図書館の魔女 烏の伝言 (下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936545

作品紹介・あらすじ

姫を救出せんとする近衛兵と剛力たち。地下に張り巡らされた暗渠に棲む孤児集団の力を借り、廓筋との全面抗争に突入する。一方、剛力衆の中に、まともに喋れない鳥飼の男がいた。男は一行から離れ、カラスを供に単独行動を始めが……。果たして姫君の奪還はなるか? 裏切りの売国奴は誰なのか? 傑作再臨!

感想・レビュー・書評

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  • ぐむむむむ、レビュー書く気なくすなぁ…

    解説とほとんど同じこと思ったんだよねー
    いやほんとほんと、なので解説読んで下さい

    ってダメかー

    よく言う「前作を読んでいなくても楽しめます」は絶対噓です
    みんな騙されちゃダメだよ
    絶対前作読んでた方が楽しめます
    間違いないある

    本作の最大の読みどころはマツリカ登場で積み上がった伏線が奇麗にほどかれていく気持ちよさよね
    そしてちゃんとこの物語の本筋は「言葉」と「文字」というところに帰結してくんよね
    だいたい読書を趣味にしてる人なんてそもそも「言葉」と「文字」を大切に思ってる人なんだから、このテーマに心が震えないはずないんよ
    そりゃあ面白いはずよ

    そしてヒロイックファンタジーで最も大切な敵役の描き方も抜群なんよね
    素晴らしいクソ野郎どもを見事に描ききってるわけ
    山賤や鼠と呼ばれ蔑まれた者たちが「信」を違えず命をかけるのと対比させることでもう腸が煮えくり返るとなるんよ
    うまいなー

    そして最後は、もう3作目早く書いてー!となるわけよね

    ってあれ?『図書館の魔女』ってヒロイックファンタジーだったっけ?

    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん

      調べたらやっぱりグレーで合ってました
      先日(10月くらいかな)たまにしか行かない図書館の新着コーナーに文庫版の京極夏彦さんがなぜ...
      土瓶さん

      調べたらやっぱりグレーで合ってました
      先日(10月くらいかな)たまにしか行かない図書館の新着コーナーに文庫版の京極夏彦さんがなぜか一気に10冊くらい入ってて物凄い場所とつてましたw
      2022/12/02
    • みんみんさん
      京極さん昔はスマートなイケメンだったよね…
      ご自身も場所取るようになって( ̄▽ ̄)笑
      京極さん昔はスマートなイケメンだったよね…
      ご自身も場所取るようになって( ̄▽ ̄)笑
      2022/12/02
    • ひまわりめろんさん
      ほんとは一瞬天の啓示か!遂に京極夏彦さんデビューか!とも思ったんだけど無視しましたw

      歳を重ねると横に広がるのよ
      ま、わしはスマートシティ...
      ほんとは一瞬天の啓示か!遂に京極夏彦さんデビューか!とも思ったんだけど無視しましたw

      歳を重ねると横に広がるのよ
      ま、わしはスマートシティだけどな
      2022/12/02
  • 大満足!
    下巻も最初は建造物や環境の説明ばかりで飽きがきたが、途中から港湾都市を巡る冒険からマツリカ登場まで息もつかせぬ疾走感でクライマックスへ。
    マツリカの推理がことごとく腑に落ち伏線回収。
    後半一気読みで読後感は期待を裏切らなかった。
    新刊の「霆ける塔」が楽しみだ。

  • ブラヴォー、ブラヴォー、ブラヴォー!!!

    ファンタジー大作『図書館の魔女』の続編、『烏の伝言』を読了いたしましたよ。

    こちらも前作と負けず劣らずの面白さでしたね。

    前作で描かれた我らがマツリカ様がニザマとアルデシュ、一ノ谷との大戦争の危機を回避させた事件から1~2年が経過した後で、本書ではどちらかというとニザマ側を描いた物語です。
    前作の正当な続編というよりもスピンオフ的な要素が強い作品ですね。

    本書を読むにあたっては、マツリカ様がいつ出てくるのか、今か今かと期待しながらページをめくっていたのですが、マツリカ様はいっこうにそのお姿を見せてくれません(笑)。
    これは、いわゆる
      「でるでる詐欺か?」
    と半ばあきらめムード漂いながら読み進めていったのですが、そうこうして読んでいるうちに、この独自の物語にはまっていってしまうのですよ。
    高田先生の筆力恐るべし。

    あらすじですが、ニザマ宰相ミツクビの失脚により、内紛状態のニザマ。そのミツクビ側のながれを組むニザマ高級官僚の姫君一行の脱出行が本書のメインストーリー。この姫君の脱出行を助けるべく雇われた道案内の剛力たちと姫君を守る近衛兵たちの活躍が主に描かれます。当然、彼らの行方は簡単な道ではありません。一波乱も二波乱もあります。そんな彼らがある山の越えたところで、山村に突き当たるのですが、そこの村人全員が惨殺されていたのです。これは彼らの逃避行と関係があるのか?果たして・・・。

    とこんな感じで物語は進んでいき、前作とのつながりがまったく見えない手探り状態で読み進めていく感じです(笑)。

    では、まったく前作と話はつながらないのかと思いきや・・・いやいや、出てきますよ。前作の主要メンバーであったあの彼が名前を変えて(笑)。
    この前作を読んでいたからこそすぐに分かるというこの優越感。続編を読む時の重要なファクターですよねww。

    ここでちょっと、ネタバレですが、
    この本書の主人公たちは当然、「高い塔の魔女」がこの政変の原因だということは噂で知っています。
    ただ、この時代テレビもインターネットもありません。
    噂はまさに人づてで伝わり、当然、尾ひれがついていくものです。そしてマツリカ様の噂はこんな風にww
    ある登場人物のセリフですが

      『呪いだよ。高い塔の魔女ってのはな、怪しい言葉を幾つも知っていてな、いっち気味の悪い呪いをちょろちょろっと唱えるってぇと、途端に身が竦んで誰でも魔女の言いなりになっちまう』
      『驚ぇたな、誰でもかい』
      『誰でもさ、そいつが黒服をぞろっと並べて乗り込んできて…』
      『そんでその黒い男の輪の中にな、もう一人化け物みたいな奴がいて……そいつがまた剣呑でな、黒い輪の中に一歩でも踏み込んだら御陀仏、その目を見ただけで体が真っ二つに裂かれて死んでしまうという……』

    ってこんな感じですね。もう笑いが止まりません。
    こんなうわさ話を、もしハルカゼやキリンが聞いたら
      うちのマツリカ様はそんなことはしない!!!
    と激怒して殴りかかっているところですが、でもキリヒトだったら
      ……ちょっとそれ……少し僕のせい、はいってるじゃん……
    ってすごく反省しそうで、そんなキリヒトを想像するとそれがまた可愛いww。

    …………おっと、向こう側の妄想世界に心が囚われそうになりました。

    という訳で、この姫君の逃避行物語単体でも十分に楽しめますが、マツリカ様が登場してきた後は、またあの怒涛の展開が……。
    おいしいところをマツリカ様が全部かっさらっていきます(笑)。最高です。

    そして、本書でも言語学者でもある高田先生の言語蘊蓄も満載ですよ、前作では西洋の言葉が多かったですが、本作では
      漢字とひらがな
    がフィーチャーされます。いやはや勉強になる小説だなあ~。

    この第二作でも気になる人物が登場してきたし、もう次作が待たれるばかりなのですが、第三作『霆ける塔(はたたけるとう)』はいつ発売されるのかな~。
    もうキリンのように首を長くして待ちますよ。
    あ、このキリンは動物園のキリンね。前作のキリンのことじゃないからねw

    • マリモさん
      kazzu008さん
      おぉー、ブラヴォーきたぁ!
      前にあらすじだけちらっと読んでいたのですが、脱出するのはミツクビ側の姫なのですねー。だいぶ...
      kazzu008さん
      おぉー、ブラヴォーきたぁ!
      前にあらすじだけちらっと読んでいたのですが、脱出するのはミツクビ側の姫なのですねー。だいぶ視点が変わって面白そうです、マツリカの再登場も楽しみに読むことにします(o^^o)
      実際を知らない人の、高い塔の魔女のイメージには笑ってしまいました、ほんまに魔女!(笑)
      2021/06/08
    • kazzu008さん
      マリモさん。
      コメントありがとうございます。返事がおそくなってすいません。

      ええ。この続編も面白いですよ~。
      マリモさん。
      コメントありがとうございます。返事がおそくなってすいません。

      ええ。この続編も面白いですよ~。
      2021/06/17
  • やっぱり好きだなー。

    正直、よくわからなくて飛ばし読みのところもあったけれど、マツリカとハルカゼの登場したところからは一気だった。マツリカファンとしてはたまらない…

    本を読むときは、なんとなくえいぞうが浮かんで映画を見ている感覚に陥ることが多いのだけど、この本は何か舞台を見ている感覚だった。

    また、彼らに会いたい。

  • 廓に囚われたニザマの姫君の救出に動き出す、姫の近衛隊と剛力たち。
    地下に張り巡らされた複雑な水路の中で彼らを導くのは、港湾都市の〈鼠〉と呼ばれる孤児たちです。
    年齢も立場もまったく異なる彼らが行動を共にする中で、だんだん互いに友情を育んでいく描写に胸が熱くなりました。
    特に、過酷な人生を歩んできた孤児たちが、近衛や剛力たちの前で年相応の子供らしい表情を見せるようになっていくごとに彼らの出会いを本当に幸福なことだと思いました。
    彼らの誰もが欠けることなく物語の結末を迎えてほしいと、必死に祈りながら読み進めていました。

    そして、図書館の魔女・マツリカが登場してからクライマックスにかけての、物語が収束していく感覚にしびれました。
    言葉を喋れないからといって、言葉に不自由だからといって、彼らが言葉を持たないわけではないのです。
    彼らはそれぞれの手段で、なんと雄弁に語ることだろう!
    言葉や知恵がほとばしる物語があたえてくれた高揚感に酔いしれながら読了。

    シリーズ続編は2017年刊行予定だったようですが、本日時点ではまだ出版されていない様子。
    本作では登場しなかったキリヒトやキリンの物語を期待!
    物語の余韻に浸りつつ、全力で待ちたいと思います。

  • 絶対に絶対に絶対に続きを書いてください。
    いつまでも待ちます。
    あー、面白かった!
    今回は最初から最後までずっと面白かったです。前作は世界観を呑み込ませるための描写が長くてきつかったけど。

    わたしカラス大好きなんですよ。ファンタジーに登場するカラスはどうしてこうも魅力的ななのか?賢いし。
    エゴンの賢さと観察力がみんなを救った。
    山賤と騎士たち、賢い姫君、鼠たちも可愛かったし、登場人物みんなよかった。
    今作は特にヴァーシャの回でしたね。
    かっこよかったよ、カロン!

    我らが図書館勢が満を辞して登場して、一気に謎が解かれていくさまは圧巻。積み上げられたすべての伏線が一気に回収されていって、気持ちいいったらない。はー。早く続きください。

  • 面白い!
    描写が密で細かくてなかなか読み進めなかったけれど、その小さな歯車がカチリと噛み合い物語を大きく動かす感動。終盤あの方が登場してからの一気呵成の展開に喝采をあげます。
    確固たる知識に裏打ちされた創られし世界の魅力に溢れています。

  • ほーらやっぱり面白かった!
    説明が長くて読み進めるのが大変だった上巻に比べると、物語が大きく動き、懐かしい面々も登場する下巻。あっという間に読み終わってしまった。

    マツリカ登場の安心感。全ての謎が解き明かされていく爽快感。全て読み終えると、次はキリヒトの話が来るに違いないと確信できる。三作品目も楽しみだ。

    それから、今作はエゴンという障がいを持つ鳥飼の存在が、言葉や文字に関わるキーパーソンだった。なかでも、ひらがなと漢字の識字についての考察にはハッとさせられた。言語について深く知ることができるのが、このシリーズの魅力であると改めて感じされられた。

  • 図書館の魔女シリーズ 続編下巻。

    姫奪還作戦が敢行され、それぞれの役割をそれぞれが
    果たすものの、意図的な作戦は陰謀によって分断。
    疑心暗鬼が重なって不協和音が響き渡る。
    それぞれの場所で、それぞれの様子を切り替えながら、
    心理描写を交えて街中や暗渠を駆け抜ける。
    これが興奮せずにいられますかぁ~!
    ようやく登場した魔女の存在にどれだけ安堵したことか。
    相変わらずの謎解きは、お見事です。
    烏の伝言に始まり、烏の伝言に終わる。面白かったです。
    次作は、タイトルが決まっているみたいなのに出てこないのは何故?
    早く読みたいです。

  • 誰が味方で誰が敵なのか。信じるに足る者は誰か。うーん難しい。心の赴くままになついて信じられたらいいのに。追いかけられるスリル、逃げおおせる爽快感。そして明らかになる真実。謎解きを読んでまたまた前のページを探す。なるほど、そうだったね何で気づかないんだろう。というか何で魔女には判るの? じゃなくて判るから魔女と呼ばれるんだった。

    そうそう マツリカ と呼ぶのは良いのかな?

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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