開かれていた。
    サイトを作った彼女の兄に連絡を取るボッシュ。
    知られていなかった一面を掘り下げていくと‥
    仕事一途で勘の鋭いボッシュらしく、ぐいぐい迫る展開に。

    私生活の出来事もいろいろあり、こなれた味わいも。
    一緒に暮らすようになった十代の娘と、時にはぎくしゃくしながら、誕生日を祝ってもらったりして。
    家庭を知らない育ちで仕事の鬼、知的な美女と恋はしてもいずれは振られるボッシュなので~ちょっとは幸せを味わっている様子で、よかったですね。

  • マイクル・コナリー『ブラックボックス(下)』講談社文庫。

    2012年に刊行されたハリー・ボッシュ・シリーズの邦訳。マイクル・コナリーのデビュー、そしてハリー・ボッシュ誕生から早くも20年。我らがハリーは未だに健在であり、期待を裏切らない。今回も現代最高峰のハードボイルド小説を十二分に堪能した。

    20周年記念作品と銘打つだけにハリーの原点や過去にも触れながら、現代を舞台にした孤高の刑事、ハリーの活躍が描かれる。意外な方向に進む事件の真相、まさかの急展開、そしてハリーを見舞う最大の危機。

    1992年のロス暴動時発生し、未解決事件となったデンマーク国籍のジャーナリスト殺人事件。果たしてハリー・ボッシュは20年前の殺人事件のブラックボックスを開けることが出来るのか…ハリーは20年前の未解決事件で使用されたシリアルナンバーの削り取られた銃から少しずつ事件の核心に迫る。

    米国ではハリー・ボッシュ・シリーズは順調に続いているようだ。次回作はミッキー・ハラーとハラー・ボッシュのコラボ作品とのこと。これも楽しみである。

  • 下巻の後半から事件捜査に弾みがつく。
    上司の警部補からの告発を受けて内部監査部の女性刑事からの調査を受ける。
    そんなこんなで捜査を妨害されるのを防ぐために休暇を取って関係者と思われる男達の地元に乗り込む。
    危機に陥るが、何故か女性刑事に救われる。
    ここはなんだかな、ちょっと都合良いな。
    むしろ自力で切り抜けて欲しかった。

    ハンナとは別れるんだろうな、という予感と
    最後に被害者の兄との電話の会話で幕を閉じる。

    62歳、一時はこれまでかと娘の事を思いながら死を覚悟した瞬間もあったが意気盛ん、流石アメリカンはタフだな。

  • 2年ぶりのボッシュ・シリーズは、デビュー作から20年経った2012年に出版され、作品の舞台も同じ年。トラウマになっていた殺人事件を20年後に再捜査するボッシュの姿を描くというストーリー。タイトルの「ブラックボックス」は、飛行機事故の際のブラックボックスのように、すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるというボッシュの信念になったものを表している。

    上巻は「ブラックボックス」を求めての地味な捜査が続く。唯一の手掛かりである薬莢を手に右往左往するボッシュ。拡がりも展開も希薄なのでイマイチのれない感じ。凶器の銃を繋ぐ殺人事件。そこから細い糸を手繰っていくと事件は意外な展開を見せるが、例によって政治的思惑から捜査に圧力がかかるというお約束を経て、物語は後半から一気に動き出す。

    とは言っても、事件の動機に繋がる部分は早い段階で予想がつくので、あとは着地勝負だけになる。無理矢理粗っぽい技で攻めてきたなという感はあるが、意外な方向にストーリーを膨らませたのは面白かったです。

    あと、ボッシュが自分の所属をテレビドラマ「コールドケース」に例えて説明するシーンがあったけど、そこが一番腑に落ちた(笑

  • やっぱり面白い!!上巻は説明的な要素が多く間延びした感があったけれど、下巻中盤からのテンポの良さ!!
    まさにハリーの言う『勢い』が留まることなく溢れ出る。後半はいつものように一気読みしてしまった。

  • ボッシュシリーズとしては凡作ではないかなあ。特に上巻が地味で、いやまあ地味なのはいいんだけど、ちょっと退屈。とは言え、終盤のサスペンスとたたみかける展開は、さすがに読ませる。初期の作品に流れる暗い情念に引きつけられていたので、最近のものには点が辛くなりがちかも。

    政治的思惑から横やりが入る展開は、「ああまたそれか~」というお約束感たっぷり。犯人の一人による自白で背景が明らかになるというのが、なんだか安直な感じだし、真相も早くから見当がつく。コナリーだから、ボッシュシリーズだからこそのケチつけだと思うけど。

  • (上巻より)

    でもまあ、16才の娘といろいろとぎくしゃくしながらも、誕生日を祝ってもらったり、
    銃の訓練をしたりと、
    幸せな人生を送っているようで良かった。

    しかし、なぜ監察官がボッシュのピンチに現れたのかが、
    わからない。

  • ジャーナリスト殺人はボッシュにとって最初の未解決事件でもあった。薬莢を最新鑑識技術で調べると、凶器の銃が他の殺人にも使用されていたことが判明。捜査の末に発見した銃から削り取られたシリアルナンバーを復元すると、湾岸戦争当時の軍との関わりが明らかとなる。事件は急転、不穏な展開を見せ始めた。

    長期間眠っていたはずの事件はかなり大味なクライマックスを迎える。それはそれでよし。
    余談です。アマゾン・プライムのドラマ「BOSCH」。第2シリーズを観終わらないうちに早くも新作登場。勢いで観ないとだめですね。

  • 円熟期やね、相当こなれてる。

  • 2023.05.27
    最後は少しご都合主義のにおいがするも、ストーリー全体としては「息もつかせぬ」
    ボッシュのような一匹狼はやはり現実には難しいのではと改めて思いながら読み終えた。

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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