都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936583

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  • 議員探偵・漆原翔太郎の続編。
    若手2世議員の漆原と秘書の雲井が様々な事件や問題に直面する連作短編集。

    「出馬」
    前作で議員を辞めてからすぐ都知事出馬を決意する漆原のもとに、現総理大臣の遣いが訪れ、金を渡すから都知事選に出馬しないでくれ、と申し出る。
    結局その遣いは、漆原がどういう人物か本性を確かめるために変装した総理大臣本人だった。

    「襲撃」
    都知事に就任した漆原。
    都内各所で停電が頻発したため関東電力社長が都に参考人招致されることになったが、そこでアイスを社長にぶつけるデモを行う、という襲撃予告メールが届く。
    漆原は犯人を見つけ襲撃の阻止に成功する。

    「馬鹿」
    都のマスコットキャラに”馬鹿”とイタズラ書きした犯人を捜す漆原。犯人の目的はマスコットキャラがパクリだったことを公にすることだった。

    「外交」
    東京と姉妹友好都市の提携を結んでいるアール王国の王女が東京にやってきた。
    王女は雲井のことが大好きで、大使館でパーティーをした。が、王女のダイヤが盗まれる事件が起こる。
    ダイヤを捜索し見つかった場所は雲井の部屋。雲井には全く身に覚えが無かったが犯人と疑われる。
    漆原は雲井の無実を証明するため調査し、犯人は王女自身だったことが判明する。
    大使館内で事件が起きたため、雲井をアール王国に連行し、雲井と結婚することが目的だった。

    「辞職」
    漆原は雲井と共に総理大臣の家に赴く。
    そこで漆原は都内で頻繁に起きていた停電は総理大臣が裏で手を引いていたことを指摘する。
    否定する総理大臣だったが、漆原は他に起きていた事件のささいなことを収束させ、首謀者が総理大臣であることを浮き彫りにする。
    そしてついに総理大臣は自白する。すべては「首都機能分散構想」を実現するために行っていたと。
    頻繁に起こしていた停電は「東京全土の停電」を実行するための予行練習で、実際に東京全土で停電が起きれば、東京にすべてが集中する現状がいかに危ういかを国民は知り、首都機能分散構想を受け入れる世論が形成される。というもくろみだった。
    その計画を立てた真の動機は、「都の財政破綻」の回避だった。

    東京全土の停電を未然に防いだ漆原は総理大臣と共に会見を開き、国民にすべてを公表し、漆原は支持率99%の時の人となった。

著者プロフィール

1978年生まれ。メフィスト賞を受賞し、2010年『キョウカンカク』で講談社ノベルスからデビュー。近年は『希望が死んだ夜に』(文春文庫)、『あの子の殺人計画』(文藝春秋)と本格ミステリ的なトリックを駆使し社会的なテーマに取り組む作品を繰り出し、活躍の幅を広げている。

「2021年 『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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